連載コラム「大学で学べる学問を知ろう」— 開発と文化をテーマに小鳥居先生に聞く

長崎外国語大学小鳥居教授

海外で誰かの役に立つことがしたい

そんな気持ちを持ったことのある高校生は、決して少なくないはずです。しかし実際に、世界の現場では何が起きているのか、そこにどう関わることができるのかは、なかなか見えにくいものです。

今回お話をうかがったのは、長崎外国語大学で東南アジアの開発と文化の関係を研究している小鳥居先生。
先生は、インドネシアやカンボジア、タイなどの地域に実際に足を運びながら、現地の暮らしや課題を見つめ、「外から与える支援」ではなく、「中から育つ変化」に関心を持ち続けてこられました。

「現場に行って、自分の目で見ること」「支援とは何かを考えること」
先生の言葉には、国際協力やフェアトレードといった言葉を、現実の人々の暮らしに引きつけて考えるヒントが詰まっています。
研究者として、そして教育者として、学生たちと共に取り組んできた活動の中から、未来を考える手がかりをお届けします。

1

― まずは、先生のご専門について教えてください。

小鳥居先生:
私は大学院時代から文化人類学を専攻していて、東南アジア地域、特にインドネシアを中心に研究をしてきました。関心を持っているのは、社会開発やマイノリティの問題など、文化をめぐる現代的な課題です。

とくに2000年前後、インドネシアではスハルト政権という長期独裁体制が崩壊し、政治や経済の混乱が起こったんです。その頃から、従来のような少数民族に関する文化研究よりも、国家と地域社会の関係や、開発というグローバルな文脈における文化のあり方に関心が移っていきました。

― 現地で関わってこられたNGOの方々というのは、具体的にどのような活動をされているのでしょうか?

小鳥居先生:
例えば、農村開発を進めるコミュニティ・ディベロップメント系のNGOがインドネシアにはありますし、東ティモールでは政変後の人権問題や自立支援に取り組む団体もあります。私はそういった団体の方々と連絡を取り、活動現場に同行したり、スタディツアーに参加したりしながら、自分の研究テーマを深めてきました。

また、カンボジアでは都市と農村の発展格差によって生まれるさまざまな問題、タイではメコン川流域のダム開発による住民の生活の変化や権利侵害などの課題にも関心を持ち、NGOと一緒に現地を訪れる形で調査を行っています。

つまり、グローバルな開発体制がローカルな社会にどう影響を及ぼすのか、その現実を文化人類学の視点から捉えるのが、私の研究の中心です。
2
― 先生の研究には「参加型社会開発」や「フェアトレード」といったキーワードも出てきますが、それらはどのような関係で捉えていらっしゃるのでしょうか?

小鳥居先生:
「コミュニティの開発」というと、どうしても外部からの一方的な支援をイメージされがちですが、本当に重要なのは、住民自身が自律的に発展していけることなんです。

たとえば、NGOの方々が現地に入り、住民と関わりながら開発を支援することはあります。ただ、その関わりがずっと続くことが目的ではなく、やがて支援が必要なくなることが理想です。そういう意味で、私はこのアプローチを「参加型社会開発」と呼んでいて、現地で活動しているNGOの方々の話を伺ったり、実際に現場を視察したりしてきました。

― フェアトレードについては、どのようなきっかけで研究や教育に結びついていったのでしょうか?

小鳥居先生:
そうですね、もともとはそれほど注目していなかったんです。でも、現地の人たちが自分たちで生産物をつくり、それを適正な価格で販売できる仕組みとして、フェアトレードは非常に重要だと感じるようになりました。

たとえば、コーヒーなどの農産物がありますよね。フェアトレードの仕組みがあることで、生産者が価格交渉の主導権を持てるようになり、それが生活の安定や地域の持続的な発展につながるわけです。

この考え方を、私は教育にも取り入れています。現在勤務している外国語大学では、東南アジア文化などの授業でも話しますし、「フェアトレードでSDGsを推進する」というプロジェクト型授業も担当しています。

学生たちと一緒に、フェアトレードがどう地域に貢献できるか、日本にいながらできる支援とは何かを考える。そうした活動を通じて、教育と研究を結びつけています。
3
― フェアトレードをテーマにしたプロジェクトでは、学生たちはどのような活動をされているのですか?

小鳥居先生:
私が担当している「フェアトレードでSDGsを推進するプロジェクト」という授業があるんですが、毎学期7〜8名ほどの学生が参加しています。その中で、たとえば地元・長崎のフェアトレード商品を扱っているお店を紹介したり、フェアトレードとSDGsの関係について小学校で出張授業をしたりしています。

活動を通じて、学生たちは自分たちが地域社会の中でどのような形で貢献できるかを模索しながら、フェアトレードの理念を広げるための実践を行っています。大がかりなことではなくても、身近な場所から着実に動いていくことが大切だと思っています。

― 先生ご自身も、日本各地のフェアトレードタウンの取り組みを見てこられたそうですね。

小鳥居先生:
はい、しばらくの間、日本各地で誕生したフェアトレードタウンを訪れて、関係者の方にお話を伺う活動をしてきました。コロナ禍で少し中断しているのですが、現場に行かずともできる支援があるということは、学生にも伝えたいと思っています。

たとえば、九州で最初のフェアトレードタウンになった熊本では、明石さんという女性が中心になって活動を推進されていて、私も連絡を取りながら学生に情報を紹介しています。長崎はまだフェアトレードタウンにはなっていませんが、地元の動きに目を向け、少しずつ関心を育てていくことが重要だと思っています。

― 学生の反応には変化が見られますか?

小鳥居先生:
はい、10年前はフェアトレードという言葉を知っている学生はごくわずかでしたが、最近では認知度も高まってきていると感じます。たとえば、大手ショッピングモールでもフェアトレード商品を扱うようになりましたし、長崎の地元にも専門店は少ないながらも継続的に活動しているところがあるんです。

もちろん、フェアトレードが世界全体の貿易の中で占める割合はまだわずかですが、北欧やイギリスなど、社会的に浸透している国もあります。だからこそ、日本にいる私たちも、世界の動きとつながりながら考えることが大切だと学生には伝えています。
3
― 東南アジアを訪れる中で、先生ご自身が特に強く印象に残った出来事や現実はありますか?

小鳥居先生:
それぞれの国に、それぞれの課題があります。いい面もあれば、やはり厳しい現実=光と影のコントラストがはっきりとあるのが、東南アジアの特徴でもあると感じています。

特に印象に残っているのは、タイやカンボジアで深刻化している児童や女性の人身売買の問題です。私はその現場を直接目にしたわけではありませんが、NGOの方々からの話や、ドキュメンタリー映像などを通じてその実態を知る機会がありました。

正直、かなり衝撃を受けました。自分たちが日々生活している日本ではなかなか実感できないような、搾取や暴力が日常的に起こっている現実があるということに、改めて気づかされたんです。

― そのような現実を、先生はどのように学生たちに伝えていらっしゃるのでしょうか?

小鳥居先生:
もちろん、すぐにすべてを理解することは難しいと思います。ただ、私は「まずは知ることが大切」だと考えています。現地に行くことができなくても、話を聞いたり、資料や映像に触れたりすることでも、十分に学びは始まります。

こうした話題は、私の授業やゼミでもできる範囲で取り上げています。ささやかではありますが、こうした現実を少しでも伝えることが、教育としてできることの一つだと思っています。
5
― 先生の研究の中には、日本語教育とキャリアパスに関する取り組みもあるとうかがいました。これはどのような経緯で始まったのでしょうか?

小鳥居先生:
これは比較的新しい取り組みで、私自身は日本語教育の専門家というわけではありません。ただ、ベトナムを中心に東南アジアの地域経済を研究している知人の研究者とご縁がありまして、その方が長崎外国語大学での勤務時代に、現地の大学との交流を担当されていたことがきっかけになりました。

その先生と話す中で、「日本語教育と現地でのキャリア形成の関係性」に注目が集まり、共同で研究プロジェクトを立ち上げることになりました。ちょうどその時期に、日本学術振興会の科学研究費(科研費)に応募し、無事採択され、そこから3年間にわたって研究を進めてきたんです。

― どのような地域や機関と連携されているのですか?

小鳥居先生:
研究の対象地域は、ベトナムやインドネシア、タイなど東南アジアの複数の国々です。特に最近では、インドネシアの「ガジャマダ大学」の日本語学科と交流を深めていて、そこでは先生方や学生たちとの関係もできてきました。

今年の9月には、学生たちを引率して現地の大学を訪れ、文化研修という形で日本語学科の学生たちと交流する予定もあります。研究だけでなく、教育や国際交流にも広がりが生まれてきている実感がありますね。

このようにして、私の元々の専門である文化人類学や地域研究の延長線上で、言語教育やキャリア支援ともつながる新しいフィールドが広がってきたように感じています。

6

― 先生ご自身が研究を続けていく中で、学問の面白さややりがいを感じるのはどのような時ですか?

小鳥居先生:
もちろん、新しい知識や現実に出会うこと自体の面白さは大きいです。ただ、それ以上に大きいのは、人と人とのつながりの中に自分の研究が存在していると実感できる瞬間ですね。

たとえば、私と現地の人たち、あるいは日本とインドネシアのような国と国との間に、何かしらの橋渡しになるような関係が生まれる。それが研究を通じて少しでも生まれていると感じられたときに、一番のやりがいを感じます。

私たち人文社会系の研究は、英語で言えば “Humanities”──人間について考える学問です。その意味で、人と人の関係性の中で何ができるのかを問い続けること自体が、学問の本質なのかもしれません。
― 最後に、これから進路を考える高校生に向けて、メッセージをお願いできますか?

