日本の慣習とは異なる「英文履歴書」の書き方

日本国内では標準的に用いられている「履歴書」の書き方や形式も、海外ではしばしば奇異に映ります。実際、日本の履歴書と英文履歴書(resume)にはいくつかの顕著な違いが見られます。

海外にキャリアを求めるなら、まずは履歴書から。国内外の履歴書の違いをよく把握して、最適な形式で提出できるように備えましょう。

必須の記入事項に大きな違いはない

英文の履歴書でほぼ必ず記載が求められる基本事項は、おおむね5要素に絞られます。この点については、日本の履歴書と共通した内容といえます。

  • Contact Information   氏名、住所、電話番号、Emailアドレス
  • Objective   志望職種と志望動機。
  • Experience  職歴(担当ポジションや雇用期間)
  • Education  学歴、GPA、職能に関係する履修コースや研究内容
  • Skill/Qualifications  資格、スキル

志望動機は「To~」(~するために)で書き始める形で記述します。ここは履歴書の要となる部分であり、最も悩むポイントにもなるでしょう。


顔写真は不要

英文の履歴書と日本の履歴書の大きな違いとして挙げられる要素のひとつが「顔写真」の有無です。

日本の履歴書では応募者の顔写真を貼付するスペースがほぼ必ず備わっており、写真を貼らないわけにはいきません。顔写真必須と明示的に指定されている場合も多々あります。英文履歴書では写真が必要とされません。

海外の多くの国や地域では、多種多様な人種や民族が共存しています。人を見た目で判断し得るような判断材料が除かれているという点からは、人種差別や民族差別の可能性を懸念して防ごうとする意識をくみ取ることができそうです。

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大学での成績は何よりも重視される

日本では、在籍・卒業した大学名は注目されても、当事者の大学での成績にはあまり着目されない傾向があります。アメリカの大学などでは学業成績をGPA(Grade Point Average)として指標化されますが、日本の履歴書にはGPAにあたる成績の記載欄もありません、

米国などではこのGPAこそが履歴書(選考)において最も注目される部分といえます。

敢えて言ってしまえば、大学のブランド名ではなく、あくまでもその学生個人の力量が見られるのです。

手書きは至上主義は時代遅れか?

日本では「履歴書は手書きで書くべし」という考え方が今でも主流です。丹精込めて書き綴り、書き損じたらやり直し、なんて繰り返して理不尽な思いをした方も多いことでしょう。

アメリカなどでは手書きによる履歴書は「古い習慣」と見なされつつあり、今やPCを使った履歴書作成が当たり前となっています。これは海外に挑む日本人の立場からすれば朗報ですね。

この違いは、海外から日本へ移って日本の会社への就職を目指す人たちにとっては、高いハードルとして立ちはだかるようです。日本語を流暢に話せても、漢字交じりの文章を直筆できれいに書ける人はそうそういません。文章の手書きなんて仕事に直接関係ないスキルなのに・・・と苦悩する人も多いと思うと、ちょっと同情してしまいます。

英文履歴書は「紙」にこだわる

英文の履歴書を作成する際にこだわりを注ぐべき、ちょっと意外なポイントとして、「履歴書用紙を選び抜く」という点が挙げられます。

日本では用紙そのものに意識を払うことはめったにない事といえますが、英文履歴書では用紙選びが少なからず着目されます。粗雑な用紙で済ませず、それなりに気合いの入った材質を選びましょう。

一般的には、コットンファイバーが配合された厚手の白またはアイボリーの用紙が好印象とされています。透かし(ウォーターマーク)の入った用紙なら言うことなしです。ただ、日本では透かしの入った履歴書用紙は中々入手できません。透かしは妥協するとしても、できるだけ品質のよい、白かアイボリーの用紙を選べば、まず用紙選びは及第点といえるでしょう。




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