英字新聞で英語を勉強…
単純なようで実際にやってみると内容が難しかったり、ただ読むだけで何も身についている気がしなかったりといったことがよくありますよね。
英検1級を持っている僕でさえ、ネットでお勧めの新聞やニュースサイトを試してみては「使い方がよくわからない…」と感じて悩んでいたんです…
でも、いまでは日常的に英語ニュースをスラスラとチェックしていますし、同時に勉強にも役立っています!
実は英字新聞を使いこなすには、自分のレベルや記事を読む目的をハッキリさせる必要があります。そうすることで、漠然としたリーディングが次のように変化していきます。
・難しい単語が多くてもニュースの概要が確実にわかる
・語彙力がアップする
・インプットとアウトプットで読む姿勢を変えられる
ここでは、英字新聞の選び方のコツや具体的な新聞・サイトの特徴、そして英字新聞特有の構成や表現方法まで、筆者の体験談を交えながら詳しくご紹介します。
独学で2014年に英検1級を取得し、英検に関しては全ての級の受験経験あり。TOEICで930点。大阪大学外国語学部で英語を専攻。コラム執筆や英語ニュースの翻訳に携わりながら、音楽クリエイターの顔も持つ。留学や海外滞在なしでもハイレベルな英語力を身につける方法を日々研究中。
\英字新聞おすすめNo1!/
ココを選んでおけば間違いなし!
『ジャパンタイムズアルファ』
『ジャパンタイムズアルファ』で実現できること
①英語力だけでなく国際人として素養を高められる
②英語での「発信力」が身につく
③時事英語を通して使える英語力が身につく
『ジャパンタイムズアルファ』が選ばれる3つの理由
①70年以上英語学習者に親しまれてきた歴史と信頼
②各レベルに合わせたコンテンツで初心者~上級者まで対応
③記事ジャンルの豊富さと適度なボリュームで楽しく学べる
\英語力アップしたい方は下記の記事がおすすめ!/
\英語コーチングスクールおすすめ記事/
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この記事の目次
英字新聞の選び方3つのポイント
自分のレベルに合ったものを選ぶ
同じ新聞社のものであっても、ネイティブが読むことを前提にしているものから英語学習初心者を読者として想定したものまで、様々な記事が用意されています。
また、日本に住む人にとっては国内の英語ニュースの方が実感や興味が湧いて理解がしやすくなります。まずは自分の英語レベルが初心者・中級者・上級者のどれにあてはまるのかを下記でチェックしたうえで、関心のある英字新聞をチェックしてみましょう。
・初心者…英検2級、TOEICリーディングセクション300点前後まで
・中級者…英検準1級、TOEICリーディングセクション400点前後まで
・上級者…英検1級、TOEICリーディングセクション425点以上
【参考】
TOEIC Listening & Reading Test 「レベル別評価の一覧表」
英検「各級の目安」
紙媒体とネット、使いやすいほうを選ぶ
紙の英字新聞 | |
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メリット | ・切り取ったりマーカーで線を引いたり、カスタマイズがしやすい ・一面を広げて読むことで文脈や前後関係が理解しやすい ・有料購読が適度なプレッシャーになる |
デメリット | ・かさばるので持ち運びや管理が大変 ・あまり興味のないジャンルの記事も載っている ・コストがかかる |
ネットの英字新聞 | |
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メリット | ・スマホやタブレットで気軽にアクセスできる ・好きなジャンルの記事が読みやすい ・基本的に無料で利用できる |
デメリット | ・切り取ってノートにまとめたりするには印刷の手間がかかる ・画面の大きさによっては頻繁にスクロールしないと前後関係がわかりづらい ・気軽にできる分、計画的に取り組まないと続けづらい |
僕の場合、「無料で興味のあるジャンルに絞って読みたい。印刷が手間だとは感じない」という考えなので、現在はネットの英語ニュースをメインに使っています。
みなさんのライフスタイルや性格に合わせて、できるだけ長所が多く、短所が少なくなる方法を選んでください。
教材としての使いやすさで選ぶ
日本人の英語学習者を対象とした英字新聞には和訳や日本語での注釈がついていることや、記事の英文を読み上げた音声が入手できることもあり、知らない単語や熟語の意味をしっかりチェックしながら英字新聞を読みたい、隙間時間に音声でニュースを聴きたいという方にぴったりです。
