東京の大手ICT企業の海外プロジェクトのPMを担当し、グローバルチームを率いました。幼少期を米カリフォルニアで過ごして以来、英語はもちろん多言語geek。日々、言葉の仕組みや文化的特色を発見しては感動しています。日常会話からビジネスシーンで使えるものまで実践的な英語を楽しくお伝えしていきます。
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この記事の目次
“would like to”の意味と使い方
意味と使い方①〜したい
次の2つの文を見てみましょう。どちらも「コーヒーに砂糖を入れて飲みたい」という意味です。
I want to have my coffee with sugar.
I would like to have my coffee with sugar.
どちらも欲求の内容(「コーヒーに砂糖を入れること」)が“to”の後ろに動詞の原形(have)で表されています。
しかし、“would like to”(ウッドゥライクトゥ)を使った文は“want to”の文に比べてより丁寧な表現になります。
“like”という単語を使うことで、「(〜が好きなので)〜がしたい」という遠回しの表現になり、さらに仮定法過去を表すwouldが加わることで「もし可能なら〜がしたい」という意味になります。
つまり、“want to”が一方的な自分の欲望や意思に聞こえてしまう一方、“would like to”には欲求や意思を控えめに伝えつつ、相手の好意や同感を引き出そうとする丁寧な依頼表現の意味合いも含まれるといえるのです。
“want to” 一方的な自分の欲望や意思
“would like to” 相手の好意や同感を引き出そうとする丁寧な依頼表現
“would like to + 動詞の原形”で「〜したい」を丁寧に伝えられること、そして頼み事をするときなどに使える表現であることを覚えておきましょう。
We would like to invite you to our next meeting.
次回の会議にご招待いたしたく存じます
They would like to meet you in person.
彼らはあなたに実際に会ってみたいと思っています
Mr.Pinol would like to hear some feedback.
ピノールさんがフィードバックを希望しています
実際の会話では、“would”が省略されて“I’d”(アイドゥ)や “We’d”(ウィードゥ)と発音されることが多いです。
I’d like to ask a few questions.
いくつか質問をしたいのですが(よろしいでしょうか)
Please stay here. She’d like to speak to you.
ここでお待ち下さい、彼女が話したがっています
意味と使い方②〜が欲しい
“would like + 名詞”で「〜が欲しい」という意味になります。
“want + 名詞”(〜が欲しい)に比べてより遠回しで丁寧な表現になり、意味①と同じく頼み事をする時にも使うことができます。
意味①では欲望の内容を動詞の原形で表しましたが、この場合は欲望の内容が「欲しいもの・こと」なので“would like”(ウッドゥライク)のすぐ後ろには名詞を置きます。
お店やレストランなどで店員に話しかけたり注文をする時に使うことが出来る非常に便利な表現です。
I would like some sugar in my coffee.
コーヒーに入れるお砂糖が欲しいのですが(いただけますか)
Excuse me. I would like two pillows and a blanket. Is it possible?
すみません。枕2つとブランケットをお借りしたいのですがよろしいでしょうか
I would like a cheeseburger, medium rare, with extra ketchup and no onions, please.
チーズバーガーをミディアムレアでケチャップ多め玉ねぎ抜きでお願いします
意味と使い方③人に〜して欲しい
I would like you to meet my fiancé this weekend.
今度の週末に私のフィアンセに会ってほしいのですが(いいですか)
“主語 + would like + 人 + to”で、主語にあたる人物が他の誰かに対して「〜して欲しい」や「〜を望んでいる」という願望または依頼の表現として使われます。
We would like you to come to our office for an interview.
弊社オフィスに面談しにお越しいただきたいのですが(よろしいですか)
Mr. Pinol would like her to call him as soon as she arrives.
ピノール氏は彼女が到着し次第連絡をしてほしいと望んでいる
I’d like you to know that everyone misses you.
