英会話コラム
英語の hurt と heart は発音が似ている英単語の組み合わせです。日本人にとっては、どちらの英単語の発音も日本語の「ハート」に聞こえてしまうでしょう。
実際、hurt と heart には、発音上の微妙な発音の違いがあります。hurt と heart は発音記号でそれぞれ、/hɜrt/ と /hɑrt/ と表記されます。
目次
hurt と heart の概要
hurt は主に「傷つける」「ケガをさせる」といった意味をもちます。hurt は「傷」「損害」といった意味を示す名詞としても用いられます。
hurt は injure と同じ意味をもつ動詞です。injure が文語などで用いられる、どちらかというと堅苦しい英単語であるのに対して、hurt は日常会話でよく用いられる英単語です。
heart は「心臓」「心」を意味する名詞です。heart は感情を示す際の「心」として用いられます。mind も同じ「心」を意味する名詞です。mind はどちらかというと、思考や判断を示す際の「心」として用いられます。
hurt と heart の発音上の違い
hurt と heart は発音記号でそれぞれ、/hɜrt/ と /hɑrt/ と表記されます。
ほとんど発音は同じですが、hurt と heart の発音上の違いは /ɜ/ と /ɑ/ だとわかります。
/ɜ/ と /ɑ/ の発音方法を比べると、口角の動きと口内での舌の位置に違いが見受けられます。
/ɜ/ の発音のコツ
hurt（/hɜrt/）に含まれる /ɜ/ は母音のひとつです。/ɜ/ は国際音声記号（IPA）に則った表記です。国際音声記号を用いていない日本の英語学習本などでは、/ɜ/ が曖昧母音の /ə/ として用いられます。
/ɜ/ における発音のポイントは口角の動きと舌の位置です。
/ɜ/ を発音する際、口角を口の中心に少し寄せます。おちょぼ口のように、口を軽く前に突き出すようにするとよいでしょう。
/ɜ/ を発音する際の舌先は下向きにして、上から舌先を垂らすように位置させます。舌の真ん中部分を口内上部に向かって持ち上げます。舌全体は口内のどこにも触れないようにしましょう。
/ɜ/ は日本語の「ア」のように聞こえますが、実際には「ア」と「オ」の両方に似通った音として聞こえるはずです。
ただ /ɜ/ はあくまで英語特有の音なので、日本語の「ア」や「オ」と対応する、とは考えないほうがよいでしょう。
/ɜ/ を用いた、hurt と発音が似ている英単語
/ɜ/ を用いた英単語はたくさんあります。特に hurt と発音が似ている英単語を何回も発音して、英語独特の口や舌の動きに慣れましょう。
- skirt（/skɝːt/）
- third（/θɝːd/）
- bird（/bɝːd/）
/ɑ/ の発音のコツ
heart（/hɑrt/）に含まれる /ɑ/ は母音です。/ɑ/ はアメリカ英語によくみられる発音記号です。イギリス英語では /ɒ/ と /ɔ/ が /ɑ/ の代わりとして用いられます。
/ɑ/ をきれいに発音するコツは、口を自然に開くことです。
/ɑ/ を発音する際は、アゴを大きく下げます。口を力ませずに、自然に開きます。日本語の「お」と発音する際の口の開きは /ɑ/ の発音の口の開きとだいたい同じです。
/ɑ/ と発音する際、舌先を下の前歯裏に少しだけ触れるように置きます。舌の真ん中と後部は口の下側に軽く押し付けます。
舌が口内の下側へ軽く押し付けられているので、/ɑ/ と発音したときには口の奥が黒く見えていればよいでしょう。
/ɑ/ を用いた、heart と似ている英単語
/ɑ/ を用いた他の英単語の発音を練習することで、heart における発音のコツを習得しましょう。/ɑ/ は他の子音と組み合わされても、基本的に発音のコツは変わりません。
- chart（/tʃɑːrt/）
- smart（/smɑːrt/）
- start（/stɑːrt/）
hurt と heart 以外の、/ɜ/ と /ɑ/ のみが発音の違いである英単語のペア
発音上の違いが /ɜ/ と /ɑ/ のみである英単語の組み合わせは、hurt と heart の他にもいくつかあります。
たとえば hard と heard は、発音上の違いが /ɜ/ と /ɑ/ のみの英単語の組み合わせです。heard は動詞 hear の過去形です。
- heard（/hɝːrd/）
- hard（/hɑːrd/）
curd と card も発音上の違いが /ɜ/ と /ɑ/ しかありません。curd は「凝乳」を意味する英単語です。
- curd（/kɝːrd/）
- card（/kɑːrd/）