小鳥居先生:
高校生の皆さんには、まずは「自分が何をやりたいのか」を大切にしてほしいと思っています。世間的な評価や偏差値ではなく、自分の心の声にきちんと向き合って進路を選んでほしいです。

そして、たとえ選んだ道でうまくいかなかったとしても、やり直すチャンスはいくらでもあります。皆さんはまだ若いですし、何度でもチャレンジできます。だからこそ、迷っても悩んでも、一歩踏み出してみることが大事だと思います。

小さな関心が、大きな学びにつながることもあります。どうか、自分の興味や直感を大切にしてください。

まとめ

東南アジアの社会や文化をテーマに、長年フィールドに足を運びながら研究を続けてきた小鳥居先生。現地で暮らす人々の声に耳を傾け、国や地域を超えて「人と人がどうつながれるか」を探る姿勢が、先生の学問の根底にあります。

高校生にとっては、開発やフェアトレードという言葉は少し遠く感じられるかもしれません。でも、先生が伝えてくれたのは、「まずは現実を知ること」「関心を持つこと」が、社会とつながる第一歩になるということです。

日本にいても、世界と関わる方法はたくさんあります。フェアトレードの商品を選ぶこともそのひとつですし、自分が何に関心があるのかを考えることも、大事な出発点です。

「何をしたいかは、あとから見えてくることもある」「迷っても、何度でもやり直せる」――そう語る先生の言葉には、これから進路を考えていく高校生にとって、大きなヒントが込められているように思います。

連載コラム「大学で学べる学問を知ろう」— 免疫学をテーマに佐藤先生に聞く

○○○○大学 ○○○○教授 (14)

医療の世界は日々進歩していますが、それでもなお「治療が難しい病気」は数多く残されています。  

中でもがんは、今も多くの人の命に関わる深刻な課題です。  

今回お話を伺ったのは、宮崎大学で免疫学を専門に研究し、がん免疫療法の新しい可能性を探っている佐藤克明先生。  

樹状細胞という免疫の中枢に関わる細胞に注目し、これまでにない治療法の開発に挑んでいます。  

しかし、そんな最先端の研究に取り組む先生も、最初から免疫学を目指していたわけではないといいます。  

高校生に向けた今回のインタビューでは、専門分野の話だけでなく、「学問との出会い方」や「進路の見つけ方」についても、率直な言葉で語ってくださいました。 

医学に興味を持つ高校生のみならず、まだやりたいことが見つかっていないという人にこそ、読んでほしいインタビューです。 

がん治療と免疫学の接点 

―― 現在は、免疫学の中でもがん治療に関する研究をされていると伺いました。 

佐藤先生:
はい。私たちは今、免疫学の知見を活かして「がん免疫療法」の研究に取り組んでいます。背景として、がんは日本をはじめとする先進国で死因の第1位を占めており、深刻な課題です。現在主流となっているがん治療には、「三大治療」と呼ばれるものがあります。すなわち、手術、化学療法(抗がん剤)、放射線治療です。 

ただし、これらの治療法では克服できないタイプのがんが依然として多く、限界があるんです。そこで、第四の治療法として登場したのが「免疫療法」になります。 

―― 免疫療法とは、具体的にどのようなアプローチなのでしょうか? 

佐藤先生:
免疫療法とは、体内の免疫機構を活性化させてがん細胞を攻撃させるという治療法です。実は、このアプローチ自体は50年ほど前から研究されていて、歴史は非常に長いんです。しかし、長年にわたり「理論的には面白いが、実際にはあまり効果が見られない」という評価が続いていました。 

そんな中、近年大きなブレイクスルーがありました。それが「免疫チェックポイント阻害剤」の登場です。この仕組みは、本庶佑(ほんじょ・たすく)先生が発見したもので、ノーベル賞にもつながりました。 

―― それほど画期的な薬なんですね。 

佐藤先生:
はい。がん細胞は、免疫にブレーキをかけるような分子を使って、自らを攻撃から逃れようとするのですが、免疫チェックポイント阻害剤はその“ブレーキ”を解除する働きをします。これにより、これまで治療が難しかったがんに対しても、明らかな治療効果が現れるようになったのです。実際に、この治療法によって長期生存が可能になったケースも数多く報告されています。 

―― 一方で、課題もまだ多いともお聞きします。 

佐藤先生:
おっしゃる通りです。免疫チェックポイント阻害剤は素晴らしい成果を挙げていますが、効果があるのは全体の3割程度に過ぎません。つまり、効くがんには効くけれど、効かないがんにはまったく効かない。また、一度は効いた患者さんでも、途中で効果がなくなる「耐性」が生じるケースもあります。 

さらに、副作用の問題も大きいです。この治療法は、がん細胞だけでなく、体の正常な細胞まで攻撃してしまうことがあり、重篤な自己免疫反応が起きることもあります。 

―― なるほど、まさに次の課題があるということですね。 

佐藤先生:
そうです。ですから、私たちは現在、こうした問題点を克服するための新しい免疫治療法の開発を進めています。具体的には、免疫チェックポイント阻害剤の効果を高め、副作用を抑えるための方法を探っています。現在、国の大型研究予算もいただきながら、実用化に向けて研究を加速しているところです。 

樹状細胞研究の始まりとその可能性 

―― 免疫治療の中でも、先生は「樹状細胞」に注目されていると伺いました。なぜこの細胞に着目されたのでしょうか? 

佐藤先生:
樹状細胞というのは、免疫系の中でも「司令塔」として非常に重要な役割を担っている細胞です。免疫細胞には、T細胞やB細胞、マクロファージなどさまざまな種類がありますが、それらの細胞に「この異物を攻撃せよ」と命令を出すのが樹状細胞なんです。 

ただ、私がこの細胞に注目し始めた2000年前後の頃には、樹状細胞の本質的な機能についてはまだほとんど解明されていませんでした。日本では、専門的に研究している人はほとんどいないというのが実情だったんです。 

―― そんな中で、研究を始められたのですね。 

佐藤先生:
そうです。私は当時、海外留学から帰国したばかりの頃でした。そこで、まだ誰も本格的に手をつけていなかった樹状細胞の研究を、まさにゼロから始めることにしました。手探りの状態でしたが、「誰もやっていない未知の分野だからこそ、自分の力で切り開いてみたい」と強く思ったのを覚えています。 

―― まさにフロンティアですね。 

佐藤先生:
そうですね。私は高校生にも「フロンティア精神を持ってほしい」とよく伝えていますが、自分自身の研究もまさにその実践だったと思います。分からないことが多かった分、毎日が発見の連続で、免疫の仕組みが一つひとつ明らかになるたびに大きなやりがいを感じました。 

そして、この研究を進める中で、樹状細胞が自己免疫疾患、アレルギー、拒絶反応、さらにはがんといった幅広い疾患と深く関わっていることが分かってきたんです。それが今の免疫治療の基盤につながっています。 

学びの入口に立つ高校生へ 

―― 先生は、これから進路を考える高校生に向けて、どのような学び方を勧めたいとお考えですか? 

佐藤先生:
私は、「これを勉強しなさい」と特定の教科を無理に選ばせる必要はないと考えています。高校の授業には、主要5教科はもちろん、音楽、保健体育、技術家庭科、そして情報など、多様な科目がありますよね。それらすべてが、将来の興味や進路につながる可能性を持っているんです。 

ですから、まずは広い視野で、いろんな体験をしてみることが大切です。授業だけでなく、課外活動や趣味、人との関わりなども含めて、多角的に物事を見る力を育ててほしい。その中で、自然と「自分が本当に興味を持てるもの」が見つかると思います。 

―― 医学部を目指す高校生にとって、生物を勉強することは必須なのでしょうか? 

佐藤先生:
一見、そう思われがちですが、必ずしも生物を選ばなければいけないわけではありません。実際、医学部の受験では、数学と理科2科目(物理・化学・生物から選択)という形が多く、物理+化学で受験する学生も多いです。むしろ重要なのは、「論理的に考える力」です。 

たとえば数学、物理、化学、英語など、論理を扱う科目をしっかり学ぶことで、医学の土台となる考え方が身につきます。科目にとらわれるより、考える力を養うことが大事なんです。 

―― 英語の重要性についてもお話しされていましたね。 

佐藤先生:
はい、これはぜひ伝えたいポイントです。学術論文のほとんどは英語で書かれていますし、研究者として世界とつながるには、英語力が欠かせません。
読む・書く力だけでなく、話す・聞く力も必要です。特に医学部生でもリスニングやスピーキングが苦手な人は多いので、早い段階から英語に触れておくといいと思います。 

―― 海外留学や研究交流の機会もあるのでしょうか? 

佐藤先生:
はい、大学によっては交換留学や短期研修などの制度があります。私の大学でも、海外での実習や共同研究に参加できる機会があり、それを目当てに受験してくる学生もいるくらいです。英検1級や準1級を持っている学生が、その力を活かして積極的にアピールするケースもありますよ。 

身近な疑問が、研究の入口になる 

―― 高校生が「何を研究すればいいのか分からない」と感じることも多いと思います。どのようにして研究テーマを見つければよいのでしょうか? 