逆に、中・上級者の方がリーディングスピードを上げるために多くの記事を読みたいという際には、日本語の解説がかえって邪魔になることもあるので注意が必要です。また、英字新聞の音声はあくまでも記事(書き言葉)を読み上げたものなので、実際の会話表現とは大きく異なります。
Pick Up!イングリッシュカンパニーモバイル
イングリッシュカンパニーモバイル(ENGLISH COMPANY MOBILE)は、オリジナル教材だけでなく、Nikkei AsiaやThe Japan Times Alphaといった英字新聞をベースとした教材を毎週11本配信。
ニュースから抜粋した教材でリスニング・英単語・リーディング・シャドーイングなどの様々な学習を「速読リーディング」という一つのトレーニングで実践。そのため、漠然と英字新聞を読むよりも圧倒的に実力アップが期待できます。
英語新聞おすすめの8選を徹底比較
主要な英字新聞、英語ニュースを下記にまとめました。ジャパンタイムズなどは紙媒体のイメージがあるかもしれませんが、現在では紙の英字新聞のほとんどがオンラインでも記事を提供しています。
印刷タイプの購読を考えている方も、まずはそれぞれの新聞のウェブサイトをチェックして大体の雰囲気を味わってみるといいですね。
レベル | 有料・無料 | 対訳の有無 | |
---|---|---|---|
TIME for Kids | 初級 | 無料 | 無し |
The Japan Times Alpha | 初級~中級 | 有料(制限付き無料プラン有り) | 有り |
毎日ウィークリー | 初級~中級 | 有料 | 有り |
NHK WORLD-JAPAN | 初級~上級 | 無料 | 無し |
The Japan Times | 中級~上級 | 有料 | 無し |
BBC News | 中級~上級 | 無料 | 有り |
CBS News | 中級~上級 | 無料 | 無し |
Nikkei Asian Review | 上級 | 有料 | 無し |
初心者~中級者におすすめの英字新聞2選
初心者はまずこれがおすすめ!
1.The Japan Times Alpha(ジャパンタイムズアルファ)
・多様なジャンルのニュースが適度なボリュームで掲載されている
・難しい表現には日本語注釈や文法の解説がついている
・紙媒体の購読でオンラインのサービスも受けられる
The Japan Times Alpha | |
---|---|
URL | https://alpha.japantimes.co.jp/ |
レベル | 初心者から中級者まで対応 |
紙面 or ネット | 両方対応(紙の購読でネットのサービスも使える) |
料金 | 1カ月あたり1,450円 |
日本語訳 | 有り |
音声の有無 | 有り |
おすすめの人 | 初めて英字新聞に挑戦する人 |
ジャパンタイムズアルファは、学生を対象にした”The Japan Times ST”が2018年にリニュアールしたもので、ニュースを通じて英語学習に取り組むことをコンセプトとしています。元々学生向けだったこともあり、英字新聞にこれから取り組む方、一度挑戦したけど難しすぎて挫折した方にぴったりな難易度とボリュームです。価格もClub Alphaなどのオンラインサービスが含まれてると考えれば非常に安いので、英字新聞の第一歩としてお勧めです。
日本語訳は全記事にあるわけではなく、あらかじめ決められた記事がオンラインで公開される仕組みになっています。また、無料のメルマガ会員に登録すると一部の記事をオンラインで閲覧することができます。
2.毎日ウィークリー
・全ページに注釈または日本語対訳つき
・一部記事の読み上げ音声が無料でダウンロードできる
・月額300円のデジタルプランがある
毎日ウィークリー | |
---|---|
URL | https://mainichi.jp/weekly/ |
レベル | 初心者から中級者まで対応 |
紙面 or ネット | 両方対応(それぞれ独立したプラン) |
料金 | 998円または300円 |
日本語訳 | 有り |
音声の有無 | 有り |
おすすめの人 | まとまった勉強時間を確保できる人 |
毎日新聞が提供する毎日ウィークリーは、辞書なしでも読めることをコンセプトに丁寧な注釈や日本語訳が付属した初学者~中級者向けの英字新聞です。レベル自体はジャパンタイムズアルファと大きく異なるわけではありませんが、音声がついているため、じっくりと英字新聞を使って勉強したい方に最適です。
紙の購読もデジタル版もそれぞれ月額998円で、紙の場合は1~3面の記事の音声を公式サイトやポッドキャストで聴くことができます。デジタル版はスマホやパソコン、タブレットで記事をタッチすることでほとんど全記事のリスニングが可能です。また、気軽にオンラインで英字新聞を読んでみたいという方には全8ページを月額300円で読めるお手頃なプランも用意されています。
