英語の T /t/ は、飲み込みのT(Stop-T)と呼ばれる特殊な発音をする場合があります。声の調子を少し下げて息を飲み込むようにする発音です。
「飲み込みのT」を使えるようになると、英語の発音がグッと「それっぽい」感じになります。
飲み込みのTの発音のしかた
飲み込みのTは、その名の通り、息を飲み込むように発音される音です。 /t/ の発音は短く切り、そのまま続けて /n/ を発音する、という感覚と捉えるとわかりやすいかも知れません。
t の音が「飲み込みのT」になりやすいのは、 /tən/ という発音を含む単語です。/t/ の音に続く /ə/ はシュワー(schwa)と呼ばれる母音の発音記号です。
通常の T の発音と飲み込みのTの発音の違い
通常の /t/ の発音と「飲み込みのT」の発音は、mount と mountain を比較すると分かりやすいでしょう。
mount は発音記号で表記すると /mὰʊnt/ になります。末尾の t は子音だけですがしっかりと /t/ の音が発音されます。
mountain は「飲み込みのT」が適用される単語です。発音記号で表記すると /mάʊntən/ です。t の部分の /t/ の音は、息を出す感覚よりも、むしろ息を飲み込むんで喉元で「ん」と言う要領で発音されます。
飲み込みのTを無視したら間違い、というわけでもない
「飲み込みのT」は北米で話されるアメリカ英語に顕著な特長です。北米以外の国・地域で話される英語では、必ずしも「飲み込みのT」が必須というわけでもありません。
mountain を通常の /t/ の音で発音したとしても、英語として間違いとは言い切れませんし、その部分によって通じない・聞き間違えられるということもないでしょう。
飲み込みのTで発音される英単語
「飲み込みのT」で発音される英単語はそう多くありません。一般的な単語は数えるほどしかないので、一通り発音練習して身につけてしまってもよいかもしれません。
名詞・形容詞
- mountain
- certain
- kitten
- sentence
- curtain
- cotton
- fountain
- button
- important
一般動詞の過去分詞形
2つ連続した t を含む一般動詞の過去分詞形は /tən/ という発音記号を含むことが多々あります。まとめて覚えてしまうと楽です。
- written
- forgotten
- gotten
固有名詞
固有名詞でも発音記号に /tən/ が含まれているのであれば、飲み込みのTに当てはまる単語として、発音されます。
- Manhattan
- Britain
- Clinton