佐藤先生:
私が伝えたいのは、「研究テーマは、身の回りの疑問から始めていい」ということです。たとえば、自分や家族がアレルギーを持っていたら、「なぜアレルギーは起こるのか?」という疑問から調べてみてください。 

実際、アレルギーは今や日本人の3割が抱えていると言われる「国民病」です。花粉症を例にとれば、花粉が飛んでいるのにアレルギー反応が出る人と出ない人がいますよね? この違いはなぜ生まれるのか。その答えを追いかけていくだけでも、免疫学という学問に自然とたどり着くことができます。 

―― たしかに、身近な症状や病気は研究のきっかけになりそうです。 

佐藤先生:
他にも、たとえばおじいさんやおばあさんが認知症になったとき、「どうして人は記憶を失ってしまうのか?」「アルツハイマー病って何?」といった問いから、脳の働きや神経系の研究に興味を持つかもしれません。あるいは、最近なら新型コロナウイルス感染症もいい例です。コロナウイルス自体は昔から存在していたのに、なぜ一部の型だけが重症化して肺炎を引き起こすのか。こうした素朴な疑問が、研究のスタート地点になりうるんです。最近はインターネットでも多くの情報が手に入りますし、調べていくうちに「これが知りたい」「もっと深く学びたい」と感じる瞬間がきっと訪れます。 

ですから私は、高校生の皆さんにはまず「自分の身の回りのことに、なぜ?と思う心を大切にしてほしい」と伝えたいですね。 

研究の喜びは「世界で最初に知る」瞬間にある 

―― 先生が研究を続けてこられた中で、最もやりがいを感じる瞬間はどんなときでしょうか? 

佐藤先生:
大きく2つあります。まず1つ目は、自分の立てた仮説が、実験や検証によって「現実に証明された瞬間」です。研究は常に不確実性との戦いです。いくつもある可能性の中から、自分が「これだ」と信じた方向に突き進んでいって、それが実際に正しかったと分かったときは、言葉にできないほどの達成感があります。 

―― 「やっぱり合っていた!」という瞬間ですね。 

佐藤先生:
そうです。そして2つ目は、「世界で誰よりも先に新しい事実を知ることができた」という喜びです。これは研究者にしか味わえない特権だと思っています。世の中の誰も知らなかったことを、自分が最初に発見する。そのときの感覚は、他では味わえません。 

―― それはまさに、研究者だけが立てる「特別な場所」ですね。 

佐藤先生:
はい。だからこそ、私は高校生の皆さんにも、自分の仮説を立てて、それを検証していく面白さを、ぜひ知ってもらいたいと思います。これは数学や物理の証明問題なんかにも通じることですよね。自分の考えが筋道を立てて証明できたときの気持ち、それが研究にもつながっているんです。 

がん免疫研究の先に目指す社会 

―― 先生の研究が進んでいくことで、どのような未来や変化を期待されていますか? 

佐藤先生:
はい。がんの話に少し絞ってお話ししますと、やはり現在でも多くの方ががんで命を落としています。高齢の方に多い病気であるのは事実ですが、私が特に思いを寄せているのは、若い世代や、働き盛りの世代のがん患者さんたちです。 

彼らに対して、新しい免疫治療薬を届けることで、人生の可能性を守り、将来にわたる幸福の追求を支える──そうした社会的な意味を、この研究には込めています。 

そして最終的には、世の中がより平和で、健康に生きられる社会であってほしいという願いがあります。個人としても、そして研究者としても、そうした“ウェルネス(wellness)”の実現に微力ながら貢献できたらと思っています。 

進路に高校生に向けて 

―― 最後に、将来の進路に悩む高校生の皆さんに向けて、先生からメッセージをお願いします。 

佐藤先生:
改めてお伝えしたいのは、高校生のうちはとにかく多様な体験を通じて、視野を広げてほしいということです。 

そして、自分が心から興味を持てるものに出会えたら、今度はそれに向かってまっすぐ努力を続けてください。 

――本日は貴重なお話をありがとうございました! 

まとめ|問いを持つことから始めてみる 

がん免疫療法や樹状細胞の研究といった、専門的なテーマを扱う佐藤先生のお話は、一見すると遠い世界のことに思えるかもしれません。
しかし、その出発点は「病気を治したい」「免疫って面白そうだ」といった、身近な関心でした。 

研究者として第一線で活躍しながらも、先生は「何を学べばいいか、今わからなくてもいい」と高校生に語りかけます。
むしろ、さまざまな体験を通じて視野を広げ、そこから興味を見つけていくことが大切だと繰り返します。 

学問に向き合うとは、問いを持ち続けること
そして、その問いに向けて自分なりに考え、試し、時に失敗しながら進んでいく姿勢こそが、進路や将来をつくっていくのかもしれません。 

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「日付」を英語で表現する正しい書き方、読み方、使い方

日付の書き方のポイント例:「2021年11月8日」の場合、

  • アメリカ式表記では「November 8, 2021」「November 8th, 2021」「11/8/2021」のように表記します。
  • イギリス式表記では「8 November 2021」「8th November 2021」「8/11/2021」のように表記します。
  • 読み方はどちらも同じ November eighth in twenty-twenty-one です。

英語の日付の書き方は、アメリカ式とイギリス式で並び順が違います。例えば「2021年11月25日」は、アメリカ式では「November 25, 2021」、イギリス式では「25 November 2021」の順で記述します。また、「月」や「日」の書き方には複数の表記パターンがあります。

例:「2021年11月8日」の英語での読み方は、November eighth in twenty-twenty-one 。
アメリカ式表記では「11/8/2021」「November 8th, 2021」「November 8, 2021」のように表記します。
イギリス式表記では「8/11/2021」「8th November 2021」「8 November 2021」のように表記します。

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連載コラム「大学で学べる学問を知ろう」国際教育をテーマに市瀬先生に聞く

市瀬教授

高校生にとって、大学でどのような学問が学べるのかを知ることは、進路選択の大きなヒントになります。連載コラム「大学で学べる学問を知ろう」では、各分野の専門家にインタビューを行い、学問の魅力を探ります。 

今回は、「国際教育」を専門とする宮城教育大学の市瀬智哉先生にお話を伺いました。 

国際教育とはどのような学問なのか? 

日本と海外の教育にはどのような違いがあるのか? 

これからの時代に必要な学びとは? 

国際社会で求められるスキルや、高校生が今からできることについて、先生の研究をもとに詳しく解説していただきました。 

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連載コラム「大学で学べる学問を知ろう」環境経営と地域をテーマに藤森大祐先生に聞く

東京富士大学藤森教授

企業と環境問題、地域の活性化、そして伝統産業の再生——。 

一見バラバラに見えるこれらのテーマを、ひとつの大きな視点でつなげながら探究を続けているのが、東京富士大学 経営学部の藤森大祐教授です。 

藤森先生は、公害という社会問題から企業の環境対策に目を向け、地方の自然との出会いをきっかけに「地域の持つ力」に気づき、やがて都市・新宿に残る染色文化の継承や、サッカークラブとの地域連携など、多岐にわたるテーマに取り組んでこられています。 

今回のインタビューでは、「環境とどう向き合うか」から始まった先生の研究の歩みと、学びの中にある“人とのつながり”や“問い続ける面白さ”についてお話を伺いました。 

進路を考える高校生の皆さんにとって、学問との出会いがどんなふうに広がっていくのか。そのヒントが、きっとこの対話の中にあるはずです。 

環境と地域、そして人とのつながりを考える学び 

― 本日はお忙しい中、ありがとうございます。本日は、学問の魅力を高校生に伝えるという目的で、藤森先生の研究についてお伺いできればと思っています。環境経営だけでなく、地域の活性化や、新宿の地場産業の研究など、幅広いテーマに取り組まれているとお聞きしています。 

藤森先生:
はい!研究の話を高校生向けに、ということですので、少しざっくばらんにお話させてください。 

私はもともと経営学が専門なのですが、1990年代後半ごろから環境に関心を持つようになりました。当時、私は地方の大学で教員としてのキャリアをスタートさせたのですが、その大学が本当に自然豊かなところにあって。学生時代は東京にいたのですが、その頃は正直言って「環境」のことはあまり意識したことがなかったのです。でも、いざ自然に囲まれて暮らしてみると、その豊かさに気づかされて、「環境とどう向き合うか」ということが自分の中で大きなテーマになりました。 

そこから企業活動と環境というテーマにも関心を持つようになったのです。つまり、「環境問題」と「経済活動」、この両方をどう両立させるか。これは今でこそSDGsという言葉が浸透しつつありますけど、当時はあまり一般的なテーマではなかったですね。それで私は、研究するだけでなく、「っと学生たちに伝えなきゃいけない」と思うようになって、ごく自然に「企業と環境」というテーマに関わっていった感じです。 

公害からはじまった環境経営研究 

先生が環境問題に関心を持たれるようになった、最初のきっかけについてもう少し詳しくお聞きしたいです。今のような気候変動やSDGsではなく、最初は「公害」から入られたと伺いました。 

藤森先生:
そうです。今でこそ環境問題というと、気候変動やリサイクルといった話が中心になっていますけど、私が最初に取り組んだのは、むしろ昔の「公害」でした。過去の日本で実際に起きた公害をきちんと見ていかないと、人間が環境破壊を起こす本質的なところが理解できないと思ったのです。 

なぜ人間は公害を引き起こすのか。どうして繰り返すのか。そんな問いから始まりました。そして日本は、自然が豊かな国だと言われているけど、実は豊かではあるけれど大切にしていないのではないかって。 

そうなんですね。地方に行くと、もっと自然が綺麗だろうとイメージしてしまいますが、実際は違うこともあるんですね。 

藤森先生:
地方で働くようになって、以前から好きだった釣りの趣味を再開したのですが、田舎のある川を見たときに「思ったより水が綺麗じゃないし、ゴミも多い」って思ったんです。おそらく生活排水とか不法投棄とか、いろんなものが関係しているのでしょうけど、「これは意外と大事にされていないな」って思いました。 

それで思ったのです。自然と人間(企業の活動)との関わりを真剣に考えていく必要があるなと。それからは、企業が起こしてきた環境破壊を詳しく調べるとともに、環境をどのように捉えるかという環境思想の研究などを行うようになったのです。 

環境から「地域」へ――新たな問いの広がり 

環境問題からさらに「地域」へと視野が広がっていったとお話しされていましたが、どのような経緯で地域に注目されるようになったのでしょうか? 

