英語のリスニング力をアップさせるためには、聞き取った英語が実際に何を意味しているのかを理解する訓練が必要です。英語を聞き流し、英語に慣れるだけでなく、聞き取った内容を正確に把握する練習を重ねることで、「聞いて理解する」力を身につけることができます。
英語を聞き、理解する能力を効率的に身につけるための定番学習法としては、【1】シャドーイング、【2】ディクテーション、の2つがあります。
【1】シャドーイング
「シャドーイング」とは、聞いた音声を即座に真似することです。シャドーイングでは音声を聞きながら声を出すため、聞きながら声を出しても追いつける速度の音声教材を選ぶとよいでしょう。
シャドーイングでリスニング力を向上させるコツは、必ず文章の意味を理解しながら読むことです。英文の内容を理解しながら行うシャドーイングを「コンテンツ・シャドーイング」と呼びます。文章を言いながら理解できれば、聞く際も簡単に理解できるようになります。そのため、コンテンツ・シャドーイングはリスニングの上達に適した学習法と言えます。速いスピードでも意味をとりながら声を出せるようになれば、より速い英語が正確に聞き取れるようになります。
また、シャドーイングのように音声を再生しながら声を出すのではなく、手本の音声を一文ごとに止めて真似する練習(リピーティング)や、音声なしで文章を言う練習(レシテーション)を組み合わせると、シャドーイングで使った音声教材を学習に最大限活用することができます。
【2】ディクテーション
「ディクテーション」とは、聞き取った音声を書き取ることです。ディクテーションによる学習を始める際、まずは易しい単語が用いられている音声教材を選びましょう。つづりの難しい語や専門用語の多いニュース、スラングの多いドラマや映画などよりも、易しい英語で読まれる童話や、リスニング学習者向けの教材を使うことをおすすめします。
聞き取った音声を文字にすることで、何が聞き取れたのか、何が聞き取れなかったのかを明らかにすることができます。例えば、「文頭が聞き取れない」、「文末が聞き取れない」、「言葉のつながりが聞き取れない」といったように、ディクテーションにより、聞き取りの苦手な部分が明らかになります。
また、答え合わせをして改めて音声を聞くことで、聞き取れなかった箇所が実際は何と言っていたのかを確認することができます。そのため、様々なテーマの教材でディクテーションを行い、復習を繰り返すことで、リスニングの苦手を克服できるでしょう。
シャドーイングとディクテーション、いずれの学習方法においても、聞き取った英文の意味を正しく理解できるようになることが大切と言えます。正しい英文が確認できるよう、必ずテキストのついている音声教材を使いましょう。