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語学教育のキーワード「CAN-DOリスト」とは?その活用法は?

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2011年に文部科学省の審議会である「外国語能力の向上に関する検討会」で発表された「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」においにおいて、「中・高等学校では学習到達目標をCAN-DOリストの形で設定する」という旨の提言がなされました。CAN-DOリストは今日に至るまで多くの中・高等学校で導入され、生徒の英語力アップのために活用されています。

そもそもCAN-DOリストとは

CAN-DOリストとは、中学校や高等学校においては生徒の能力や技能を「~することができる」のような箇条書きで示した文章のことで、学習到達目標を設定する際に用いられます。英語の科目の場合は「読むこと」、「聞くこと」、「話すこと」、「書くこと」の4つの技能に分類して、各学年の修了時に何ができるのかを想定してCAN-DOリストを作成します。CAN-DOリストは、教師のみが利用するケースと、教師と生徒が共有して利用するケースがあります。後者の場合、生徒がCAN-DOリストに「できる」「できない」にチェックを入れることで、教師は生徒の理解度を素早く知ることができます。また、「できない」を示した生徒に個別指導をするなど、円滑な対応も可能です。さらに、「できない」を示した生徒数が多い場合には指導内容の見直しを図るといった対応もすぐにできます。CAN-DOリストは、生徒にとっても教師にとってもメリットがあるといえるでしょう。なお、文部科学省では、CAN-DOリスト形式での学習到達目標を設定する目的を次のように定義しています。

 

  • 学習指導要領に基づき、観点別学習状況の評価における「外国語表現の能力」と「外国語理解の能力」について、生徒が身に付ける能力を各学校が明確化し、主に教員が生徒の指導と評価の改善に活用すること
  • 学習指導要領を踏まえた、「聞くこと」、「話すこと」、「読むこと」及び「書くこと」の4技能を総合的に育成し、外国語によるコミュニケーション能力、相手の文化的、社会的背景を踏まえた上で自らの考えを適切に伝える能力並びに思考力、判断力、表現力を養う指導につなげること
  • 生涯学習の観点から、教員が生徒と目標を共有することにより、言語習得に必要な自律的学習者として主体的に学習する態度・姿勢を生徒が身に付けること

 

CAN-DOリストの作り方

CAN-DOリストは、学習到達目標を設定する際に作成します。作成にあたっては、学習指導要領教育委員会からの提言、文部科学省が掲げる英検合格目標などを念頭に置くとよいでしょう。書き方は特に決められていませんが、教師や生徒の誰が読んでも理解できる内容でなければなりません。「条件」と「程度」を設定することでより具体的なCAN-DOリストが作成できます。例えば、「ゆっくり話されれば要点を理解することができる」、「簡単な語を用いて、身近な事について短い文章を書くことができる」などのCAN-DOリストが望ましいでしょう。

 

CAN-DOリストでは、「英検3級合格者数50%」や「英単語500語覚える」のような数値目標が入っているもの、「クラスの前で立派に英語が話せる」のような抽象的な内容であるものはCAN-DOリストとしてふさわしくありません。また、「関係代名詞が正しく書ける」のような学習活動の目標もCAN-DOリストとしてふさわしくありません。

 

CAN-DOリストをいくつか列挙したら、学習到達目標のシートに記入していきます。CAN-DOリストは、「読むこと」、「聞くこと」、「話すこと」、「書くこと」の各項目につき3つ程度設定するとよいでしょう。CAN-DOリストを生徒と共有する場合には、「できる」「できない」を記入する欄を設けるとよいでしょう。

 

CAN-DOリストを用いた学習到達目標の例

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CAN-DOリストの例

CAN-DOリストは、多くの中学校、高等学校が導入しています(出典:「CAN-DOリスト導入率と英語力との意外な関係」)。CAN-DOリストには決まった形式がなく自由に作成できる反面、教師・生徒の誰もが理解できる正確な表現が求められます。アイデアが浮かばない、表現が難しいという場合には、CEFR-Jを参考にするとよいでしょう。CEFR-Jとは、語学の能力別レベルを示す国際標準規格「CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)」をベースにして日本の英語教育での利用を目的に構築された、新しい英語能力の到達度指標のことです。以下は、CEFR-Jによる中学校向け、および高等学校向けのCAN-DOリストです。

中学校向けCAN-DOリスト

 