みんなあなたのことを恋しく思っているということを知っておいてほしい
「誰が誰に対して何を望んでいるのか」をはっきりさせた上で、“主語 + would like + 人 + to”の順序で文を作ってみましょう。
この際、“would like”はセットで覚えておくのがポイントです。
“would like to”の否定形・過去形・疑問形
“would like to”の否定形
「〜したくない」という否定的な意思を伝える時は、“would like to”を “would not like to”にします。“not”の位置に注意しましょう。
I would not like to comment here.
ここではコメントを控えたく思います
We would not like to continue with the plan.
我々はこの計画の続行を望みません
“would not like to”を短縮する場合は、“not”を省きます。
I wouldn’t like to bother you. ※“I’d not like to”は間違い
あなたの邪魔をしたくありません
She wouldn’t like to drink tonight.
彼女は今夜は飲みたいと思っていない
“would like to”の過去形
I would like to ask for some advice.
いくつかアドバイスをいただきたいのですが
という英文を過去形にすると次のようになります。
I would have liked to ask for some advice.
いくつかアドバイスがもらえたらと思っていました
ただし前述の通り、“would”は仮定法過去という文法をとっているため「事実に反する想像や願望」の意味を含むことがあります。
したがって上の例文だと、振り返っている過去の時点で語り手が「アドバイスが欲しい」という欲望を本当に抱いていたかがあいまいになる可能性があります。
「〜したかった」や「〜したいと思っていた」のように、単純に過去における欲求や願望を表す場合は“wanted to”を使うのがより自然といえます。
I wanted to ask for some advice.
いくつかアドバイスを聞きたかった
“would like to”の疑問形
“would like to”の疑問形は次のようにして作ります。主語と“would”の順序を入れ替え、“like to”より後ろは変えません。
(肯定文)You would like to have some orange juice.
(疑問文)Would you like to have some orange juice?
Would you like to go to the movies tonight?
今夜、映画に行きませんか
Would you like to know more about the course?
授業についてさらに詳しく知りたいですか
Would you like to be my friend?
私の友達になってくれますか
“to + 動詞の原形”の代わりに名詞を置いて相手に「欲しいこと・もの」を直接尋ねることもできます。
Would you like some digestifs?
食後酒はいかがですか
Would you like a bag for your purchase?
ご購入された品を入れる袋を希望されますか
ちなみに、“would you like to”を使った疑問文に対する返答は
“Yes, I would like to. / No, I would not like to.”
または
“Yes, I would. / No, I would not.”
を使います。
“No”と言う時は、
“I’m sorry but I wouldn’t.”
“I’m afraid I would not.”
のようにお詫びの言葉や断る理由を添えてなるべく丁寧な返事を心がけましょう。
Would you like to receive the confirmation by email?
確認メールの受け取りをご希望されますか?
Yes, I would.
はい、お願いします
Would you like to stop at the mall before going back?
帰る前にショッピングモールに寄っていきたい?
Sorry but I would not. I have some work to do.
悪いけど遠慮するよ。やらなきゃいけないことがあるんだ
とはいえ、疑問文で使われる“would like”はあくまでも丁寧さを表すための文法なので、実際は“Yes, please”や“No thank you.”だけの受け答えが多く使われます。
シチュエーションに合った受け答えができるようにバリエーションを増やしておきましょう。
“would like to”と“want to”の違い
違い①丁寧さの度合いが違う
“would like to”を使うと「〜したい」という意味が“want to”を使う場合に比べてより丁寧に表現されます。
さらに、「〜したいのですが」という遠回しのニュアンスを含めることで、自分の欲求や意思に対する相手の好意や同感を引き出し、結果的に丁寧な依頼表現にもなります。
I want to watch a movie tonight.
→自分の欲求を伝えているだけに聞こえるぶっきらぼうな表現
I would like to watch a movie tonight.
→控えめで丁寧な表現。「できれば〜したい」というニュアンスが含まれる
“want to”を使うと欲望がそのまま伝わりやすいので、友人や家族との会話向きの表現といえる一方、“woud like to”はビジネスシーンや見知らぬ人との会話で丁寧な言葉づかいが求められる時に使う表現と覚えておきましょう。
違い②文法が違う
“want to”と“would like to”は文法が異なります。
“want to”の“want”は主語によって変形しますが、“would like to”の“would”は助動詞なので主語に関係なくそのまま使います。
※主語が“I”の場合
I want to take a look at the report.
