英語動詞構文講座第1回・自動詞構文を学ぶ
英語の基本形は、「S(主語)+V(動詞)+共演情報」で成り立っています。英語で、「ある事態」を表現するには、動詞と共演情報が必要です。動詞と共演情報の組み合わせにより、動詞構文が構成されます。共演情報に品詞をあてはめることで、さまざまな表現が可能になります。
→動詞の構文1
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動詞と共演情報の組み合わせの種類は、8パターンあります。今回は2つのパターンについて、「PEN英語教師塾」の動画レッスン講義シリーズ「動詞の構文1」から紹介します。
目次
スクリプトと共演情報を意識して英語の文法表現を考える
英文法では、ある事態を表現するにあたって、動詞の共演情報を考慮することが大切です。英語の基本的な形は、「S(主語)+V(動詞)+共演情報」から構成されます。例えば、「紹介する」という事態を表現するときには、「誰かが、誰かを、誰かに(紹介する)」という行為を連想して、文章を作ります。連想のことをスクリプトといいます。日本語では、「て」「に」「を」「は」といった助詞を使って表現しますが、英語ではスプリクトと共演情報を意識して考えていきます。
動詞の構文を学ぶ場合、学校の授業では、5文型というものが取り上げられてきました。
5文型
・S+V(主語+動詞)
・S+V+C(主語+動詞+補語)
・S+V+O(主語+動詞+目的語)
・S+V+O+O(主語+動詞+目的語+目的語)
・S+V+O+C(主語+動詞+目的語+補語)
例えば、I’m home.(ただいま)という文は、S+Vの文型です。しかし、We all count on the welfare system.(私たちはみんな福祉制度に頼っている)という文では、S+V、もしくはS+V+O+Cの両方の性質を持つ文型として分類できます。countをVとし、on the welfare systemを前置詞句として捉えると、S+Vとして解釈することができます。一方、count onを1語として動詞で捉えた場合、S+V+O+Cで構成された文章として解釈することもできるのです。5文型を用いて考えると、文章によっては、どちらに分類するのか難しいという問題が生じてきます。
英語で、動詞構文を意識した文章に仕上げるには、スクリプトと共演情報を意識することが大切です。スクリプトと共演情報を意識して、どういう構文で表現するのかを考える方法です。例えば、ask(尋ねる・問う)を使う場合、askの背景には、「誰が」「誰に」「何を」尋ねているのかというスクリプトと共演情報があります。
・She asked my name.(動詞+名詞)
・She asked me a couple of personal questions.(動詞+名詞+名詞)
・She asked where she could get a taxi.(動詞+WH節)
・Ask your father if you can use his car.(動詞+名詞+WH[if]節)
askを「頼む」「求める」といった意味で使用する場合は、「誰が」「誰に」「何を」求めているのかというスクリプトと共演情報が必要です。
・She asked my advice.(動詞+名詞)
・Ask the doctor for a reference.(動詞+名詞+前置詞句)
・May I ask you a favor?(動詞+名詞+名詞)
・We asked the audience to be quiet.(動詞+名詞+to do)
英語の動詞構文をタイプ別に分けて文法のパターンを身に付ける
英語では、どのような動詞の共演情報がくるかによって、8つの構文に分類されます。
動詞構文の分類
・タイプA…動詞+0(何もない)
・タイプB…動詞+名詞・形容詞・副詞・前置詞句
・タイプC…動詞+名詞+名詞
・タイプD…動詞+名詞+形容詞・副詞・前置詞句
・タイプE…動詞+to do・doing・done
・タイプF…動詞+名詞+to do・do・doing・done
・タイプG…動詞+that節+WH節
・タイプH…動詞+名詞+that節+WH節
今回はそのうちのタイプAとタイプBについて見ていきましょう。
タイプA:動詞+(自動詞構文)
共演情報に入るものがなく、動詞単独で表現できる自動詞構文と言われるものです。「主語が~する」という文章を表現する時に用います。
Every person dies.
全ての人は死ぬ
Birds fly.
鳥は空を飛ぶ
文章に副詞がある場合は、副詞が共演情報になるかならないかで左右されます。副詞を含んだ英文では、副詞を外しても、どういった状態なのかを理解できるかが決め手となります。例えば、It’s raining hard.(激しい雨が降っています)という文では、hardを外しても文章として意味を構成できます。しかし、I’m home.(ただいま)という文では、homeを外した文では意味を成しません。そのため、homeは共演情報となります。
文の形式上は自動詞構文であっても、目的語を想定した自動詞には、他動詞的な意味を持つものもあります。
Shall we eat?
食べませんか?
I won.
私は勝った
eat(食べる)やwon(勝った)という動詞は、何かを食べたり何かに勝ったりすることが想定できます。そのため、自動詞でありながら、他動詞的な性質を持つ動詞として扱われます。
他にも、catchやgive、breakといった動詞のように、他動詞として使う動詞を自動詞的に使う場合もあります。
The lock won’t catch.
錠がかからない
The branch gave but didn’t break.
その枝はたわんだが折れなかった
タイプB:動詞+共演情報(名詞/形容詞/副詞/前置詞句)
共演情報に、名詞、形容詞、副詞、前置詞句のいずれかが入っている構文です。それぞれのパターンごとに特徴を見てみましょう。
動詞+名詞
共演情報にあたる部分が名詞の場合、意味によってbe系動詞、have系動詞、do系動詞3通りのタイプがあります。be系動詞は、「AはBという状態であるもの」ということを説明するタイプの文です。beやbecomeといった動詞の対象を表す場合が挙げられます。
He is a golf player.
彼はゴルフ選手です
have系動詞では、「AはBを持つ、所有する」というように、持っている対象を説明するものです。haveの他にはkeep、holdといった動詞も挙げられます。
I have two cars.
私は車を2台持っています
do系動詞では、「AはBに対して何かする」といった状況を説明する文です。makeやopen、breakなど動詞の具体的な部分が名詞となるものです。
I opened the door.
私はドアを開けた
動詞に形容詞や副詞を伴わせて名詞として扱う同族目的語というものもあります。
dream a terrible dream
怖い夢を見る
sleep a good sleep
いい睡眠をとる
動詞+形容詞
動詞に形容詞が付く場合は、状態や様態を表します。I’m just fine.(私は大丈夫です)のように、「私はfineな状態です」ということを表す場合です。形容詞が動詞の様態を表すこともあります。
act big
大物ぶる
get popular
有名になる
動詞+形容詞は様態を表すこともあるため、副詞と捉えるのか曖昧な場合があります。
They remained silent.
彼らは黙ったままだった
形容詞のsilentが様態を示しているため、副詞なのか形容詞なのかはっきりしないケースもあります。
動詞+副詞
副詞は、場所や移動先、明確な様態を表します。I’m home. (ただいま)におけるhomeのように場所を表すものや、She lives alone.(彼女は一人で暮らしている)におけるaloneのように様子を表すものです。drop by(ひょっこり立ちよる)など、句動詞を含むものも、動詞+副詞の分類として捉える事ができます。
You can drop by anytime.
いつでも寄って下さい
動詞+前置詞句
場所や状態を表します。前置詞を用いて主語の置かれている状態を表現します。
She is in the kitchen.
彼女は台所にいる
He looks in a gloomy mood today.
彼は今日憂鬱そうだ
関連サイト
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