英語の「wh」の音は、what や why などの疑問詞をはじめ多くの基礎表現に含まれる重要な発音です。その発音は /h/ と /w/ の2種類に分かれます。
この wh の発音のちょっとした違いは、見過ごしてしまいやすい部分です。しっかり把握して言い分けられるようになりましょう。
「wh」を /h/ と発音する場合
wh の直後に「o」が続く場合、wh は /h/ と発音されます。who や whom、whole などが典型的な英単語として挙げられます。/h/ と発音する wh は基本的に語頭に置かれます。
/h/ の発音のコツ
/h/ を発音する際のコツは、肺から空気を出すように発声することです。発音する際には、口先を丸くすぼめて、唇を前に押し出すような動きをします。
/h/ は、有声音である /w/ と異なり、無声音のひとつです。無声音は喉の声帯の振動を用いずに発声される音です。
wh(/h/)を含む英単語
/h/ と発音する wh を含む英単語の数は少しだけです。who と whose は基礎的な英単語であるので、英単語の発音ごと覚えてしまいましょう。
例えば who は /h/ と発音する wh を含んだ英単語です。したがって、who は日本語でいうと「フー」に寄った音に聞こえるでしょう。
- who(/huː/)
- whole(/hoʊl/)
- whose(/huːz/)
「wh」を /w/ と発音する場合
wh の直後に「o」以外が続く場合、wh は /w/ と発音されます。what や where、white などが代表的な英単語として挙げられます。
/w/ と発音される wh はほとんどの場合、語頭で用いられます。しかし、語中に wh を含む英単語もあります。
/w/ の発音のコツ
/w/ を発音する際は、口角を一点に集めるような意識で、口を丸めます。/o/ を発音する際の口の動きと似ています。/w/ と発音する際、舌先を下前歯の裏に軽く触れさせるか、少し後ろに位置させます。
なお、/w/ は有声音のひとつです。有声音は喉にある声帯の振動を伴って発声される音です。
wh(/w/)を含む英単語
/w/ と発音する wh を含む英単語の数は多くあります。「wh」には「h」が含まれていますが、/w/ とだけ発音することに留意しましょう。
例えば what は /w/ と発音する wh を含んだ英単語です。what には /h/ の音は含まれていないので、日本語の「ワット」に近い音に聞こえます。「ホワット」「フワット」のような音として発音されません。
whale も wh(/w/)を含む英単語です。「クジラ」を意味する whale は、多くの日本人にとって、日本語カタカナとして知られている「ホエール」と発音されると思いがちです。
しかし whale には /h/ の音が含まれていないので、どちらかというと日本語の「ウェール」に近い音として発音されます。
- what(/wɑːt/)
- when(/wen/)
- where(/wer/)
- why(/waɪ/)
- wheel(/wiːl/)
- whale(/weɪl/)
- anywhere(/ˈen.i.wer/)
- everywhere(/ˈev.ri.wer/)
「wh」を /hw/ と発音する場合がある
育った地域や年齢によっては、wh の直後が「o」以外の場合、wh を /hw/ と発音する人がいます。つまり、/w/ と発音するはずの wh を /hw/ と発音する、ということです。
スコットランドやアイルランド、アメリカ南部などで育った人が wh(/hw/)と発音するといわれています。
wh(/hw/)と発音する場合の特徴は、/h/ をごく小さく発音し、その後に続けて /w/ と発音することです。
wh を /hw/ と発音する場合、what は「ホワット」に近い音として聞こえ、when は「フゥェン」のような音として聞こえるでしょう。