聞くこと

  • ゆっくりはっきりと話されれば、日常の身近な単語を聞きとることができる。
  • 英語の文字が発音されるのを聞いて、どの文字かわかる。

 

読むこと

  • 口頭活動で既に慣れ親しんだ絵本の中の単語を見つけることができる。
  • ブロック体で書かれた大文字・小文字がわかる。

 

話すこと

  • 基礎的な語句を使って、「助けて!」や「~が欲しい」などの自分の要求を伝えることができる。また、必要があれば、欲しいものを指さししながら自分の意思を伝えることが出来る。
  • 一般的な定型の日常の挨拶や季節の挨拶をしたり、そうした挨拶に応答したりすることができる。
  • 簡単な語や基礎的な句を用いて、自分についてのごく限られた情報(名前、年齢など)を伝えることができる。
  • 前もって話すことを用意した上で、基礎的な語句、定型表現を用いて、人前で実物などを見せながらその物を説明することができる。

 

書くこと

  • アルファベットの大文字・小文字、単語のつづりをブロック体で書くことができる。
  • 単語のつづりを1文字ずつ発音されれば、聞いてそのとおり書くことができる。また書いてあるものを写すことができる。

 

高等学校向けCAN-DOリスト

 

聞くこと

  • 当人に向かって、ゆっくりはっきりと話されれば、「立て」「座れ」「止まれ」といった短い簡単な指示を理解することができる。
  • 日常生活に必要な重要な情報(数字、品物の値段、日付、曜日など)を、ゆっくりはっきりと話されれば、聞きとることができる。
  • 趣味やスポーツ、部活動などの身近なトピックに関する短い話を、ゆっくりはっきりと話されれば、理解することができる。
  • 日常生活の身近なトピックについての話を、ゆっくりはっきりと話されれば、場所や時間等の具体的な情報を聞きとることができる。
  • ゆっくりはっきりと話されれば、自分自身や自分の家族・学校・地域などの身の回りの事柄に関連した句や表現を理解することができる。
  • (買い物や外食などで)簡単な用をたすのに必要な指示や説明を、ゆっくりはっきりと話されれば、理解することができる。
  • ゆっくりはっきりと放送されれば、公共の乗り物や駅や空港の短い簡潔なアナウンスを理解することができる。
  • 学校の宿題、旅行の日程などの明確で具体的な事実を、はっきりとなじみのある発音で指示されれば、要点を理解することができる。
  • スポーツ・料理などの一連の行動を、ゆっくりはっきりと指示されれば、指示通りに行動することができる。
  • 視覚補助のある作業(料理、工作など)の指示を、ゆっくりはっきりと話されれば、聞いて理解することができる。

 

読むこと

  • 「駐車禁止」、「飲食禁止」等の日常生活で使われる非常に短い簡単な指示を読み、理解することができる。
  • ファーストフード・レストランの、絵や写真がついたメニューを理解し、選ぶことができる。
  • 簡単なポスターや招待状等の日常生活で使われる非常に短い簡単な文章を読み、理解することができる。
  • 身近な人からの携帯メールなどによる、旅の思い出などが書かれた非常に短い簡単な近況報告を理解することができる。
  • 簡単な語を用いて書かれた、スポーツ・音楽・旅行など個人的な興味のあるトピックに関する文章を、イラストや写真も参考にしながら理解することができる。
  • 簡単な語を用いて書かれた、挿絵のある短い物語を理解することができる。
  • 簡単な語を用いて書かれた人物描写、場所の説明、日常生活や文化の紹介などの、説明文を理解することができる。
  • 簡単な語を用いて書かれた短い物語や伝記などを理解することができる。
  • 簡単な英語で表現されていれば、旅行ガイドブック、レシピなど実用的・具体的で内容が予想できるものから必要な情報を探すことができる。
  • 生活、趣味、スポーツなど、日常的なトピックを扱った文章の要点を理解したり、必要な情報を取り出したりすることができる。

 

