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英語学習

英語の語彙力がアップする「語彙ネットワーク」とは?

生徒の英語の語彙力を育てるために効果的な概念に、「語彙ネットワーク」があります。語彙ネットワークとは、語や語句の意味的な関連性を示すネットワークのことです。

 

拡張語彙力を育てる -ネットワークの活用-
※動画の閲覧には、PEN英語塾へのログイン(有料)が必要になります。

 

PEN英語教師塾」の動画講義を参考に、「語彙ネットワーク」の感覚を上手に取り入れて、効率的で楽しい英語指導を実現しましょう。動画講義の講師は慶應義塾大学名誉教授・ココネ言語教育研究所所長の田中茂範先生、動画視聴時間は37分弱です。

第二言語話者として必要な英語語彙サイズは1万2000語超

英語辞書の権威であるThe Oxford English Dictionary には、60万個の英単語が収録されています。一方で、英語の母語話者の語彙サイズは2万語程度と言われています。2万語の内訳は以下のようになっています。

・250語
日々の会話でほとんど必ず出会うもので、日常言語を構成する最重要な単語

・2500語
少しぎこちない回りくどさはあるものの、たいていのことは表現することができる

・5000語
高等教育を受けていない母語話者の産出語彙

・10000語
高等教育を受けた母語話者の産出語彙

・20000語
文学作品や専門書などを読むための受容語彙

※産出語彙:使える語彙
※受容語彙:使えるわけではないが理解できる語彙

 

以上のことを踏まえ、PEN英語教師塾では、第二言語話者にとって理想的な語彙サイズを1万2000語から1万5000語程度と想定しています。

1万2000語相当の語彙とはどんなもの?

第二言語話者にとって理想的と想定される、1万2000語相当の語彙の内訳を詳しく見ていきましょう。

 

1万2000語相当の語彙に含まれる語の例

1万2000語相当の語彙となると、日常的に使うわけではない単語も多く含まれます。例えば、以下のような英単語が挙げられます。

・動詞
transgress、traverse、 trespass、 underestimate、undermine、underpin、validate、verify、vindicate、visualize、waive、wither、wrangle

・形容詞
galling、garbled、garrulous、gaseous、heinous、herbivorous、hermetic、heterogeneous、heuristic、 hideous、hilarious

・副詞
valiantly、vapidly、vehemently、verbosely、viciously、vindictively、whereby、wickedly、wistfully、woefully

・名詞
litigation、locality、luminary、machinery、magistrate、maladministration、malignity、mammography、mandate

 

品詞ごとに必要な語彙サイズ

PEN英語講師塾で作成している1万2000語相当の語彙データベースでは、それぞれの品詞の語彙に属する単語数を調べると以下の通りです。名詞が最も多く、次いで形容詞が多くなっています。

 

名詞:7000語
形容詞:2500語
動詞:1500語
副詞:1000語

英語の語彙力を強化するコツは「語彙ネットワーク」

英語の語彙を広げるには、「語彙ネットワーク」をうまく使っていくのが効果的です。語と語のつながりがバラバラのまま単語帳で暗記させるよりも、手作りの「語彙ネットワーク帳」を充実させるよう指導することがすすめられます。スポーツ、音楽、アニメ、ファッションなど、生徒それぞれに好きなテーマを考えさせて、それに基づいた語彙ネットワーク帳の作成に取り組ませるとよいでしょう。

 

語彙ネットワークを使った語彙力強化には、以下のようなメリットが挙げられます。

 

・学習効率がよい
有意味な情報は機械的な情報より学習しやすいので、学習効率がよくなります。

・使用効率がよい
有意味な情報は機械的な情報より取り出しやすいので、実践で使うときにより使いやすい語彙が形成されます。

・情意効果
有意味な情報を覚えるほうが楽しいので、学習意欲が高まります。

語彙ネットワークについて知る

まず、語彙ネットワークの概念を学びましょう。

 

語彙ネットワークとは

語彙ネットワークとは、語や語句の意味的な関連性を示すネットワークのことです。ネイティブスピーカーが持っている「心的辞書(心の中の辞書)」と同じ構造になっています。あらゆる単語が、アルファベット順ではなく頭で理解しやすい形で関連付けられながら分類されています。

 

語彙ネットワークの構成原理は6つある

語彙ネットワークの構成原理には6つの種類があると言われています。

 

1. 連想ネットワーク(associative networking)
2. 話題別ネットワーク(thematic networking)
3. 概念別ネットワーク(conceptual networking)
4. 場面的ネットワーク(situational networking)
5. コロケーションネットワーク(collocational networking)
6. 行為連鎖型ネットワーク(action-based networking)