中級者~上級者におすすめの英語新聞2選
1.NHK WORLD-JAPAN(NHKワールドジャパン)
・映像ニュースも利用可能
・すべて無料で利用できる
NHK WORLD-JAPAN | |
---|---|
URL | https://www3.nhk.or.jp/ |
レベル | 初心者~上級者 |
紙面 or ネット | 両方対応(それぞれ独立したプラン) |
料金 | ネット |
日本語訳 | 無し |
音声の有無 | 無し(ただし映像には音声有り) |
おすすめの人 | 多読やステップアップを目指す人 |
NHKワールドジャパンは、日本や東アジアの情報をメインに幅広いジャンルの英語ニュースを配信しているサイトです。音声版はありませんが、NHKが独自に制作したニュース映像も記事とあわせて無料で利用できるのが大きなメリットです。
文章のレベル自体は記事によってバラバラですが、英語学習者向けというよりあくまでもニュースサイトという要素が強く、日本語訳がついていないため、アウトプットの多読に使うのがお勧めです。初心者が中級者レベルに、中級者が上級者レベルにステップアップする前に多読で実力を試す場としても向いています。
2.The Japan Times(ジャパンタイムズ)
・王道だけどレベルは高め
・紙の購読にデジタル版が含まれている
The Japan Times | |
---|---|
URL | https://www.japantimes.co.jp/ |
レベル | 中級者以上 |
紙面 or ネット | 両方対応(それぞれ独立したプラン、ただし紙の購読はデジタル版込み) |
料金 | 月900円~5,660円 |
日本語訳 | 無し |
音声の有無 | 無し |
おすすめの人 | 本格的に英字新聞を読みたい人 |
英字新聞と言えばジャパンタイムズの名を挙げる方が多いほど、圧倒的な人気と120年を超える長い歴史がある新聞です。何といっても記事のボリュームが豊富で、本格的に英字新聞を読んでみたいという人にぴったりなのがジャパンタイムズです。
王道だけど難易度は高めなので、初心者が取り組むと挫折率が一気に高まることには注意が必要です。ジャパンタイムズに挑戦する前に、先ほどのNHKワールドジャパンでハイレベルな記事に慣れておきましょう。
料金はデジタル版の場合、月間80本までが読める月額900円、読み放題が月額3,000円です。紙の購読の場合は、ニューヨークタイムズとのセットが月額5,660円、上級者向けのThe Japan Times On Sundayのみの購読が3カ月単位で3,640円から用意されており、紙のプランにはいずれもデジタル版読み放題が含まれています。
英字新聞の対象者別まとめ
ビジネスマン向けにおすすめの英字新聞
ビジネス分野の英語記事は専門用語が一気に増えるため、まずは先ほどご紹介したNHKワールドジャパンで日本経済に関するニュースを読むことからスタートしましょう。
英語で記事を読むのが得意、仕事で英語を使っているという方には上級者向けのNikkei Asian Reviewがお勧めです。日経新聞が発刊しているだけあって、産業や経済に関する記事は群を抜いて豊富です。
料金はドル建てで、デジタル版は月額17.99ドルから、デジタル版とプリント版のセットは月額27.99ドルから購読できます。英語学習者向けというより、英語でビジネス記事を読みたい人向けなので、日本語訳や注釈はついていません。
Nikkei Asian Review : https://asia.nikkei.com/
英検対策におすすめの英字新聞
英検は準1級までなら、ジャパンタイムズアルファや毎日ウィークリーといった初心者~中級者向けの英字新聞が効果的ですが、1級になると格段にレベルがアップするため、ジャパンタイムズで単語学習、ライティングやスピーチのネタ集めをするのが理想です。
ただ、ジャパンタイムズは対訳や解説がついていないため、継続的にまとまった勉強時間を確保するのが難しい方にはBBC Newsをお勧めします。全記事ではありませんが、BBC Newsは英語記事を訳した日本語ニュースサイトを運営しており、すべて無料で利用できます。難易度も中級~上級者向けで英検1級にはぴったりなので、まずはBBC Newsから挑戦してみてください。
BBC News (英語) : https://www.bbc.co.uk/news
BBC News (日本語) : https://www.bbc.com/japanese
中学生・高校生におすすめの英字新聞