話すこと

  • なじみのある定型表現を使って、時間・日にち・場所について質問したり、質問に答えたりすることができる。
  • 家族、日課、趣味などの個人的なトピックについて、(必ずしも正確ではないが)なじみのある表現や基礎的な文を使って、質問したり、質問に答えたりすることができる。
  • 基礎的な語句、定型表現を用いて、限られた個人情報(家族や趣味など)を伝えることができる。
  • 基礎的な語句、定型表現を用いて、簡単な情報(時間や日時、場所など)を伝えることができる。
  • 基本的な語や言い回しを使って日常のやりとり(何ができるかできないかや色についてのやりとりなど)、において単純に応答することができる。
  • スポーツや食べ物などの好き嫌いなどのとてもなじみのあるトピックに関して、はっきり話されれば、限られたレパートリーを使って、簡単な意見交換をすることができる。
  • 前もって発話することを用意した上で、限られた身近なトピックについて、簡単な語や基礎的な句を限られた構文を用い、簡単な意見を言うことができる。
  • 前もって発話することを用意した上で、日常生活の物事を、簡単な語や基礎的な句を限られた構文を用い、簡単に描写することができる。
  • 趣味、部活動などのなじみのあるトピックに関して、はっきりと話されれば、簡単な質疑応答をすることができる。
  • 基本的な語や言い回しを使って、人を誘ったり、誘いを受けたり、断ったりすることができる。
  • 前もって発話することを用意した上で、限られた身近なトピックについて、簡単な語や基礎的な句を限られた構文に用い、複数の文で意見を言うことができる。
  • 前もって発話することを用意した上で、日常生活に関する簡単な事実を、簡単な語や基礎的な句を限られた構文を用い、複数の文で描写できる。
  • 順序を表す表現であるfirst, then, nextなどのつなぎ言葉や「右に曲がって」や「まっすぐ行って」などの基本的な表現を使って、単純な道案内をすることができる。
  • 補助となる絵やものを用いて、基本的な情報を伝え、また、簡単な意見交換をすることがきる。
  • 一連の簡単な語句や文を使って、自分の趣味や特技に触れながら自己紹介をすることができる。
  • 写真や絵、地図などの視覚的補助を利用しながら、一連の簡単な句や文を使って、身近なトピック(学校や地域など)について短い話をすることができる。
  • 簡単な英語で、意見や気持ちをやりとりしたり、賛成や反対などの自分の意見を伝えたり、物や人を較べたりすることができる。
  • 予測できる日常的な状況(郵便局・駅・店など)ならば、さまざまな語や表現を用いてやり取りができる。
  • 写真や絵、地図などの視覚的補助を利用しながら、一連の簡単な語句や文を使って、自分の毎日の生活に直接関連のあるトピック(自分のこと、学校のこと、地域のことなど)について、短いスピーチをすることができる。
  • 一連の簡単な語句や文を使って、意見や行動計画を、理由を挙げて短く述べることができる。

 

書くこと

  • 住所・氏名・職業などの項目がある表を埋めることができる。
  • 自分について基本的な情報(名前、住所、家族など)を辞書を使えば短い句または文で書くことができる。
  • 簡単な語や基礎的な表現を用いて、身近なこと(好き嫌い、家族、学校生活など)について短い文章を書くことができる。
  • 簡単な語や基礎的な表現を用いて、メッセージカード(誕生日カードなど)や身近な事柄についての短いメモなどを書ける。
  • 自分の経験について、辞書を用いて、短い文章を書くことができる。
  • 趣味や好き嫌いについて複数の文を用いて、簡単な語や基礎的な表現を使って書くことができる。
  • 日常的・個人的な内容であれば、招待状、私的な手紙、メモ、メッセージなどを簡単な英語で書くことができる。
  • 文と文を and, but,because などの簡単な接続詞でつなげるような書き方であれば、基礎的・具体的な語彙、簡単な句や文を使った簡単な英語で、日記や写真、事物の説明文などのまとまりのある文章を書くことができる。
  • 身の回りの出来事や趣味、場所、仕事などについて、個人的経験や自分に直接必要のある領域での事柄であれば、簡単な描写ができる。
  • 聞いたり読んだりした内容(生活や文化の紹介などの説明や物語)であれば、基礎的な日常生活語彙や表現を用いて、感想や意見などを短く書くことができる。

 

参考サイト

各中・高等学校の外国語教育における「CAN-DO リスト」の形での学習到達目標設定のための手引き – 文部科学省
「CAN-DO リスト」の形での学習到達目標例(中学校学習指導要領における外国語科の目標に基づく設定例)及び年間指導計画・単元計画への反映例 – 文部科学省
CAN-DOリスト利用の方法と課題 – 文部科学省
中学校学習指導要領解説 外国語編 – 文部科学省
高等学校学習指導要領解説 外国語編/英語編 – 文部科学省

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