中学校の英語授業にロールプレイを取り入れてみよう
中学生の英語による話す力を伸ばす学習法の1つに、「ロールプレイ」(role play)があります。ロールプレイとは、与えられた役になりきって演技をすることです。英語の授業にロールプレイを取り入れることで、英語による話す力がアップするほか、聞く力や書く力のアップも期待できます。ロールプレイではボディランゲージを使うので、豊かな表現力を身に付けることもできます。中学校の英語授業におけるロールプレイの進め方を見ていきましょう。
目次
中学校の英語授業におけるロールプレイの進め方
ロールプレイでは、生徒にシチュエーション(状況)と役割を指示することから始めます。例えば、「先生と留学生の生徒が、学校生活のことで話している場面を想定して会話文を作ってみましょう」といったような指示を出します。また、「会話のどこかに、文法事項としてto不定詞を使ってみましょう」というような指示を加えるとよいでしょう。
生徒は2人1組のペアになり、相談しながら会話文を作成します。会話文が完成したら音読練習を繰り返して、会話文を暗記します。最後にクラスの前で発表します。
ロールプレイを初めて経験する生徒がいる場合は、最初に先生が会話文の手本を示してあげるとよいでしょう。会話文の長さや量は、生徒の英語力に見合うように調整します。以下の例では、2人が4回ずつ話す構成になっています。
会話文の例
シチュエーション:田中先生(A)と留学生のBetty(B)が、学校生活のことで会話をしている場面
文法事項:to不定詞を使う
A: Betty, do you enjoy your school life?
B: Sure, Mr. Tanaka. Every friend is very kind to me and they always help me when I’m in trouble.
A: Oh, really? I’m glad to hear that. By the way, do you belong to the music club?
B: Yes, I began to take piano lessons when I was three years old.
A: What do you want to be in the future?
B: I want to be a world-famous pianist. I will continue to practice playing the piano to be a good pianist.
A: I hope so, Betty. If you have something to talk over with me, please don’t hesitate to do that.
B: Thank you, Mr. Tanaka. I appreciate your kindness.
ロールプレイの会話例
過去分詞の形容詞的用法を用いたロールプレイの会話例
シチュエーション:姉クミ(A)と妹アキ(B)が、新しくできたレストランについて会話をしている場面
文法事項:過去分詞の形容詞的用法
A: Aki, do you know the restaurant built recently just in front of the station?
B: No, Kumi. Because I rarely go to the station. What kind of food can we enjoy there?
A: That’s an Italian restaurant. Don’t you like Italian food?
B: Yes, I like Italian food very much. How about you? Do you like Italian food?
A: Yes, of course. Why don’t we go and eat something in that restaurant next Sunday?
B: That’s a good idea. I want to eat spaghetti cooked by a professional cook.
A: Me, too. I like spaghetti seasoned with tomato sauce.
B: I’m really looking forward to going there next Sunday.
指示された英文法事項が過去分詞の形容詞的用法なので、名詞を後ろから句で修飾する形で英文を考えなければなりません。意味としては、「~された…(名詞)」となります。built recently just in front of the station、cooked by a professional cook、seasoned with tomato sauceなどが過去分詞の形容詞的用法です。
Don’t you like Italian food?(イタリア料理は好きではないの) という質問に対するアキの答え方に注意が必要です。イタリア料理が好きならYes.、嫌いならNo.と答えます。否定文で質問された時、日本語では「いいえ、好きです」とか「はい、嫌いです」と答えますが、英語では異なるので注意が必要です。
現在完了形を用いたロールプレイの会話例
シチュエーション:ユウジ(A)と友人のタカシ(B)が、海外旅行について会話をしている場面
文法事項:現在完了形
A: Have you ever been to other countries, Takashi?
B: No, but my cousin has been in London for five years, so I want to visit him while he lives there.
A: Since we have learned elementary English, we must communicate with native speakers of English.
B: I hope so. Have you ever been to foreign countries, Yuji?
A: Yes, I’ve been to China. And I will go traveling in New York with my parents during the summer vacation.
B: Really? I envy you.
A: I will get some souvenirs for you from New York.
B: Thank you, Yuji. And I want you to show me some pictures of New York, too.
現在完了形には、完了や経験、継続を表す用法があります。なるべく多くの用法を取り入れるように生徒に指示すると良
いでしょう。
中学1年生向けロールプレイの会話例
シチュエーション:母(A)と娘のトモ子(B)が、夕食の準備について会話をしている場面
文法事項:be動詞と一般動詞の現在形、現在進行形、命令形
A: Tomoko, are you studying in your room?
B: No, but I’m very busy now.
A: What are you doing now?
B: I’m playing games on the smartphone. Why?
A: I’m cooking for dinner. I need your help, Tomoko.
B: OK, mom. I’m coming.
A: First, wash your hands and set the table.
B: I see. What are you cooking for dinner today, mom?
中学1年生で習うbe動詞や一般動詞の現在形、現在進行形、命令形などの文法事項を使った会話例です。中学1年生の英語レベルでもロールプレイの授業はできます。
ロールプレイの授業におけるCAN-DOリスト
ロールプレイの授業が終わったら、CAN-DOリストを通じて生徒への評価を行います。CAN-DOリストの結果を生徒と共有して、次回の授業に活かしましょう。
- 指示された文法事項の用法が理解できる
- 指示された文法事項を使って台本を書くことができる
- 台本の英文を正しく発音することができる
- ボディランゲージを使って演じることができる
- ロールプレイの内容を聞き取って理解することができる(ロールプレイを見ている生徒)
関連サイト
中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編 – 文部科学省
学習指導要領「生きる力」第2章第9節外国語 – 文部科学省
平成29年度 英語力調査結果(中学3年生・高校3年生)の概要 – 文部科学省
各中・高等学校の外国語教育における「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標設定のための手引き – 文部科学省
中学生の英語力アップにはweblio英会話がおすすめです
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