中学生・高校生は、思い切ってハイレベルで専門性のある記事に挑戦するのがお勧めです。文法や英語表現で疑問に思うものがあれば、学校や塾などで先生に質問しやすいですし、勉強時間も確保しやすいからです。特にお勧めなのは様々な国の自然環境や歴史・文化についてまとめた雑誌ナショナルジオグラフィックの英語版サイトです。
ナショナルジオグラフィックのサイトに掲載されている科学系のニュースは、基本的に画像がついているので視覚で興味をそそるニュースを選べるという利点があります。雑誌の購読と異なり、サイトは無料で利用できるので、中学生や高校生でも積極的に楽しく勉強できますよ。ただし、日本語訳はないため、英語に苦手意識がある中学生・高校生の方は次に紹介するTime for Kidsもチェックしてみてください。
National Geographic : https://www.nationalgeographic.com/
こどもにおすすめの英字新聞
アメリカを代表するニュース雑誌タイムが、こども向けのニュースサイトTime for Kidsを提供しています。紙の購読は授業を受け持つ教師向けで、サイト自体は無料で利用できます。
Time for Kids : https://www.timeforkids.com/
こども向けとは言っても、日本でいうと幼稚園年長さんから中学1年生まで対応しており、レベル別に記事が配置されています。また、レベルが高いほどニュースが頻繁に更新されています。対応する学年は下記を参考にしてください。
・K – 1 (K to one)…幼稚園年長さんから小学校1年生くらいまで
・2…小学校2年生くらいまで
・3 – 4…小学校3、4年生くらいまで
・5 – 6…小学校高学年から中学1年生くらいまで
アメリカ英語に触れたい人におすめの英字新聞
ジャパンタイムズアルファ、ジャパンタイムズはともにアメリカ英語が使われているのでお勧めですが、音声や映像でもアメリカ英語を堪能したいという方にはCBS Newsのウェブサイトがぴったりです。
無料で利用できるCBS Newsではアメリカ英語のニュース記事を読めるのはもちろん、映像ニュースや一部の番組のライブ配信まで行っており、アメリカ英語だけでなく現地の文化にも触れられます。ただ、BBCと異なり、日本語訳は用意されていません。
CBS News : https://www.cbsnews.com/
イギリス英語に触れたい人におすめの英字新聞
イギリス英語に触れるのにお勧めなのは、先ほどご紹介したBBC Newsです。CBSと同様に映像ニュースが豊富に用意されており、音声でもイギリス英語に触れることができます。
実はBBCは“Learning English”という専用のページで英語学習プログラムをたくさん用意しており、1分間で英語の基礎的な表現を学べる”English In A Minute”や、仮想通貨などいま話題になっていることについての会話から英語表現を学ぶ6分間のプログラム”6 Minute English”などがあります。
BBC News (英語) : https://www.bbc.co.uk/news
BBC News (日本語) : https://www.bbc.com/japanese
BBC Learning English : http://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/
英字新聞を使ったおすすめの勉強法
英語学習全般に言えることですが、英字新聞を使う勉強では特にアウトプットとインプットをしっかり分けて取り組むことが大切です。アウトプットは辞書を使わずに多読することや、音声を使ってリスニングをすることで、インプットは語彙力やニュースに関する知識を深める勉強です。
とは言っても、自分がいまどちらをすべきかを判断するのは難しいですよね。そこでまずは次のアウトプットのタイミングをご覧ください。
1・英単語の学習が一段落したとき
たとえば英検2級向けの単語帳1冊を一通り覚えたら、単語帳と同じレベル(この場合は初心者向け)の英字新聞で多読やリスニングを行います。このタイミングでアウトプットの勉強をすると、いままで教材で覚えてきた単語をより実践的な形で復習することができます。また、インプットの時間を十分に確保できないときでも身に着けた語彙力を維持することができます。
2・英検やTOEICなどの本番直前
英語の試験のリーディングセクションでは正確に内容を理解するのと同時に、読むスピードも求められます。試験の2、3週間前からはたくさんの文章を読んで長文に慣れていきましょう。
確かに、英字新聞に関してはアウトプットの機会は意外と少ないかもしれません。それでは、英字新聞を使ったアウトプットの代表的な方法である多読とリスニングのやり方を具体的に見ていきましょう!
