中学校英語の授業に「ペアワーク」を取り入れよう
2020年度から始まる大学入試共通テストでは、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を評価します。生徒に、将来の大学入試での競争力をつけさせるためには、中学生のうちから授業の中で着実に「話す」力を伸ばしていくことが望まれます。
生徒に「話す」力をつけさせるために、「ペアワーク」の導入が役に立ちます。ペアワークは、生徒の「話す」力を伸ばす指導方法の1つです。英語の授業にペアワークを導入することで、生徒1人ひとりの発話量を増やし、多様な表現や語彙を身につけさせる効果が期待できます。
目次
ペアワークでコミュニケーション能力が養える
ペアワークとは、主に生徒どうしで2人1組のペアを作り、主体的に学習させる活動です。ペアワークでは、生徒どうしで特定の話題について議論や会話を行う中で、公式や用語などの学習事項を確認しあいます。対等な双方向のコミュニケーションを重視するペアワークは、学力アップに役立つだけではなく、生徒のコミュニケーション能力をも育てることができます。
ペアは多くの場合、隣の席の生徒と組みますが、くじ引きでペアを決める場合もあります。
ペアワークでは相手と息を合わせることが大切
ペアワークでは多くの場合、会話文を音読したり、質疑応答したりして進めていきます。ペアワークは、コミュニケーション(双方向のやりとり)を想定した活動なので、相手と息を合わせて行うことが大切です。
例えば、フリートークや質疑応答など、自分の言いたいことを表現するペアワークでは、聞き手がうまく質問して、相手の伝えたいことを引き出せるように指導できるとよいでしょう。
うまく相手の言葉を引き出せる方法の1つに、「why」や「what」などを使った文で質問する、というものがあります。国語の作文やビジネスのプレゼンテーションなどでも「5W1H(When、Where、Who、What、Why、How)を意識して書け」ということがよく言われますが、5W1Hが要となってコミュニケーションが展開していくのは英会話でも同じだといえるでしょう。
例えば、what や why を用いた会話として、下のようなものを想定することができます。
What do you want to be?
何になりたいですか?
I want to be a teacher because I like children very much.
先生になりたいです。子どもが大好きだからです
Why do you like children?
どうして子どもが好きなんですか?
This is because they’re cute and make me happy.
子どもは可愛くて、幸せな気持ちにしてくれるからです
What do you want to teach?
何を教えたいんですか?
I want to teach English.
英語を教えたいです
ペアワークがうまく機能しない場合の対策
英語学習でのペアワークには、多くの利点がありますが、うまくいかない場合もあります。例えば、英語で意見交換をするペアワークでは、生徒間の会話が少なくなる傾向があります。生徒が伝えたいことを英語で表現できないから、人前で英語を話す気まずさがあるから、などの原因が考えられます。
英語で活発に発言することへの抵抗感を減らすためには、言いたいことの要点を紙に書き起こさせておくなどの事前準備が役に立つでしょう。特定の話題についての意見交換をする場合は、役立ちそうな表現や英単語を事前に教えておくのも1つの手だと言えます。
ペアワークでシャドーイングや瞬間英作文もできる
英語の授業におけるペアワークは例文の音読や質疑応答が基本的なものですが、ペアワークを用いた、英語の珍しい学習方法がいくつかあります。
英文の「シャドーイング」は少し珍しいペアワークの1つの例です。シャドーイングのペアワークは、ペアの片方が読んだ英文を、ペアのもう片方が聞いてリピートする学習方法です。シャドーイングのペアワークでは、英語を話す力や聞く力が養われます。
「瞬間英作文」も、ペアでできる英語学習方法の1つです。瞬間英作文とは、簡単な日本語の文を聞き、即座に英文に直して発話する学習方法です。瞬間英作文のペアワークでは、相手の話した日本語文を即座に英語に直していく過程で、頭の中で構造的に英文を組み立てる力を育てることができます。
「話す」力が重視される
最近の学校英語教育業界では、生徒の「話す」力をより重視するようになる動きが起きています。文部科学省によると、2020年度から始まる大学入試共通テストでは、英語の試験は従来の「読む」「聞く」の2技能に「話す」「書く」の2技能を加えた4技能で測られるようになります。
東京都教育委員会の「東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会報告書」では、2019年度以降の都立高校入試の英語に「話すこと」の試験を導入する予定であるとしています。大学入試共通テストや都立高校入試に限らず、全国の高校入試でも「話す」力を測る試験が導入される可能性があります。中学生の早いうちから、英語の「話す」力を伸ばしていくとよいと言えるでしょう。
関連リンク
「東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会報告書」について – 東京都教育委員会
外国語授業におけるペアワークの有効性 – 広島大学 学術情報リポジトリ
学習指導要領のポイント等 – 文部科学省
ペアワークの活用について – 新潟県立教育センター
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