英語の動詞の三単現(3人称・単数・現在形)および名詞の複数形は、語末に –s または –es をつけて表現されます。発音は /s/ /iz/ /z/ の3種類あり、使い分けに注意が必要です。
語末の -s または -es が /s/ /iz/ /z/ のどの音で発音されるか、これは法則性があります。基本ルールが把握できれば簡単に判断できるようになります。
「無声音」に続く語末の -s は /s/ になる
単語の最後の音が /f/ /k/ /p/ /t/ /θ/ の場合、 s 基本的に /s/ の音で発音されます。
/f/ /k/ /p/ /t/ /θ/ はいずれも無声音に区分されます。無声音とは、発音する際に喉の振動を伴わない音のことです。
/s/ という発音記号で示される発音は、日本語の「ス」に近い音です。清音(濁音でない音)で、息を歯の間から抜けさせるようにして発音します。
-s を /s/ と発音する英単語の例
- /f/ giraffes、surfs
- /k/ books、asks
- /p/ shops、helps
- /t/ hats、visits
- /θ/ cloths、months、myths
/θ/ の発音は実際には少し崩れる
cloth や months 「th」部分は /θ/ と発音されますが、この直後に -s が続くと /θs/ という(母音を含まずに「スス」と言うような感じの)かなり発音しにくい音になります。
英語圏でも /θs/ の発音は難しいようで、慣用的には、辞書上では /θs/ の発音記号で示される語も /ts/ に近い音が用いられているのが実情です。 たとえば cloths は「クロウツ」のように発音し、months は「マンツ」のように発音します。ただし必ず /θs/ の音は /ts/ で発音されるというわけでもありません。
-es の形で付与される場合の発音は /iz/
単語の最後の音が、/s/ /z/ /∫/ /tʃ/ /dʒ/ のいずれかになる場合は、語末に追加される -s は -es の形をとり、その発音は /iz/ になります。
やや伸ばし気味に「イズ」と言うような感覚です。
/iz/ と発音する英単語の例
- /s/ buses、foxes
- /z/ quizzes、jazzes
- /∫/ dishes、washes
- /tʃ/ churches、teaches
- /dʒ/ judges、changes
houses の発音は直前の音も替わる
house のように語末が e で終わる語は、housees とはならず、e ひとつ省略されて houses となります。
house 自体の発音は /hάʊs/ ですが、-es をつけて houses になると直前の se 部分の発音も影響を受けて /haʊzɪz/ のような音になります。
house のような例は例外的で、基本的には -s や -es が付いても単語そのものの発音は変わりません。
「有声音」に続く s は /z/
語末の音が有声音である場合は、-s は /z/ の音で表現されます。
有声音は、声帯の振動を伴って発声される音です。
/z/ と発音されるパターンはたくさんあります。上述の2パターン(無声音+ /s/ になるパターンと、 -es が付いて /iz/ になるパターン)以外の単語は、s が /z/ になる、という覚え方がいちばん楽でしょう。
s を /z/ と発音する英単語の例
- trees
- dogs
- sees
- plays