多読をしてリーディングの勉強
英字新聞の多読では、一つの記事を読み終えた後に紙に内容の要約を書いてみましょう。1、2行の文章でも構いませんし、5W1H(who, when, where, what, why, how)を箇条書きにしてもOKです。要約をすることでただ大量に読むのではなく、必要な情報を把握しながら読む習慣をつけられます。
また、先ほどのアウトプットの基準の通り、多読は現在のレベルに合った英字新聞で行うことが大切です。簡単すぎるものではリーディングスピードの向上があまり期待できないですし、難しすぎるものでは内容が理解できずにただ文字を目で追うだけという問題が起こるからです。
音声を活用してリスニングの勉強
英字新聞は英会話というよりは講義や講演で使われる表現に近いですが、一般的なスピーチの音声教材と大きく異なる点は、政治・社会・テクノロジーなどの最新情報に関するリスニングができるということです。
英語は発音できるものは聞き取りやすいという特徴があるので、「ちょっと聞き取れなかったな」とつまづいた箇所や「こういった表現もあるんだ」という気づきがあった部分は、文ごとノートなどにまとめて音声教材を聴きながら実際に発音してみましょう。応用として、まとめた文を覚えるというインプットの勉強につなげれば、最新のニュースについて英語で話す・書く力も磨けます!
次はインプットの勉強に取り掛かるタイミングを解説します。
1・上のレベルのニュースを読み始めるとき
初心者の方であれば中級者向け、中級者であれば上級者向けというように英字新聞のランクアップに挑戦するとき、わからない単語がたくさん出てきて挫折する可能性が高まります。そんなときはアウトプットではなく、最初から「知らない単語は調べて覚える」という姿勢でインプットの勉強に取り組むのがお勧めです。
2・英語力が伸び悩んでるなと感じるとき
何度試験に挑戦しても合格できない、スコアが伸びないなど、スランプに陥っている感覚があるときこそ、実はインプットの勉強が効果的です。アウトプット中心の勉強ではこれまで学んだ単語を意外なほどに忘れてしまうことがありますし、一つ上のレベルに到達するためには、やはりいまよりレベルの高い語彙力を身に着ける必要があります。
僕も以前は英字新聞の多読やリスニングばかりしていましたが、勉強法を見直してからは英検1級を取得した後でもむしろインプットの勉強の方が多いですよ!
少しイメージしづらい英字新聞のインプット勉強ですが、具体的には次のような方法があります。
英単語の勉強
インプットで代表的な方法はやはり単語学習ですが、英字新聞を使う場合、まずは記事の中のわからない動詞を一つずつチェックしましょう。英文の基本的な構造は「主語+動詞」で、特にニュース記事においては「賛成した・反対した」のように、動詞の意味を間違えると致命的な誤解をしてしまうことがあります。
逆に動詞の意味さえしっかり理解できるようになれば、組織名などの固有名詞を知らなくても「この記事では何が起こったことを報じているのか」という最低限のことは把握できるようになります。
名詞を意識して知識を深める勉強
「政治ニュース」と言っても、日本とアメリカでは政治の仕組みや制度が大きく異なりますよね。つまり、英字新聞で海外の情報を読むときにはその国について理解を深める必要も生じるわけです。
そんなときに役立つのが英字新聞の固有名詞をネットで検索する勉強法です。人名、企業名などの固有名詞は辞書で調べると日本語での言い方しか出てこないことが多いのですが、Wikipediaなどで検索するとその人・団体がどういった歴史や役割を持つのかということまで理解できます。
英語スピーチのネタを集める勉強
英語の試験の中には面接が設けられていることがあり、特に英検1級の面接(2次)試験では与えらえたトピックの中から一つを選んで2分間スピーチを行わなければなりません。英検のような社会的なトピックのスピーチ対策に実は英字新聞がかなりの力を発揮します。
たとえば「ある仮想通貨のサイトが長期的にシステムエラー」というニュースがあれば、そこから「仮想通貨の危険性」というスピーチのネタを考えることができますよね。一からネタを作り上げるより、英字新聞の中に出てきた話題や表現を使いながら練習することで効率よくスピーチの準備ができます。
英字新聞を英語の勉強に使った効果は?
