英語の基本英単語「bus」と「bath」は、日本人的には発音を区別しにくい語です。両方「バス」に聞こえてしまい、聞き分けられず、言い分けることもできません。
「bus」は発音記号で /bʌs/ と表されます。それに対して「bath」は発音記号で /bæθ/ と表されます。
bus と bath の発音記号を見比べたとき、/ʌ/ と /æ/、/s/ と /θ/ が発音記号上の違いであるとわかります。それぞれの音の違いを理解して、「bus」と「bath」の言い分けや聞き分けをできるようにしましょう。
bus の発音の仕方
bus は日本語で「バス」という意味の英単語です。bus は発音記号で /bʌs/ と表されます。
bus を発音する際のポイントは /ʌ/ と /s/ です。それぞれの発音方法を把握して bus の発音をマスターします。
/ʌ/ の発音のコツ
/ʌ/ は母音のひとつです。英語の綴りだとたいてい、「u」「o」が対応します。カナ表記だと「ア」が最も近い音だといえるでしょう。
/ʌ/ を発音する場合のコツは、口をリラックスさせて発音することです。自然な口の開き方で、/ʌ/ と発音することを心がけましょう。口の開きは3センチ前後に留めておきます。
さらに舌の力を抜き、発音する際には舌を口内下部に沿って軽く押し付けます。このとき、舌を前に向かせます。/æ/ の発音の仕方と異なり、/ʌ/ の発音の仕方は口を大きく開けすぎないことが大切です。
/ʌ/ の音を含む英単語
bus と同じように /ʌ/ の音を含む英単語は多くあります。/ʌ/ の発音のポイントである「自然な口の開き」を体得するために何度も発音練習をしましょう。
- fun(/fʌn/)
- but(/bʌt/)
- butter(/ˈbʌtɚ/)
/s/ の発音のコツ
/s/ は英語の綴りでは、たいていは「s」「c」が対応します。カナ表記だと「ス」が最も近い音です。
/s/ の発音をする場合のコツは、上下の前歯を軽くつけることです。反対に、似ている音の /θ/ を発音する際には上下の前歯はつけません。
このとき、舌を前方下に向けます。舌先を軽く下の前歯裏に触れる位置に置きます。
/s/ を発音する際の口角の状態は力を入れずにリラックスさせておくか、軽く力を入れて口の両脇に引くようにします。
/s/ の音を含む英単語
/s/ の発音は比較的簡単だといわれています。上下の前歯の動きを確認しながら発音練習に取り組みましょう。
- sad(/sæd/)
- nice(/naɪs/)
- sea(/siː/)
bath の発音の仕方
「bath」は日本語で「入浴」「浴室」を意味する英単語です。bath は発音記号で /bæθ/ と表されます。
特に発音しにくい /æ/ と /θ/ の発音のコツを、それぞれ /ʌ/ と /s/ の発音の仕方と比較して復習します。
/æ/ の発音のコツ
/æ/ は母音のひとつです。英語の綴りだとたいてい、「a」が対応します。カナ表記だと「ア」のような音に聞こえます。
/æ/ を発音する場合のコツはアゴを下げて、口を開いて発音することです。大きく口を開けない /ʌ/ の発音の仕方とは異なります。
さらに /æ/ を発音する際には、舌を前方に向けます。舌先が下の前歯の裏に触れるようにします。
/æ/ の音を含む英単語
/æ/ の音を含む英単語の発音練習をしましょう。なお familly(/ˈfæməli/)など、/æ/ の音にはアクセント(強勢)が置かれることが多いです。アゴを下げて口を開き、強く発音するように心がけましょう。
- familly(/ˈfæməli/)
- travel(/ˈtrævəl/ )
- happen(/ˈhæpən/)
/θ/ の発音のコツ
/θ/ は英語の綴りでは、たいてい「th」が対応します。
/θ/ を発音する際のコツは、舌の先っぽを上下の前歯の間に通すことです。/θ/ を発音する際に、上下の前歯に挟まれた舌の周りを空気が抜けていくとわかるはずです。
だからといって、あからさまに上下の前歯に舌先を挟んで発音をすると、舌の周りから空気が抜けず、音が出ない場合があります。あくまで /θ/ の発音は、舌の先端のみを上下の前歯に挟んで発声されます。
このとき、舌には力を入れません。口角もリラックスさせた状態にしておきます。
/θ/ の音を含む英単語
/θ/ の音を含む英単語で発音練習をしましょう。「th」は語末だけでなく、語中や語末に置かれることもあります。「th」がどの位置にあってもきれいな /θ/ の発音をできるようにしましょう。
- thank(/θæŋk/)
- earth(/ɝːθ/)
- nothing(/ˈnʌθɪŋ/)