藤森先生:
環境問題について考えていくなかで、次第にもうひとつ、大きな関心が芽生えてきました。それが「地域」という視点です。 

豊かな自然はたいてい地方にあるわけです。しかし近年、大都市に人口が集中する一方で、地方はどんどん人口が減少し、衰退している。豊かな自然と便利な都市機能が両立することは難しいと思うのですが、地方は自然と共存するような独自の豊かさを創造していくべきだと思うのです。豊かな自然に囲まれた地方は、その地域ならではの活力に満ちているべきだと。そのような地方があることによって、都市に住む人々も自然の恵みを享受できると思うのです。 

なるほど、環境問題を突き詰めていった先に、地方と都市の関係が見えてくるということなんですね。 

藤森先生:
まさにそうです。環境を守るということは、地域の暮らしを守ることでもあるし、地域そのものの価値を再発見することでもある。そういう思いが強くなって、次第に「地域の再生」や「地域の活性化」といったテーマに自然と興味が広がっていきました。 

実際、今私が担当している授業のひとつに地域活性化に関する講義があるのですが、そこでは学生たちと一緒に、さまざまな地域の事例を取り上げて、「この地域では何がうまくいったのか?」「なぜその方法が効果的だったのか?」といった視点で考えてもらっています。 

地域というのは本当に多様で、一つとして同じ場所はありません。だからこそ、ある場所でうまくいった方法を、別の地域にそのまま持ち込んでも通用しないことが多い。そこが難しくもあり、面白いところでもあります。 

新宿の地場産業との出会い――伝統の技術・美意識への敬意 

地域とのつながりというお話の中で、先生が現在勤められている新宿でも、思いがけない地場産業との出会いがあったと伺いました。そのあたり、詳しく教えていただけますか? 

藤森先生:
「地域の価値を見直す」という視点で物事を考えるようになっていた頃、自分の働いている場所――つまり新宿という都市の中にも、案外知られていない地域の魅力があることに気づきました。 

あるとき、大学地元の商店街の活性化に関わる機会があって、地域について詳しく調べることになったのです。そこで出会ったのが、新宿の高田馬場から落合、中井あたりにかけて残る「染色」という地場産業でした。 

正直、それまで私はその存在をまったく知りませんでした。東京のど真ん中に、そんな伝統産業が根づいていたなんて思いもよらなかった。でも調べていくと、神田川や妙正寺川の流域を活かして、かつてこの辺りには多くの染物工房があり、「染のまち」と呼ばれていたことを知りました。 

そして実際に工房を訪ねて、職人の方に現場を見せていただいたのですが……もう圧倒されましたね。江戸小紋や江戸更紗といった伝統的な染めの技法。その繊細さ、手間を惜しまない工程、美意識。どれも本当に見事で、「これは日本の誇るべき文化だ」と心から感じました。 

一方で、そうした産業が今、危機に瀕しているという現実もあるんですよね。 

藤森先生:
まさにそこなんです。日本人の着物離れ、そして後継者不足。職人さんたちも高齢化が進んでいて、「この技術があと何十年残せるのか…」という切実な声もありました。 

これは本当に残念なことです。でも一方で、そういう「技術・美意識・文化」に出会えたことは、大きなきっかけになりました。「大学として何かできないだろうか」と考えるようになったのです。 

教育機関には、知識や技術を次の世代に伝える役割があります。ならば、この地域に残る伝統産業についても、学生たちと一緒に学び、何らかの形で継承や再生に関われるはずだ――そう考えるようになりました。 

そして立ち上げたのが、「Shinjuku Re 和 style project」(リワスタ)です。 

“Re 和 style”、とても印象的な名前ですね。どういった意味が込められているのでしょうか? 

藤森先生:
Re」は再生、「和」は和の文化。つまり、和のサステナブルな伝統を、現代の暮らしにマッチした形で再生していこうという意味を込めています。古いものをそのまま維持するのではなく、今の感覚に合った形で活かすことを考えたいのです。文化の遺産ではなく、日常の中で継続していかないと、これから先も生き続けていくことはできないと思います。 

元来、日本の着物は何度も染め直し、傷んできたら別の物に縫い直し、最後は雑巾になるまで徹底的に大切に使ってきました。とてもサステナブルなライフスタイルがもともと日本にはあったのです。そのような考え方、技術を現代のライフスタイルに適した形で生まれ変わらせ、活かしていきたいと考えたのです。 

たとえば私たちは、普段なら捨ててしまうような素材――コーヒーの出がらしや玉ねぎの皮などを使って染色を行う活動をしています。これが本当にきれいに染まるんです。しかも環境にも優しい。 

学生たちも工房で染めを体験して、布が目の前で鮮やかに染まっていく様子を見て、とても感動します。学園祭では、学生たちが染めのワークショップを自ら担当します。「これ、玉ねぎの皮で染めたんですよ! こんなに鮮やかに染まるなんて驚きですよね!」と来場者に嬉しそうに説明していてね。ああいう姿を見ると、本当にやってよかったなと思います。 

やっぱり、体験を通じて学ぶことって、知識だけでなく心に残りますし、それが「学びの原点」でもあるのだと改めて感じました。この体験を通して、普段捨ててしまっている物でも価値があるのだということが理解できますし、それを他の人にも伝えていく楽しさを味わうことができます。 

なお、新宿区の中井地区では、毎年2月末に「染の小道」という地域イベントが行われていて、3日間で1万人以上の人が訪れる人気のイベントに成長しているのですが、このイベントに3年ほど前から本学の学生たちがボランティアで参加しています。「染」というコンテンツを軸に地域の人々と学生たちが共に活動する素敵なイベントです。ぜひ一度見にきていただきたいと思います。 

スポーツの力で地域をつなぐ、新たな挑戦 

―それでは、今後の活動の展望などをお聞かせいただけますでしょうか? 

藤森先生:
今、もう一つ取り組み始めているのが、地域スポーツとの連携を通じた地域活性化です。 

新宿には「クリアソン新宿」というサッカークラブがあります。JFLというカテゴリーに所属している地元新宿のサッカークラブですが、地域密着型の運営をしていて、いろんな地元活動にも積極的に取り組んでいます。 

先ほど紹介したイベント「染の小道」がご縁で、このチームの選手と知り合いになり、「一緒に地域のために何かできませんか」と話すようになりました。まだ構想段階ですが、これから大学と地域スポーツチームが連携して、地元を盛り上げていくような活動を進めて行ければと考えています。 

スポーツの持つ力って、本当に大きいんですよね。とくに地方では、サッカーチームや野球チーム、バスケットボールチームなどが、そのまま「まちのシンボル」になっていることもあります。応援することで地域に一体感が生まれるし、試合やイベントを通して人が集まる。これは観光資源としても、地域づくりのきっかけとしても、非常に価値があると思っています。 

たしかに、スポーツと伝統産業というのは一見まったく違う分野のようですが、どちらも「地域と人をつなぐ」という点では共通していますよね。 

藤森先生:
どちらも、人の心を動かす力がある。学生にとっても地域にとってもいい循環が生まれるのではないかと思っています。また、一つの成功事例ができれば、それを他の地域に横展開していくことも可能だと考えています。 

実際に、行政に関わる仕事を志望している学生や、地域課題に関心を持っている学生も多いので、そういう学生には「今、現場で何が起きているか」を見てもらいたい。机の上の勉強だけではなく、地域の人たちと一緒に汗をかきながら考える、そういう学びの場を提供していきたいですね。 

終わりのない問いと、学びの楽しさ 

ここまで様々なお話を伺ってきましたが、先生にとって、研究を続けていく中で感じる喜びや、達成感のようなものって、どのようなところにあるんでしょうか? 