僕は英検1級のライティングと面接対策にオンラインのBBC Newsをメインに使い、ニュース翻訳の仕事をしていることもあり、合格してからも継続的に記事をチェックしています。
日本の学校での英語教育は基本的にアメリカ英語が使われますが、BBC Newsではイギリス英語の表現が使われるため、その違いを実感するのに役立ちました。放送局系のニュースメディアは音声付きの動画も用意されていることが多く、ニュースを楽しみながらイギリス英語の発音に慣れるのに最適です。いまではイギリス発音のラジオなどを聴いても自然と聞き取れるようになりました。
また、英検を受けたころにはちょうど3Dプリンターが話題になっていて、ちょうどそのニュースをノートにまとめていたら2次試験本番で「テクノロジーがもたらす影響」というようなトピックでスピーチをすることになり、無事に初めての受験で1級を突破できました。
日本のニュースを英語で読むのはもちろん良い勉強になりますが、慣れてきたらむしろ日本国内ではあまり知ることができない海外の情報を積極的に読んだ方が、日本に居ながら少しでも「世界の広さ」を知ることができると思います。
英字新聞をスラスラ読むための5つのコツ
英字新聞の構成を把握する
英字新聞の本文では「何があったか」というメインの部分が先に伝えられ、その後に補足的な情報、最後に以前の出来事などの関連する話題が掲載されています。つまり、記事の概要を理解するためには冒頭の部分を集中して読む必要があるということです。また、文章の構成を知っておくことで忙しいときには冒頭部分に絞って読むということも可能です。
よく出る頻出単語を覚える
ニュース記事ではポジティブな意味、またはネガティブな意味をハッキリと持つ単語が使われる傾向が強いです。たとえば次のような表現はよく出てきます。
・agree(賛成する)
・disagree(反対する)
・praise(称賛する)
・criticize(批判する)
日ごろの単語学習で「この単語の対義語は何だろう?」ということに気をつけていると、自然と英字新聞で頻出する単語を身に着けられますよ。
見出しのルールを知る
英語ニュースの見出しには一般的な英文法とは異なるルールが存在します。特に覚えておく必要があるのは、動詞の現在形は過去形の意味、過去形は受け身の意味になるということです。
“Many Japanese Companies Criticize the Law”とあれば、「多くの日本企業はその法律を批判する」ではなく、「批判した」が正確な意味になります。そして、”The Two Criminals Arrested in Tokyo”とあれば、「2人の犯人が東京で逮捕した」ではなく、「逮捕された」という意味になります。
名詞の言い換えに注意する
英語は同じ表現を何度も使うことを避けようとする言語で、英字新聞においても同じものを指す名詞が別の言い方で登場することが多々あります。
「イギリス人の16歳のジョンくんが起業して大成功を収めている」というニュースがあったら、「ジョンくん」は”Mr. John”や”John”だけでなく、”the teenager president(ティーンエイジャーの社長)”、”the ingenious boy(独創性のある少年)”のような言い換えが考えられます。
いま読んでいる文に出てきた名詞は、それより前に出てきたものと一緒ではないかということに常に注意すると、記事で出てくる人物の関係図を頭に描きやすいです。
簡単な話題から取り掛かる
紙の英字新聞の記事を最初から一つずつ読んだり、ネットニュースの一覧を上から読んでいったりすると、あまり興味のない話題に直面することは珍しくありません。関心の薄い分野の英語記事はどうしても難しくつまらないと感じてしまうので、自分の仕事や趣味などに関連する記事から取り掛かりましょう。
「特にこれといった分野がない…」という方は、”Entertainment”と表記されることが多い芸能ニュースからチェックすることをお勧めします。政治・経済・科学の話題と違って、専門用語が少なく平易な英語で書かれていることが多いからです。
まとめ
英字新聞にチャレンジする際には、自分のレベルや学習の目的をはっきりさせたうえで、アウトプットとインプットの勉強を使い分けることが大切です。
有料の英字新聞もウェブサイトで一部無料で閲覧できるので、まずは各サイトにアクセスして実際の雰囲気をつかみましょう。いままで「英字新聞は難しいしちょっと…」と思っていた方も、ぜひこの記事を参考に初心者向けのものから挑戦してみてくださいね!
結局流し読みが増えて役立ってる気がしない…
レベルが合ってないのかな?それとも勉強法が悪い?