学習障がいの子どもの英語学習には「フォニックス」がお薦め
学習障がい(LD)とは、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力のうち1つ以上の能力に著しい困難を示す障がいのことです。
読むことが困難な児童、生徒は、英単語を見ても正しく発音できなかったり、意味が理解できなかったりすることがあります。音声を聞けば意味が理解できるのに、文字では理解することができません。英語の学習では、聞く、話す、読む、書くの4技能をバランスよく習得することが望まれていますが、読むことが困難な児童、生徒はバランスを保つことが難しいといえます。
児童、生徒が英単語を覚えるための学習法の1つに「フォニックス」(Phonics)があります。フォニックスは、英語を母語とする国の幼児が、英語の読み方を覚えるため開発された学習法です。今では、読むことが困難な学習障がいの児童、生徒向けの教材としても用いられています。フォニックスとはどのような学習法なのでしょうか。
フォニックスを使えば英単語が楽に覚えられる
フォニックスの特徴は、アルファベットを発音に近い呼び方で読むことです。「a」は「ア」、「b」は「ブッ」、「c」は「ク」と読みます。例えば、「cat」は「クアトゥ」と読み、「キャット」に近い呼び方で読むことができます。一般的には「シーエーティーと書いてキャットと読む」というように覚えますが、フォニックスでは「クアトゥ」が綴りであり、読み方でもあるのです。
フォニックスでの呼び方の例
- bat…ブッアトゥ(バット)
- milk…ムイルク(ミルク)
- cap…クアプ(キャップ)
- park…プアゥルク(パーク)
- box…ブッオクス(ボックス)
フォニックスのメリット
フォニックスのアルファベットの呼び方を覚えれば、英単語を正しい発音で読めるようになります。習っていない英単語でも、読めることがあります。音声で聞いた英語を、文字に書き表すことができるようになったり、ネイティブスピーカーの発音を聞き取りやすくなったりします。
フォニックスで覚えられない英単語もある
フォニックスは、すべての英単語を正しい発音で読めるというわけではありません。例えば、「cut」は「クアトゥ」と読むので「カット」と発音できますが、「cute」は「クアトゥエ」となり、正しい発音の「キュート」とは異なる発音になってしまいます。フォニックスを使っても正しく発音できない英単語もあることを知っておきましょう。
関連サイト
松香フォニックスのカリキュラムに基づいた小学校英語教育の実践 – 科学技術情報発信・流通総合システム
ディスレクシア | 子どもの病気 – 国立成育医療研究センター
読み書きのみの学習困難 (ディスレキシア)への対応策 – 科学技術・学術政策研究所
小・中・高等学校を通じた英語教育強化に関する取組について – 文部科学省
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