タクシー初乗り料金値下げで外国人観光客の利用者は急増する
国土交通省によれば、2017年1月30日から東京のタクシー初乗り料金が410円(下限は380円)に引き下げられることになりました。これまでの初乗り料金が730円ですから、半額近い引き下げです。タクシー初乗り料金の引き下げで多くの外国人観光客の利用が予想されます。
初乗り料金はニューヨーク、ロンドンよりも割安に
東京はもとより、これまでの日本のタクシー初乗り料金は、ニューヨークやロンドンなどの都市と比べると割高でした。これからは、移動距離1キロメートルというようなちょっとした移動でも気軽にタクシーが利用できるようになります。特に、複雑な道のりで目的地へたどり着くことが困難な外国人観光客や大きな荷物を持った外国人観光客などのニーズは高まるでしょう。そのためにも、タクシー運転者には外国語、特に英語でのコミュニケーション能力が求められます。
出典:東京のタクシー運賃組替えについて(国土交通省)
※ニューヨーク、ロンドンの料金は為替レートにより変動します。
※ニューヨークでは追加でチップと税金がかかります。また、ロンドンでは追加でチップがかかります。
外国人観光客がタクシーを利用しなかった最大の理由は「高い」から
下のグラフは、韓国、台湾、アメリカ合衆国から日本へ訪れた観光客を対象に、タクシーを利用しなかった理由についてアンケート調査を行ったものです。利用しなかった大きな理由は「コストが高いから」でした。2017年1月30日以降、東京に限ってはこの問題は解消されることになるでしょう。その他の理由として「分かりにくい・難しいから」、「時間が正確でないから」、「時間がかかるから」などが挙げられていました。これらについては、タクシー利用のためのパンフレットの充実や到着時間の告知といったサービスを充実させる必要があるでしょう。
出典:外国人観光客の首都圏交通インフラ利用調査結果のお知らせ(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
下のグラフは、バスを利用しなかった理由を表したものです。タクシーのケースと比較すると、バスのほうに不満を持つ観光客の多いことがわかります。
出典:外国人観光客の首都圏交通インフラ利用調査結果のお知らせ(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
外国人観光客が利用する交通手段、1位は地下鉄
下のグラフは、韓国、台湾、アメリカ合衆国から日本へ訪れた観光客を対象に、移動のための交通手段についてアンケート調査を行ったものです。1位は地下鉄で、ほとんどの観光客が利用していることがわかります。以下、JR、私鉄、タクシー、公共バスと続きます。タクシーは、地下鉄やJR、私鉄といった鉄道と比べると、どこからでも乗車できて目的地まで直行できるというメリットがあります。もちろん、乗り換える必要もありません。料金引き下げが追い風となり、タクシーが鉄道に代わる主な交通手段となる可能性もあるかもしれません。
出典:外国人観光客の首都圏交通インフラ利用調査結果のお知らせ(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
バス・タクシーに使うお金は8,000円
下のグラフは、外国人観光客が旅費として使ったお金を交通手段別、地域別に分けて表したものです。交通手段別では航空にかけるお金が最も高いという結果になっています。一方、バス・タクシーにかけるお金は、アジア地域の観光客は7,488円、欧州・ロシア地域は9,683円、北アメリカ地域(アメリカ合衆国とカナダの2国)は8,587円、オセアニア地域(オーストラリアの1国)は8,059円という結果でした。
地域別で見ると、アジア地域の観光客は、他の地域の観光客よりもあまり旅費を使っていないことがわかります。
出典:訪日外国人消費動向調査(観光庁)
関連サイト
公共料金の内外価格差 – 消費者庁
登別市における外国人旅行者の移動容易化のための言語バリアフリー化調査報告書 – 国土交通省
タクシー料金を知りたい – 一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会
タクシー市場に関するQ&A – 一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会