I would like to take a look at the report.
レポートに目を通したい
She wants to take a look at the report.
※主語が三人称単数の時は動詞が変形する
She would like to take a look at the report.
※主語に関係なくwouldのまま
彼女はレポートに目を通したいと思っている
Do you want to take a look at the report?
※文頭は主語によって“Do”または“Does”で始める
Does she want to take a look at the report?
Would you like to take a look at the report?
※文頭は常に“Would”で始める
Would she like to take a look at the report?
疑問形に合わせて当然、答え方も変わってきます。
Yes, I do. No, I don’t.
※“Do”または“Does”で聞かれた場合
Yes, I would. No, I wouldn’t.
※“Would”で聞かれた場合
違い③伝わり方が違う
一般的に“would like to”を使ったほうが “want to”に比べて丁寧さも増し、幅広いシチュエーションで使うことができるのは事実ですが、場合によっては望み通りの結果が得られないこともあります。
例えば、強い願望や夢などを語る時です。面接で実現したい夢や目指している大きな目標をアピールする場面があったとします。
しかし“would like to”ばかり使ってしまうと、熱い思いややる気が相手に伝わりにくいこともあります。
このようなときは直接的な表現の“want to”を使ったほうがかえって伝わりやすいこともあるのです。
I want to make the world a better place!
この世界をより良い場所にしたい!
※強い思いが伝わりやすい
I would like to make the world a better place.
→「できれば〜したい」というニュアンスが含まれるおそれがある
ところで、子どもが話す言葉には“want to”が多く使われていると感じるのではないでしょうか。欲しい物や好き嫌いがはっきりしていてそれを遠慮なく主張できる子どもの特権かもしれません。
I want an ice cream! Right now!
今すぐアイスが食べたい!
I don’t want him to sit next to me!
あの子に隣に座って欲しくない!
もちろん、ビジネスシーンや目上の人などとのやりとりでも“want to”を使うことは間違いではありません。
強調したいことがあったり、少し強めに伝えたいときなど、相手と場合によってうまく使い分けられるようになりましょう。
We really want to make it happen and we need your help.
実現を切に願っているのでどうかご協力をお願いいたします
“would like to”だけじゃない!敬語の語感を含む英語表現
英語の敬語表現①ifを使って欲求を表現する
It would be great if you could come on time tomorrow.
明日時間通りに来てくれたらさぞ素晴らしいだろう
この文では、相手への欲求(「明日時間通り来てもらう」こと)を直接的に伝えていません。
“if”の「もし〜してくれたら」という仮定に対して「さぞ素晴らしいだろう」など前向きなコメントを“would be”(〜になるだろう)を使って表すことで自然に相手への丁寧な依頼表現となるのです。
もちろん、人に対する要望に限らず自分の欲求を伝える「〜したい」という意味に使うこともできます。
It would be nice if we all could go together.
みんなで行けたらさぞいいだろうな
That would be awesome if I get to study at this university.
もしこの大学で勉強することができたらなんて最高だろう
I would be happy if you say yes to my proposal.
提案に賛成してくれたらすごく嬉しいな
英語の敬語表現②CouldやMayを使って質問する
Can you spare me some time?
ちょっと時間をもらえる?
という代わりに
Could you please spare me some time?
少し時間をいただけますか
と言ってみましょう。
“want”と“would”のパターンと同じく、“can”も“could”に言い換えることで丁寧な言葉遣いになります。
直訳すると「〜できますか」という意味ですが、質問や頼み事をするときに使える丁寧な敬語表現といえます。
疑問文にする際は、“please”と合わせて使うのが一般的です。
Could you hand me the salt, please?
お塩を取っていただけますか
Could we go for a walk?
散歩にでかけませんか
“could”を“may”に置き換えることもできますが、比較的フォーマルさが増す表現になります。
May I ask a question?
質問をしてもよろしいでしょうか
May I help you?