藤森先生:
うーん……「達成感」っていう感じでは、あまりないんですよね。というのも、研究って終わりがないんです。どこまでやっても「これで終わり」という区切りがなくて。常に次から次へと面白いこと、知りたいことが出てきて、止まらないんですよ。 

自分が「知りたい」「問題を解決したい」という気持ちでワクワクしながら追いかけている。何かひとつ分かると、そこからまた次のテーマが見えてくる。それが楽しくて、自然と続けている感じですね。 

なるほど。まさに「学問そのものの楽しさ」ですね!それでは最後にこの分野に興味を持つ高校生にメッセージをお願いします。 

藤森先生:
そうですね……環境経営にしても、地域活性化にしても、「誰かのために」「社会のために」っていう「思い」がすごく関わってくる分野です。だから、たとえば「誰かを喜ばせたい」「困っている人を助けたい」「汚れた場所をきれいにしたい」「美しいものを守りたい」といった「貢献したい」気持ちを持っている人は、すごく向いていると思います。 

それから、新しいものを楽しいと思える好奇心や、課題を解決することにワクワクできる感性も大事ですね。そういった「貢献意欲」と「探求心」の両方を持っている学生には、ぜひこの分野に触れてもらいたいですね。 

まとめ 

藤森先生のお話を通して見えてきたのは、「環境を守る」というテーマが、実はとても身近で、人とのつながりや地域の暮らしにも深く関わっているということでした。 

「自然が好き」「人の役に立ちたい」「何かをきれいにしたい」
そんな気持ちから始まる学びが、やがて公害、地域再生、伝統技術の継承、そしてスポーツとの連携など、多彩なテーマにつながっていく。学問とは、知識を積み重ねるだけでなく、「問いを持ち続けること」そのものなんだと教えていただきました。 

高校生の今、やりたいことがまだはっきりしていなくても大丈夫。
ふとした関心や違和感を見逃さず、大事に育てていくことが、未来の自分につながっていくのかもしれません。 

 

英語の発音における「リエゾン」(リンキング)の特徴と主なパターン

英語では、文章中の2つの単語が連結して発音が変わる現象(いわゆるリエゾン)がよく生じます。リエゾンは、英語では linking(リンキング)という呼び方のほうが一般的です。

リエゾン(リンキング)は、英語の文章レベルの発音に関わる大事な要素です。大まかな要領は早々に把握してしまいましょう。

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連載コラム「大学で学べる学問を知ろう」— 平和学をテーマに末吉先生に聞く

末吉先生

高校の授業ではあまり耳にする機会のない「平和学」。けれども、世界で起きている戦争や社会の対立、私たちの身近にある差別や分断といった問題に向き合ううえで、この学問は非常に重要になります。

帝塚山大学で国際法と平和学を教える末吉洋文先生は、学生たちとともに戦争遺跡をめぐるフィールドワークを行ったり、小学校での平和学習の教材づくりに取り組んだりと、学問と社会をつなげる実践を続けてきました。

今回は、高校生に向けて、平和学とはどんな学問なのか、どのような魅力があるか、具体的な活動や経験を交えながら語っていただきました。

国際法から平和学へ──末吉先生が取り組む学問とは?

― まず先生のご研究についてお伺いいたします。専門は「平和学」ということでよろしいでしょうか?

末吉先生:
そうですね、今は「平和学」に力を入れて授業をしていますが、もともとは「国際法」が専門です。私が帝塚山大学に来たのが20年前なんですが、ちょうどそのときに「平和学の授業もつくってくれ」と言われたのです。今でこそ平和学の授業を開講している大学は増えていますが、当時は本当に珍しくて、正直びっくりしました。

ただ、振り返ればそれがいい意味での転機だったんですよね。国際法をベースにしながら、より広い視点で平和や社会問題にアプローチするようになって、今では平和学が自分の研究や教育の中でとても大きな存在になっています。

原点は「なんで今こんなことが起きているのか?」──一枚の表紙写真が変えた進路

― では、その国際法に関心を持たれたきっかけは、どんなところにあったのでしょうか?

末吉先生:
あれは高校生の頃ですね。ちょうど1990年代の初め、旧ユーゴスラビアで内戦が起きていました。ある日タイム誌を見たら、表紙に衝撃的な写真が載っていたんですよ。痩せ細って骨と皮だけになった若者が、鉄柵の中に閉じ込められている。強制収容所の写真でした。

「えっ、今のこの時代に、こんなことが現実に起きているのか」と、ものすごい衝撃を受けました。それまで将来の進路としては、大阪体育大学に行って体育の先生になってもいいかな、なんて思っていたんです。小学校からずっとバスケットをしていたので。でもその写真を見て、「こういう世界の現実に向き合わなきゃいけない」と思うようになったんですね。

― 進路を大きく変えるほどの体験だったんですね。

末吉先生:
はい。そこから国際関係に興味を持つようになって、神戸市外国語大学の国際関係学科に進学しました。そして学部の3年生あたりから、国際法を専門的に学ぶようになったんです。そのまま修士、博士課程も進んで、ずっと国際法の研究をしてきました。

卒論、修士論文、博士論文とすべて一貫して「国連」に関する研究でした。特に私は国連の事務総長の役割に注目しました。平和と安全保障といえば、たいていは安全保障理事会が注目されがちですが、事務総長も国連憲章上、重要な権限を持っているんです。

その力が実際の国際政治の中でどう機能してきたか──歴代の事務総長の活動を追いながら分析して、博士論文にまとめました。

平和学は「身近な平和」から始まる――アサーティブ・コミュニケーションとトランセンド法の実践

― 学校の授業などで「平和」について学ぶ機会はあっても、それが自分の身近な問題として結びついていない子どもたちも多いのではと感じます。実際に自分の手で何かを作ったり、体験したりすることで、より深く理解できるのではないでしょうか?

末吉先生:
おっしゃる通りですね。ゼミでは、私が作成した教材を使って平和について学ぶ機会を設けているんですが、もうひとつ大事にしているのが「身近な平和」から考えることなんです。

たとえば、友達と喧嘩をしたときに、どうやって仲直りするのか。どんな風に話し合いをするのか。これは、実は立派な“平和”の実践です。そこで出てくるのが「アサーティブ・コミュニケーション」という考え方です。

― アサーティブ・コミュニケーション、聞いたことはありますが、どういうものなのでしょうか?

末吉先生:
簡単に言えば、「自分の意見をきちんと伝えながらも、相手の話にもちゃんと耳を傾ける」という姿勢ですね。これ、心理学の分野ではよく知られていて、いくつか専門書も出ています。面白い例だと、ドラえもんの“しずかちゃん”が好例だって紹介している本もあるんですよ!

彼女は例えば、友達に「遊ぼう」と誘われた時に、ただ「無理」って断るんじゃなくて、「ごめんね、今日はピアノのお稽古があるから行けないの。また誘ってね」って、相手に嫌な気持ちをさせずに自分の気持ちを伝える。そういうところが、とてもアサーティブだと。

― なるほど、それなら高校生でもすっと入ってきそうですね。

末吉先生:
そう思います。実際、このアサーティブな姿勢は、いじめ予防にもつながりますし、クラスの中で平和な人間関係を築く上でも非常に大切なんです。こうした考え方をベースにした授業も、平和学の中では重要な柱になっています。

さらに「トランセンド法(超越法)」という考え方も授業で扱っていまして、これはノルウェーの平和学者ヨハン・ガルトゥング博士が提唱した紛争解決のアプローチです。

― トランセンド法、具体的にはどういったものなんでしょうか?

末吉先生:
たとえば、1つのオレンジを2人の男の子が取り合っているとします。普通なら「半分こしなさい」となるでしょう。でもそれでは、どちらも満足度は50%。お互い「全部欲しい」と思っているわけですから、あまり建設的ではない。

そこで、例えば「ケーキにして分ける」とか、「種を取って一緒に木を育てて、実がたくさんなったら分ける」とか。発想を“飛ばす”ことで、両者が100%満足できるような落としどころを見つけていくのがトランセンド法です。単なる妥協ではなく、創造的な解決を目指すアプローチですね。

実際に高校生にもワークをしてもらうんです。「ジャイアンのコンサートに行きたくないのび太、どうする?」とか(笑)。自分でテーマを設定して、どう“超越”するかを考えるんです。

平和は「自分ごと」から始まる──教育に必要な視点とは?

― こうした考え方が、もっと広く社会に広がっていけば、すごく素敵な変化が起きそうですね。

末吉先生:
そうですね。でもやっぱり、今の日本の教育って、こういうコミュニケーションや共感についてあまり教えられていないんですよ。「できる子はできるけど、できない子は放っておかれる」みたいな風潮があるのは、ちょっと問題かなと思っていて。

最近では「エンパシー」という言葉が注目されていて、これがすごく大事だと感じています。シンパシーは一時的な感情の共鳴ですが、エンパシーは「相手の立場に立って考える能力」です。これは訓練で身につけられるんですよ。

― 教育の中で、その能力を育てていく必要があるということですね。

末吉先生:
まさにそうです。最近では作家のブレイディみかこさんが書かれた『僕はブルーでホワイトでちょっとイエロー』という本も話題になりましたよね。彼女の息子さんがイギリスで経験したエンパシー教育に触れて、日本の教育との違いを痛感しました。

知識をいくら積んでも、それを「行動に移す力」がなければ、意味がない。だから平和学では、こうした実践的な能力を重視しています。もっと早い段階で、つまり小中学生のうちから、こうした教育があってもいいんじゃないかなと思うんです。

「平和学」を通して出会う喜び──現場でこそ見える、学問のリアル

― 先生にとって、平和学という分野を続ける中で、どのような喜びや面白さを感じていらっしゃいますか?

末吉先生:
やっぱりフィールドワークですね。それから外部の講演や、小中学校での平和学習に呼んでいただいた時なんかは、本当にいろんな発見があります。

たとえばフィールドワークでは、実際に戦争遺跡に触れることができる。その場の空気を吸って、その土地の歴史に触れるというのは、机上の勉強では得られない感覚です。

平和学習の現場では、子どもたちが目を輝かせながら学んでくれる。その好奇心や探究の姿勢を間近で見ると、「ああ、この取り組みは意味があるな」と、逆に私の方が元気をもらえるんですよね。

もちろん、大学の授業としての平和学も大事ですが、それ以上にゼミ活動や学外での学びがあるからこそ、私自身がいちばん楽しませてもらっているかもしれません。歴史的な事実に触れ、地域の人と話し、多様な価値観に出会える。それがこの学問の面白さですね。

活動的で、好奇心を持って動ける人にこそ向いている

― 末吉ゼミには、どんな学生さんたちが多いのでしょうか?

