一般動詞の過去形にはたいてい、語尾に「ed」を付けます。「ed」の発音は、/d/ /t/ /ɪd/ の3パターンがあります。
昔に「ed」の3種類の発音分類を学習したものの、今では「なんとなく」で発音してしまっている人が多いといわれています。
「ed」がそれぞれどの発音になるのかは、「語末がどんな音で終わっているか」によって規則的に決定されます。「有声音」と「無声音」が発音を決めるキーワードになります。
一般動詞の過去形の表し方
一般動詞の過去形はたいてい、「動詞の原形+ed」の形で表されます。過去形が「動詞の原形+ed」の形で表される動詞を「規則動詞」と呼びます。
主語が she や Tom といった3人称単数の場合でも、「動詞の原形+ed」の形で表記されます。
like のような語末が「e」で終わる動詞は、すでに語末に過去形の「e」があると考えます。したがって、語末が「e」で終わる動詞は「d」のみを付けます。
- like → liked
- dance → danced
さらに study のような、語末が「子音+y」で終わる動詞は、発音の便宜上、 y を i に変えて語尾に ed を付け足します。
その他にも、stop のように、語末が「短母音+子音」で終わる動詞は、最後の子音字を重ねた後、ed を付け足します。短母音はアクセントの置かれている母音を指します。
- study → studied
- stop → stopped
基本的に語末に ed を付けるだけでよい規則動詞とは対照的に、過去形を表す際に不規則な変化をする「不規則動詞」があります。go の過去形 went や、come の過去形 came が不規則動詞の代表例にあたります。
「ed」を /d/ と発音する場合
一般動詞の語末の音が「有声音」で終わる場合、「ed」は /d/ と発音されます。/d/ は日本語で表すと「ドゥ」に近い音に聞こえます。
有声音は喉の振動を利用して発音される音です。実際に喉に手を当てて、発声している音が有声音がどうか確かめることができます。
有声音の代表的な例は、子音では /b/ /v/ /g/ /z/ /dʒ/ /l/ /m/ /n/ /r/ /ŋ/ /ʒ/ /ð/ などが挙げられます。英語の母音も全て有声音です。
「ed」を /d/ と発音する一般動詞の例
規則動詞の中では、「ed」を /d/ と発音する一般動詞が最も多いです。「ed」を /d/ と発音するパターンは、元の単語の流れのまま発音できるため、比較的発音しやすいといわれています。
- moved(/múvd/)
- returned(/ɹɪˈtɜːnd/)
- stayed(/stéɪd/)
- studied(/stʌ́did/)
- married(/mˈærid/)
- raised(/réɪzd/)
- engaged(/ɛnɡéɪdʒd/)
- traveled(/trǽvəld/)
「ed」を /t/ と発音する場合
一般動詞の語末の音が「無声音」で終わる場合、「ed」は /t/ と発音されます。/t/ はどちらかというと「トゥ」という日本語の音に近いでしょう。
無声音は喉の振動を利用せずに発音される音です。口から出る息を利用して出す音ともいえます。
無声音の代表的な例は、/p/ /k/ /f/ /s/ /θ/ /ʃ/ /tʃ/ などが挙げられます。
例えば /p/ を発音してみると、喉を振動を使わずに発音していることがわかります。/p/ を発音する場合は口の丸みを使い、口から出された息で発声されます。
「ed」を /t/ と発音する一般動詞の例
「ed」を /t/ と発音する一般動詞の数は限られています。一般動詞の原形の語末に注目して発音しましょう。
例えば、work は発音記号で /wɝːk/ と表されます。work は無声音「k」で終わっているので、「ed」を /t/ と発音する一般動詞のひとつであるとわかります。
したがって work の過去形 worked は発音記号で /wɝ́kt/ と表されます。発音は「ワークトゥ」といった風な音に聞こえます。
- worked(/wɝ́kt/)
- dropped(/drɑ́pt/)
- finished(/fɪ́nɪʃt/)
- divorced(/dɪvɔ́rst/)
- stopped(/stɑ́pt/)
- laughed(//lǽft)
- coughed(/kɔ́ft/)
- watched(/wɑ́tʃt/)
「ed」を /ɪd/ と発音する場合
一般動詞の語末の音が /d/ もしくは /t/ である場合、「ed」は /ɪd/ と発音されます。/ɪd/ はカナ表記で「ィッド」のような音に聞こえます。
基本的に /d/ と /t/ はそれぞれ、英語の綴りで「d」と「t」に対応しています。したがって、start や attend のように動詞が「d」もしくは「t」で終わっていれば、「ed」は /ɪd/ と発音されると考えてしまって良いでしょう。
/d/ は有声音、/t/ は無声音ではありますが、ここでは例外的に「ed」を /d/ や /t/ と発音せずに、/ɪd/ と発音します。
「ed」を /ɪd/ と発音する一般動詞の例
「ed」を /ɪd/ と発音する一般動詞の数は多くはないです。「ed」を /ɪd/ と発音することによって音節がひとつ増えるため、日本人にとってやや発音しにくいかもしれません。
繰り返し発音練習をすることで、初めは違和感のあった発音も徐々に慣れていくでしょう。
- started(/stɑ́rtəd/)
- graduated(/grˈædʒuèɪtɪd/)
- visited(/vɪ́zətəd/)
- separated(/sɛ́pɚèɪtəd/)
- dated(/deɪtɪd/)
- attended(/ətɛ́ndəd/)