よろしければお手伝いしましょうか
英語の敬語表現③mindを使って相手の気持ちを確認する
日本語に「差し支えありませんか」や「問題ありませんか」という言葉遣いがあります。
こちらの欲求や提案を伝える上で、その内容に対する相手の都合や心情を気にかけている態度を表す丁寧な表現です。
英語でも同じように相手の気持ちを気にかけているということを示す話し方があります。
Do you mind if I use the towel here?
ここにあるタオルを使っていいですか?
Would you mind if we continued the meeting?
引き続きミーティングを進めても問題ありませんか?
Would you mind reading the conditions and signing the paper, please?
よろしければ条件書に目を通していただきサインをいただけますか?
“would like to”に関する質問と答え
“would like to”はビジネスメールでも使えますか?
“want to”が一方的に欲求や願望などが言いっぱなしに聞こえる傾向にある一方、“would like to”はやんわりした表現で、依頼や提案などに便利でビジネスメールでもよく使われています。
I would like to invite you and your team members to a lunch meeting tomorrow.
あなたのチームを明日のランチミーティングにお誘いしたいのですが(いかがでしょうか)
しかし、控えめであるがゆえ、緊急を要する時や重要な依頼をしたい時などに使ってしまうと遠回しの表現がかえって逆効果になってしまうこともあります。
例えば、ビジネスパートナーに向けて早急に進捗報告を催促するメールを送ったとします。
I would like to have the updates as soon as possible.
なるべく早くアップデートをいただきたいのですが(よろしいでしょうか)
→「〜したい」という気持ちだけで依頼や催促の意味が伝わらない場合がある
このような時は例えば
Could you please give me the updates by tomorrow?
明日までにアップデートをいただけるようお願いします
のように、依頼内容を明確にし、期日など具体的な情報を入れるのが好ましいです。
なぜ急いでいるのかなど催促の理由も添えられるとさらに良いでしょう。
“would like to”は日常会話でも使いますか?
繰り返しになりますが、“would like to”が持つ意味は“want to”の単なる丁寧系だけではありません。親しい友人同士の会話の中でも意味合いの違いによって使い分けされることが多くあります。
お腹すいてる?何か食べたい?
いいね、何があるの?いつものラザーニャは食べたくないよ
君に僕の秘伝のソースを使ったパスタを食べてもらいたいんだけどどう?
あんまり気が向かないけど、分かったよ
どう?美味しい?
うーん……ちょっと黙っておくわ。コメントも控えさせてもらうわ
それってどういうこと?!
“would like to”と“would love to”の違いはなんですか?
I would like to come to your party. ※“like”を使う場合
パーティーに参加したいと思います
I would love to come to your party. ※“love”を使う場合
パーティーにぜひ参加したいと思います
→「〜したい」という欲望がさらに強調され積極的・好意的な態度が強まる。
誘いを断る時などの否定的な内容でも“would love to”を使うことで「できるならば是非〜したい」という前向きな気持ちを表すことができます。
I would love to come with you but I just can’t.
ぜひ一緒に行きたいところだけど、どうしてもだめなんだ
“love”という言葉はビジネスシーンでは滅多に登場しませんが、提案内容などに対して特に好意的な態度を表したい時に“would love to”が使われることはよくあります。
Would you like to work for the next project?
次のプロジェクトにも参加したいですか
Yes, I’d love to!
はい、ぜひそうさせていただきたいです!
“would like to”を使いこなして英会話を楽しもう!
「英語には敬語表現がない」というのはウソです。
場合や話す相手、どのように伝えたいかなど、さまざまな要素によって使い分けができる言葉遣いが英語には多く存在します。
今回ご紹介した“would like to”は「〜したい」を丁寧に伝える英語であり、ビジネスシーンや面識のない人に対して質問や依頼をするときにも使える英語です。
それぞれのシチュエーションでどのように聞こえるのかをしっかり理解した上で会話やメールの中でどんどん使ってみてください。
きっとお互いにとって気持ちのいいコミュニケーションが実現されるのではないでしょうか。