末吉先生:
やっぱり、フィールドワークが多いので、外に出て動くのが好きな、活動的な学生が多いですね。法学部というと、教室で座学中心というイメージがあると思うんですけど、うちのゼミはちょっと“浮いている”くらい動きます!

平和学習ではゼミ生が小学生の前で授業をすることもありますし、発表も多い。だから、ちょっと人前に出るのが好きだったり、誰かに何かを伝えたいと思っているようなタイプの子に向いているかもしれません。

あと、大学を選ぶときに「どんなゼミがあるか」をちゃんと調べるのも大事だと思います。大学の偏差値だけで選んでしまうと、後から「やりたいことと違った」ってなることもあるので。自分が何をしたいか、それをサポートしてくれる先生やゼミがあるかどうかって、すごく重要です。
これからの時代は、将来や社会全体のことを考えられる視野の広さが必要だと思います。それに加えて、感度のいいアンテナを持っている人。何かに「おや?」と気づける人ですね。そういう人には、平和学ってすごく向いていると思います。

平和学は、答えが一つではありません。正解を探すのではなく、自分の問いを持って、それに向き合う姿勢が求められる学問です。だからこそ、好奇心と柔軟な感性を持った若い人たちに、どんどん飛び込んできてほしいですね。

 

末吉先生から高校生へのメッセージ

― 最後に、これから進路を考える高校生たちに、ぜひメッセージをお願いできますか?

末吉先生:
ぶっちゃけて言えば、「帝塚山大学の末吉と一緒に研究しようよ!」っていうのが本音です!平和学って、私個人の研究でもありますが、ゼミ生と一緒にやっている共同作業でもあるんです。

たとえば、奈良県の戦争遺跡をまとめた冊子も、原稿はゼミ生が書いたんです。最終的には私がチェックしますけど、ゼミ生が本気で関わってくれるからこそ形になる。こういう経験って、きっと就活でも「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」として強みになると思います。

あと大事なのは、学問の魅力にちゃんと気づいてもらいたいってこと。うちの大学では平和学は法学部の中にありますが、高校生からは少し見えづらいかもしれません。でも「法学部の中に平和学がある」っていうことを知って、興味を持ってくれたら本当にうれしいです。

まとめ:平和を「自分ごと」にする学びを

帝塚山大学の末吉洋文先生が取り組む「平和学」は、単なる理念や歴史の学びにとどまりません。国際法の視点をベースにしながら、いかに現実の社会や生活に根差した形で“平和”を考え、行動に移すことができるか。その問いに応える、実践的な学問です。

印象的だったのは、子どもたちと向き合う平和学習や、ゼミ生たちと共に取り組む戦争遺跡のフィールドワーク。そして、日常の中での「仲直り」や「伝え方」にまで広がる“平和”の定義。平和は決して遠い国や過去の出来事ではなく、私たち一人ひとりの選択と関係の中にあるものだということが、先生の言葉の端々から伝わってきました。

大学進学を前に進路に悩む高校生にとっても、「今、自分に何ができるか」ではなく、「これから、どう学びながら可能性を広げていけるか」を考えるヒントに満ちたインタビューでした。

もしあなたが、知識を得るだけではなく、「行動する力」や「他者と共に生きる視点」を大切にしたいと思うのなら、末吉先生の平和学は、きっとその第一歩になるはずです。

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連載コラム「大学で学べる学問を知ろう」— 栄養学をテーマに妻木先生に聞く

広島女学院大学妻木 陽子さま

「将来の夢がまだはっきりしていない」

「食べるのは好きだけど、それが学問になるの?」 

そんなふうに感じている高校生も多いのではないでしょうか。 

今回お話を伺ったのは、広島女学院大学の妻木陽子先生
管理栄養士として、そして大学教員として、栄養学を学ぶ意義やその広がりについて、たっぷりと語っていただきました。 

妻木先生の専門は、「ライフステージ別栄養学」や「食物アレルギーへの栄養支援」。食べることを通じて、人の心や身体、そして家族や社会までも支える研究に取り組んでおられます。 

この記事では、そんな先生の言葉を通して、
✔ 栄養学とはどんな学問なのか
✔ 食を通じて人を支えるとはどういうことか
✔ どんな高校生に向いているのか
を一緒に考えていきます。 

栄養学との出会いとその魅力 

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— まずは先生のご専門について、ざっくりとした概要から教えていただけますか? 

妻木先生:
はい、私は管理栄養士の免許を持っていまして、大学では「基礎栄養学」と「ライフステージ別栄養学」を担当しています。「基礎栄養学」というのは、栄養素が体の中でどのように使われるのか、つまり代謝の仕組みなどを学ぶ授業です。 

もう一つの「ライフステージ別栄養学」では、赤ちゃんからお年寄りまで、人生の各段階での体の変化や食の問題を考えながら、それに応じた栄養管理について教えています。年齢や体の状態によって、必要な栄養も違えば、食の悩みも違いますから、それぞれに合わせたサポートが必要なんですね。 

私の研究は、その中でも小児に多い「食物アレルギー」をテーマにしています。管理栄養士の視点から、どうすれば食べられない子どもたちにも“食に興味を持ってもらえるか”ということを考えて取り組んでいます。 

— 食物アレルギーは、きっと読者である高校生の中にも身近に感じる人がいると思います。 

妻木先生:
そうですね。アレルギーって、ある人にとっては日常生活にすごく関わる問題です。もちろん治療の分野では、検査やお薬といった医療的な対応もありますが、私自身は「食べられないからこそ、どう“食”に向き合えるか」という部分に興味があります。食事を我慢するだけでなく、「それでも食べたい」「楽しみたい」と思ってもらえることが大事だと思っているんです。 

— 先生ご自身は、もともと栄養学に強い興味があったわけではなかったそうですね? 

妻木先生:
そうなんです。高校生の頃は、正直あまり栄養学に興味があったわけではなくて(笑)。どちらかというと、作るより食べる方が好きでした。
でも、それって実はすごく自然なことなんですよね。本学管理栄養学科の学生も、だいたい最初のきっかけは「食べるのが好き」から入ってくるパターンが多いです。
そして、「食べると幸せになれる」っていう当たり前の感覚から、「じゃあ、その幸せを支えるにはどうしたらいいんだろう?」っていうふうに興味が広がっていくんですよ。 

— なるほど、「食べる」ことが入り口になって、「支える」ことへの学びにつながっていくんですね。 

妻木先生:
はい。それに、栄養学の魅力のひとつは、病気になる前から人の健康を支えられるという点です。
お医者さんやお薬は「病気になってから」の対応が多いですが、栄養学は予防の段階から関われる。もちろん、病気になった人に対してもアプローチはできますが、「病気にならないようにどう支えるか」を考えるのは、すごく意味のあることだと思います。 

— 高校生の中には「食べるのは好きだけど、将来それが仕事になるのかな」と迷っている子も多いと思います。そういう子に、どう声をかけてあげたいですか? 

妻木先生:
私、入学式の時にも学生によく言うんですが、「栄養学を学ぶことで、あなたの大切な人を守ることができる」んです。そして、自分自身の身体も守れる。
それが、栄養学のいちばんの魅力だと思っています。 

食って、誰にとっても毎日のことですよね。食べないと生きていけないし、逆に、ちょっとしたことでその人の生活がすごく豊かにもなる。
だからこそ、家族や恋人、友達、そして自分自身――そういう「大切な存在」の健康を、食を通して守れるっていうのは、本当に意義のあることだと思うんです。 

食物アレルギーと家族をつなぐ「サマーキャンプ」という実践 

— 先生は食物アレルギーに関する研究をされているということですが、実際にどのような活動を行っているのでしょうか? 

妻木先生:
私がアレルギーに関心を持ったのは、大学院で基礎研究をしていた時のことです。当時は細胞や実験動物を使った研究をしていたのですが、「患者さんに会ったことがない」という自分にふと気づいたんですね。私自身、アレルギーを持っているわけではなかったので、「一体誰のために研究してるんだろう?」って思ってしまって。 

そこで始めたのが、食物アレルギーを持つ子どもとその家族のためのサマーキャンプです。この活動では、アレルギーのある子どもたちだけでなく、その家族全員で参加してもらうことを大切にしています。お父さんやお母さんはもちろん、兄弟姉妹、おじいちゃんおばあちゃんなど、みんなで“アレルギーについて一緒に考える場”にしたいという思いがあります。 

— アレルギーは本人だけでなく、家族にも大きな影響がありますよね。 

妻木先生:
そうなんです。特にお母さんが「自分のせいかもしれない」と悩んでしまうことが多いんです。でも、そんなことは決してないんです。そうした思いを共有し、同じ悩みを持つ保護者同士が出会い、支え合えるような場を作りたいと考えて、キャンプを続けてきました。 

また、アレルギーを持つ子どもたちは、普段は「みんなと同じものを食べられない」という経験が多いです。でも、このキャンプでは“みんなで同じ食事を食べる”ということができる。これがすごく大きな意味を持つんです。 

— それはきっと、子どもたちにとっても家族にとっても大きな経験になりますね。 

妻木先生:
はい。そしてもう一つの特徴は、学生が中心となって運営しているという点です。本学管理栄養学科の学生たちが、アレルギー対応のレシピを半年以上かけて考え、実際に作って、子どもたちや家族に提供します。レクリエーションや司会も学生が担当します。 

キャンプの場で、自分たちが作った料理を子どもたちが「おいしい!」って笑顔で食べてくれる。その姿を見ることで、学生たちも「あ、自分たちの学びは人の役に立つんだ」って実感できるんですね。これは教室の中だけでは得られない、とても大きな学びになります。 

アレルギーは“誰にとっても”無関係じゃない 

アレルギー対応食(鶏卵、乳、小麦不使用のレシピ)
アレルギー対応食(鶏卵、乳、小麦不使用のレシピ)=妻木先生よりご提供

— 一方で、高校生の中にはアレルギーを持っていない子も多いと思います。そういった子たちに、栄養学やアレルギーの大切さをどう伝えていけると思いますか? 