6つの語彙ネットワークの具体例を見てみよう

6つある語彙ネットワークの具体例を挙げていきます。例を参考に、授業構成や指導のアイデアを練ってみるのもよいでしょう。

 

1.連想ネットワークの例

 

・自由連想と構造化連想
連想ネットワークの作り方には、「自由連想」と「構造化連想」の2種類があります。

・自由連想
自由に連想したものをあとから整理していく方法です。

 

(例)「drum」という語を聞いて、何を連想するか。連想するものを3分間でできるだけ多くリストせよ。

 

・構造化連想
あらかじめ設定した構造に基づいて連想していく方法です。

 

(例)「drum」という語について何を連想するか。その語が使われる文脈、動作、属性、関連語などを連想せよ。

 

・「drum」の連想ネットワークの例

PEN英語教師塾にて英語ネイティブスピーカーに聞き取りをしたところ、以下のようなネットワークの例が得られました。

 

2.話題別ネットワークの例

 

・話題別ネットワークの種類

話題別ネットワークには主に以下のようなものが想定できます。

 

・スポーツ(野球、バスケ、オリンピック競技など)
・気象・災害
・環境・エネルギー
・経済・金融
・健康・福祉・医療
・政治・国際関係
・文化・コミュニケーション
・自然科学(サイエンス、バイオなど)
・日本紹介(冠婚葬祭・サブカル・食事など)
・メディア・ネット・社会問題
・ファッション・芸能
・料理

 

・気象関連、雨・雪・風の話題別ネットワーク例

気象関連のうち雨や雪、風の話題に関連する語彙には以下のようなものが挙げられます。

 

・RAIN
heavy rain、light rain、hard rain、soft rain、drizzling、scattered rain、sprinkle、downpour、precipitation、chance of rain
・SNOW
sleet、snowstorm、blizzard、slush、powdery snow、hailstone、the first snowfall、frost
・WIND
breeze、gust、tornado、gale、hurricane、typhoon、monsoon、trade wind、westerlies、sandstorm

 

・気象関連、天気予報の話題別ネットワーク例

天気予報の話題に関連する語彙には以下のようなものが挙げられます。

 

・天気予報 weather forecasting
・予報する forecast
・気象予報士 weatherperson、weather reporter、weathercaster
・長期予報 long-range forecast
・天気図 weather chart、weather map
・気象衛星 weather satellite
・気象学 meteorology
・気象学者 meteorologist
・気象庁 Japan Meteorological Agency

 

3.概念ネットワークの例

 

・概念ネットワークの種類

概念ネットワークには例えば、以下のようなものがあります。

 

・移動
move、ascend、pivot、descend、depart、advance、enter、exit、progress、flee、leave、sink、fall、revolve、rotate、rise、drop など
・認識
notice、recognize、discern、detect、find、discover、uncover、care、regard、mind、realize、concentrate、focus など
・理解
understand、comprehend、interpret、render、decipher、decode など
・学習・記憶
learn、study、process、acquire、retain、recall、recollect、remember、forget、reflect、remind など

 

・概念ネットワーク、移動 の例

移動(move)の概念に関する語彙には以下のようなものがあります。

 

ascend、pivot、descend、depart、advance、enter、exit、progress、flee、leave、sink、fall、revolve、rotate、rise、drop

 

このように挙げた語彙をさらに細かい概念で分類すると以下のようになります。

 

[move]+[upward] ascend、rise
[move]+[around] pivot、revolve、rotate
[move]+[downward] descend、fall、sink、drop
[move]+[forward] advance、progress
[move]+[inward] enter

 

・概念ネットワーク>移動>歩行関連 の例

同じ移動でも歩行関連に限って関連語彙をつなげていくこともできます。

 

・prance(意気揚々と歩く)

・march(行進する)

・goose-step(軍隊などで膝を曲げず足を伸ばして歩く)

・plod(とぼとぼ歩く)

・stagger(よろよろ歩く)

・limp(足を引きずって歩く)

・trot(速足で歩く、小走りする)

・wander(さまよう、放浪する)

・meander(あてもなくさまよう)

・saunter(ぶらぶら歩く)

・amble(ゆっくりのんびり歩く)

・stalk(大股で歩く、獲物などに忍び寄る)

 

上の語彙をさらに速度や態度、距離で分類することも可能です。

 

4.場面的ネットワークの例

 

・場面的ネットワークの種類

家、レストラン、洗面所… などの場面ごとに分けたネットワークのことを場面的ネットワークといいます。例えば以下のようなものが挙げられます。

 

House (bathroom、living room、kitchen …)、Hotel、Science lab、Restaurant、Automobile、University、など

 