妻木先生:
実は、アレルギーって気づかれていないことも多いんです。たとえば果物アレルギーだと、症状が口の中だけで終わることもあるので、「喉がちょっとかゆい」くらいで済ませてしまって、自分ではアレルギーだと気づいていない場合もあります。 

また、「将来自分の子どもがアレルギーを持つかもしれない」って考える機会もあると思うんです。だから、当事者でなくても、将来的に関わる可能性がある。そこから興味を持ってもらえたらうれしいですね。 

— 身近な人がアレルギーを持っていると、自分も関心を持つきっかけになりますよね。 

妻木先生:
はい。たとえば友達の子どもがアレルギーだったり、災害時にアレルギーのある人のことを考える場面が出てくることもあります。今後は、そういった場面での地域の理解や対応についても研究していきたいと思っていて、地域イベントでの意識調査なども始めようとしています。 

— 災害時の食の支援についてもお話されていましたね。 

妻木先生:
はい。災害時の炊き出しでは、アレルギーのある子どもに配慮が必要です。ただ、「アレルゲンフリーの食事」をすぐに準備するのは現場としてはとても難しいんですよね。そこで今考えているのが「袋調理」です。耐熱パックの中に食材を入れて湯煎で調理する方法で、同じ鍋でも混ざらずに複数の料理を作れる可能性があります。 

— 一つの鍋で安全に複数のメニューが作れるのは画期的ですね! 

妻木先生:
はい。ただ、湯煎中に成分が溶け出さないかなどの検証が必要なので、今まさに研究を始めようとしているところです。この袋調理の方法が普及すれば、災害時でもアレルギー対応食を提供しやすくなるはずですし、日常生活にも応用がきくと思っています。 

— 先生の研究が進めば、より多くの人が“安心して食べること”を楽しめるようになりますね。 

妻木先生:
そうなっていけたらうれしいですね。でも一番は、困っている人がいるということに気づく社会になってほしいという思いです。アレルギーのある人だけが努力するのではなく、お互いにできること・できないことを伝え合える、そんな社会に向けて栄養学は役に立てると信じています。 

高校での学びが栄養学につながる瞬間 

— 栄養学と聞くと、「病院での専門的な知識」といったイメージがあるかもしれません。でも、先生のお話を聞いていると、それだけではなくて、もっと日常に根ざした学問だと感じます。 

妻木先生:
そうですね。栄養学っていうのは「食べること」から始まる、すごく身近な学問なんです。そして、人を幸せにする手段としての“食”に興味がある人には、本当にぴったりだと思います。たとえば、「誰かの笑顔が見たい」「誰かの健康を支えたい」という気持ちがある人には、向いている分野です。 

最近は病院や保育所だけでなく、食品開発の分野でも栄養学の知識が求められています。いわゆる「フードテック」の時代に入ってきていて、災害食や健康志向の食品など、さまざまな分野で活躍できる可能性が広がっているんです。 

— 高校生の段階で、何を勉強しておくといいでしょうか? 

妻木先生:
やっぱり「家庭科・生物・化学」は大事ですね。家庭科では栄養素の基本やライフステージの違いについて学べますし、生物では人体のしくみ、化学では栄養素の構造や反応が理解できます。 

あと意外と見落とされがちですが、「算数や数学の基礎力」もすごく大事です。たとえば、お味噌汁の塩分濃度を計算したり、レシピの分量を調整したりと、現場では数字を感覚的に捉える力が問われます。 

— なるほど、理系科目も実はすごく密接に関係してるんですね 

妻木先生:
はい、まさにそうです。さらに言えば、歴史や文化にも興味がある子にも向いています。たとえば、源氏物語や昔の文学作品に出てくる「食」の描写を通して、昔の食文化に興味を持つという入り口もありますよね。 

本当に、栄養学っていろんな学問や興味とつながっているんです。だから、「これが好き」「これが得意」という何かがある高校生には、どこかで栄養学と接点が見つかるはずです。 

自分や大切な人を守る学問として 

— 最後に、進路に悩む高校生に向けて、何かメッセージをお願いします。 

妻木先生:
そうですね。私はよく学生に、「この学問は、あなた自身と、あなたの大切な人を守る力をくれる」と話しています。病気の予防や健康のサポートはもちろんですが、それ以上に、「食べることで人を笑顔にできる」ということが栄養学の本質だと思っています。 

そして、「追求することは楽しい」ということも伝えたいですね。栄養学の世界は、まだまだ未知のことがたくさんあります。自分が興味を持ったこと、もっと深く知りたいことがあるなら、それを追いかけてみてほしいです。 

— 本当に、食を通して人を幸せにしたいという思いが伝わってきました。今日はありがとうございました! 

まとめ 

妻木先生のインタビューを通して、栄養学がどれほど身近で、人の人生に深く関わる学問であるかが、ひしひしと伝わってきました。 

栄養学は、単に「健康を保つための知識」ではなく、病気の予防から治療のサポート、そして日々の“食べる喜び”に至るまで、私たちの暮らしを支えている学問です。そしてその中でも先生は、特に「食物アレルギー」や「災害時の食支援」といった、見過ごされがちな課題にも向き合い、食を通して誰もが安心できる社会づくりを目指しています。 

また、印象的だったのは「この学問を学ぶことで、あなたの大切な人を守れる」というメッセージ。誰かの笑顔を守りたい、そんな思いがあれば、どんな高校生にも栄養学の世界は開かれています。 

先生が語るとおり、栄養学は「食べるのが好き」という小さな動機からでも始められる学問です。そして、その学びはやがて“誰かを幸せにする力”へとつながっていく。 

進路に迷っている高校生へ——。
まずは、自分自身や身近な人の「食」について、ちょっと考えてみてください。
そこには、未来をつくるヒントが、きっと隠れています。 

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連載コラム「大学で学べる学問を知ろう」ソーシャルロボティクス研究者・飯尾尊優先生に聞く

飯尾さま

高校生にとって、大学でどのような学問が学べるのかを知ることは、進路選択の大きなヒントになります。連載コラム「大学で学べる学問を知ろう」では、各分野の専門家にインタビューを行い、学問の魅力を探ります。 

今回は、ソーシャルロボティクス(Social Robotics ヒューマン・ロボット・インタラクション(Human-Robot Interaction という分野を研究されている 飯尾尊優先生 にお話を伺いました。 

「ロボットが人を褒めると、どんな影響があるのか?」
「人と自然にコミュニケーションできるロボットとは?」 

ロボットと人の関係性を探る、先生の研究の魅力に迫ります。 

 

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飯尾先生の研究分野について 

― まず、先生のご専門であるソーシャルロボティクスやヒューマン・ロボット・インタラクションについてですが、これらはどのような研究分野なのでしょうか?

 

飯尾先生:
ソーシャルロボティクスもヒューマン・ロボット・インタラクションも、基本的には似たような分野です。どちらも「人とロボットが、柔軟で適切なコミュニケーションを取るためにはどうすればよいか」を考える学問ですね。 

ただ、違いをあえて言うならば、ヒューマン・ロボット・インタラクション(HRI)はその名の通り「人とロボットの相互作用」に特化した研究です。つまり、人間とロボットのやりとり自体を細かく分析し、どうすればスムーズな対話や関わりが生まれるのかを探る分野です。 

一方で、ソーシャルロボティクスの方はもう少し広い視点を持っています。たとえば、「社会においてロボットがどのように受け入れられるのか」「社会的に調和するロボットとは何か」といったテーマを扱います。そのため、社会的な受容性や倫理学的な課題、さらにはロボットの実装についても含まれることが多いです。 

― つまり、ヒューマン・ロボット・インタラクションは、ロボットと人の関係性を深く掘り下げる研究で、ソーシャルロボティクスは、より社会全体の文脈でロボットの役割を考えるということですね?

 

飯尾先生:
そうですね。その理解で大丈夫です。ただ、実際の研究では両者が明確に分かれているわけではなく、かなり重なっています。実験室レベルでロボットの動作を検証することもありますし、逆に社会にロボットを導入する際の課題を考えることもあります。どちらも共通する部分が多いですね。 

飯尾先生とロボットとの出会い 

先生はもともとロボットに興味があったのでしょうか?

 

飯尾先生:
いや、大学に入るまではそんなに興味なかったんですよ。むしろ情報系の分野が好きで、AIやデータ処理の研究をしたいと思っていました。 プログラムを書いて、コンピューターが自分で学習しながら答えを見つけていく、そういう「考えるシステム」に興味があったんです。 

でも、大学院に進学してから研究所のインターン に行くことになって、そこでロボット研究と出会いました。それが人生の大きな転換点でした。 

具体的に、そのインターンではどのような経験をされたのですか?

 

飯尾先生:
僕は「ロボットが自分で学習して動く」みたいなことを期待していたんですが、いざ研究所に行ってみると、全然違いました。ロボットは基本的に、プログラマーが決めた通りにしか動かない。 つまり、「こう動け」と命令したことを忠実にやるだけだったんです。 

それを見たとき、「え、ロボットってこんなに手作業なの?」 って思いました。僕の中では、「ロボット=自律的に考えて動くもの」っていうイメージがあったので、すごくギャップがありました。 

そんなとき、研究所の方に言われたんです。
「そもそも、まず動かすことが大事なんだよ」 って。 

「まず動かすこと」ですか?

 

飯尾先生:
はい。ロボットがどれだけ賢くなったとしても、ちゃんと動いて、人と関われる状態にならないと、社会で使えない ということです。どんなに高度なAIが搭載されていても、実際の生活の中で使えないと意味がない。だから、まずはロボットを動かし、人とのやり取りを観察して、そこから改善していくことが重要です。 

この考え方に出会ったとき、僕の価値観がガラッと変わりました。
それまで「ロボットが自分で考えること」にばかり興味があったのが、「ロボットが人とどう関わるかを研究する」 ことに興味が向きました

 

では、高校生が「まだ自分のやりたいことが見つからない」と悩んでいたとしても、大丈夫でしょうか?

 

飯尾先生:
むしろ、それが普通だと思います。僕自身も、ロボット研究をやろうと思って大学に入ったわけじゃないし、たまたまインターンでロボットと出会って考え方が変わりました。 

だから、「今やりたいことが分からない」からといって焦る必要はない と思います。大事なのは、そのとき目の前にあることをしっかりやること。勉強して知識を増やしていれば、ある日ふとしたきっかけで、興味のある分野に出会えるかもしれません。 

ロボットが人を褒める? その研究の背景とは 

— 先生の研究の中に、「ロボットが人を褒める」というテーマがありますよね。これはどういうきっかけで始まった研究なのでしょうか?

 

飯尾先生
ロボットと人間が会話するとき、どういうコミュニケーションをすれば良いかを考えたときに、「褒める」という行動は基本的にポジティブな影響をもたらすだろうという直感がありました。ただ、それが実際にどれだけ効果があるのかは、明確には分かっていなかったんです。 

人間同士の研究では、褒められることでモチベーションが上がったり、パフォーマンスが向上したりすることが分かっています。たとえば、キーボードのタイピングをする実験では、褒められたグループの方が翌日、より速く、正確にタイピングできるようになっていた、という研究があります。これは、脳の神経活動にも関係しているらしいのですが、詳しいことは専門外なのでそこまで深くは分かりません。 

それをロボットでも試したらどうなるか、というのが研究の出発点でした。 

— 実際の実験では、どのように検証したのでしょうか?

 

飯尾先生
まず、ロボットが人を褒めるグループと、ロボットが褒めずに単に「今〇回目です」と事務的に伝えるグループを用意して、どちらの方が良い影響を与えるかを検証しました。 

それだけでは少し単純すぎるので、もう一つ工夫を加えました。ロボットって、人間と違って簡単に増やしたり減らしたりできるんですよね。そこで、「複数のロボットが褒めたら、効果がより強くなるのか?」という点も調べました。 

—つまり、1台のロボットと2台のロボットで褒めるのを比較したということですか?

 

飯尾先生
そうです。「褒めないグループ」「1台のロボットが褒めるグループ」「2台のロボットが褒めるグループ」を作って、全員に同じ作業をやってもらいました。そして、翌日もう一度同じことをやってもらったところ、やはり褒められたグループの方がパフォーマンスが向上していた。そして、1台よりも2台で褒められた方が、さらに良い結果が出んです。 

— 面白いですね! それはつまり、ロボットが「人にとっての社会的な存在」として機能しているということですよね?

 

飯尾先生
そういうことですね。人間って、周囲の評価によって行動が変わることがあるじゃないですか? 例えば、友達に褒められたらやる気が出るとか、クラスの皆から応援されると頑張れるとか。ロボットでも同じような現象が起きるっていうのが面白いところです。 

特に、ロボットが2台になることで効果が高まるという点は、人間の社会的な振る舞いと似ていますよね。人から褒められるのと、集団から褒められるのでは受け取る印象が違うのと同じように、ロボットでも「複数から褒められる」ことで影響が大きくなる可能性がある、というのが示唆されました。 

ロボットが人間関係をサポートする? 

— 今回の研究を聞いていて思ったのですが、例えば高校生が新しいクラスに入ったとき、最初は緊張して馴染みにくいことがありますよね。こういう場面でロボットが間に入ることで、コミュニケーションが円滑になることもあるんでしょうか?

 

飯尾先生
まさに、それは将来的にやりたいことの一つですね。今、大学のキャンパスで、ロボットを使った「挨拶運動」のような実験をしようと考えています。ロボットが学生に「ちょっと〇〇さんと話してみたら?」と促したり、自然な形で人と人をつなげたりできるんじゃないかと。 

人間同士だと、例えば先生が「みんな仲良くしようね」と言っても、「うーん……」となることもありますよね。でも、ロボットなら、ちょっと空気を読まないくらいのおせっかいな介入ができるんです(笑)。「お前ら喋れよ!」と人が言うと角が立ちますが、ロボットが「〇〇さんと話してみなよ」と言うと、ちょっと笑いが生まれたりする。そういう形で、ロボットが人間関係をつなぐ役割を果たせるかもしれません。 

研究の面白さとは? 

— 最後に高校生に向けて、先生が考える「研究することの魅力」を教えてください。

 

飯尾先生
やっぱり、新しいことを発見できることですね。誰も知らなかったことが分かる瞬間って、すごくワクワクするんですよ。「これ、もしかしてこうなってるんじゃない?」と思って調べてみて、本当にそうだったときの感動は、研究ならではの楽しさです。 

それと、研究って一見難しそうに見えるけど、実は身近なこととつながっているんです。例えば今回の「ロボットが人を褒める」研究も、もともとは「人間って褒められると伸びるよね?」という素朴な疑問から始まっています。そういう「なんで?」を突き詰めていくのが研究の面白さかなと思います。 

— 本日は貴重なお話をありがとうございました!

 

まとめ 

今回のインタビューでは、ソーシャルロボティクスやヒューマン・ロボット・インタラクションという分野を専門とする飯尾尊優先生に、ロボットと人との関係性についてお話を伺いました。 

飯尾先生の研究では、ロボットが人と自然にコミュニケーションをとるための仕組みや、人がロボットを社会の中でどのように受け入れるかを探求しています。特に「ロボットが人を褒めることによって、どのような影響があるのか」というテーマでは、ロボットの言葉が人の行動やモチベーションに与える影響を実験的に検証し、興味深い結果を得ています。 

また、先生自身のキャリアについても伺いました。もともとはロボットに特別な関心があったわけではなく、大学院でのインターンをきっかけにロボット研究へと進んだというエピソードは、高校生が進路を考える上でも参考になるかもしれません。「今やりたいことが分からないのは普通のこと。まずは目の前のことに取り組むことが大切」という言葉には、多くの高校生にとって励みになるメッセージが込められています。 

研究の魅力について飯尾先生は、「誰も知らなかったことを発見する瞬間が最高にワクワクする」と語ります。身近な疑問から生まれる研究が、実際に社会に役立つ形で応用される過程を知ることで、学問の持つ可能性を実感できるのではないでしょうか。 

ロボット研究に限らず、日常の「なんで?」という疑問を大切にすることが、未来の学びにつながるかもしれません。 

連載コラム「大学で学べる学問を知ろう」エネルギーの研究をテーマに上坂先生に聞く

富山国際大学上坂 博亨先生

「電気はコンセントから来るもの」——そんな当たり前の考え方を、根本から変えてみませんか?

私たちの生活に欠かせない電気。しかし、その仕組みを深く理解し、エネルギーを「自分でつくる」ことを考えたことはありますか? 上坂先生は、小水力発電という再生可能エネルギーの研究を通じて、地域社会とエネルギーの自立を結びつける挑戦を続けています。

実は、研究の道は意外なところから始まることもあります。先生自身も、生物学から情報学、そしてエネルギー研究へと進み、多様な視点を活かしてきました。学問の世界は一つの道だけではなく、交差し、広がり、思わぬ発見につながるものです。

「自分の興味はどこにあるのか?」そんな問いを持つ高校生に向けて、本記事ではエネルギーの未来、研究の面白さ、そして進路を考えるヒントをお届けします。あなたの「学びたい」を刺激する一歩になるかもしれません。

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連載コラム「大学で学べる学問を知ろう」多様な学問を今に結び付けて研究を広げる片山先生に聞く

名古屋女子大学    片山直美

高校生にとって、大学でどのような学問が学べるのかを知ることは、進路選択の大きなヒントとなります。連載コラム「大学で学べる学問を知ろう」では、各分野の最前線で活躍する専門家にインタビューし、学問の魅力やその背景に迫ります。 

今回は、味覚・嗅覚・咀嚼力の変化の研究から、宇宙食の開発、さらには平衡機能や宇宙酔いに至る、幅広い分野で活躍される片山先生にお話を伺いました。 

 工学からキャリアをスタートさせ、調理や栄養学、そして宇宙医学へと道を広げた片山先生の独自の歩みは、「好き」を追求する情熱が未来を切り拓く好例です。インタビューでは、先生がこれまで歩んできた人生をお伺いしながら、「過去の経験」がいかに「今のキャリア」に結び付くのか、その魅力と可能性に迫ります。 

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