・ホテルの部屋の場面的ネットワークの例

ホテルの部屋という場面に関連した語彙には例えば以下のようなものが挙げられます。

 

heating(暖房)、air conditioning(冷房)、sheets(シーツ)、key(鍵)、letter paper(便せん)、envelope(封筒)、pen(ペン)、glass(グラス)、tea(紅茶)、curtain(カーテン)、table(テーブル)、sofa(ソファ)、TV set(テレビ)、Wi-Fi(ワイファイ環境)、light(照明)、chair(椅子)、desk(机)、closet(洋服タンス)、door(ドア)、bathroom(浴室)、bathtub(バスタブ)、shower cap(シャワーキャップ)、dryer, drier(ドライヤー)、cotton swab/ Q-tips(綿棒)、nail clippers(爪切り)、toilet seat(便器)、faucet(蛇口)、など

 

5.コロケーション・ネットワークの例

 

・コロケーション・ネットワークの代表的な例

コロケーションとは連語のことで、語と語の結び付きのことを言います。Bという単語はAという単語と共に使われることが多い、Cという単語はAという単語と使われることはほとんどない、というような、語と語の関係性のことです。例えば以下のようなものが挙げられます。

 

「濃いコーヒー/スープ」のコロケーション
◯ strong coffee
◯ thick soup
? thick coffee

 

「軽い飲み物/弱いビール」のコロケーション
◯ soft drink
◯ mild beer
? soft beer

 

「穏やかな声」のコロケーション
◯ mild voice
◯ soft voice
◯ gentle voice

 

・sweetとbitterのコロケーションの例

sweet と bitter のコロケーションは以下のようになっています。

 

・「傷つける」のコロケーションの例

日本語で同じように「傷つける」と訳される単語も、それぞれどんな語と結び付きやすいかの傾向が異なります。

 

6.行為連鎖型ネットワークの例

行為連鎖型ネットワークとは、ある行為と関連付けられる種々の行為でまとめられた語彙ネットワークのことです。

 

・「歯磨き」の行為関連型ネットワークの例

「歯磨き」に関連した行為には以下のようなものが挙げられます。

 

・brush one’s teeth(歯を磨く)
・put some toothpaste on the tooth brush(歯磨き粉をつける)
・brush one’s upper teeth, and then one’s lower teeth(上の歯をきれいにして、次に下の歯をきれいにする)
・remove plaque from one’s teeth(歯垢を取り除く)
・brush the hard-to-reach back teeth carefully(歯ブラシが届きにくい奥歯を丁寧に磨く)
・floss(歯の間を掃除する)
・massage one’s gums(歯茎のマッサージをする)
・spit water in the sink(洗面台に水を吐く)
・gargle(うがいをする)
・rinse one’s mouth(口をゆすぐ)
・dry one’s mouth(口を拭く)
・put one’s toothbrush back in the cup(歯ブラシをコップに立てる)
・brush one’s teeth after every meal(毎食後歯磨きをする)

PEN英語教師塾では語彙ネットワークのための教材が豊富

PEN英語教師塾では、先生方が簡単にダウンロードして使うことができる語彙ネットワーク教材を豊富に提供しています。教師同士のオンラインコミュニティや、田中先生に直接質問できるコーナーもあります。英語教師力、指導力のブラッシュアップのために、ぜひご利用ください。

補論:「話題別ネットワーク」を作りやすくするための学習方法

話題別ネットワークを作りやすくする学習方法に、EIJ(English in Japanese)があります。日本語の中に英単語を埋め込んでいくもので、日本語文脈と関連付けられているので、意味の流れやニュアンスが理解しやすいものとなっています。
まず、覚えたい単語や表現にマーカーを引きます。

 

Tokyo and the surrounding regions / suffered some extreme weather /on Tuesday, / as heavy rain, / lightening storms/ and severe hail/ hit the area.// The Japan Meteorological Agency has said/ that the wild weather is being stirred up /by extreme temperature differences /between warm ground-level air and a cold air mass/—measured at minus 12 degrees Celsius and below/—sitting about 5,500 meters /above the national capital region.//

 

文章を日本語に訳し、マーカーした部分に原文を併記していきます。

 

東京とその周辺地域(the surrounding regions)は、火曜日に、極端にひどい気候に見舞われ、激しい雨、雷を伴う嵐(lightening storms)、そしてひどいひょう(severe hail)がその地域を直撃した。日本気象協会(the Japan Meteorological Agency) によれば、その荒れた天気(wild temperature)は暖かい地上の空気(warm ground-level air)と首都圏(the national capital region)の上空5,500メートルに居座る摂氏マイナス12度を下回る(minus 12 degrees Celsius and below) 寒冷気団(cold air mass)との極端な温度差(extreme temperature differences)によって引き起こされたものである。

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