英語の「ん」の発音は、日本語にも英語にも数多く存在します。「ん」の発音を意識して使い分けられれば、英会話のスキルは発話も聞き取りもぐんと伸びます。
例えば日本語において、「おんぷ」と言う時と、「あんず」と言う時では、「ん」の響き方が異なります。「おんぷ」の「ん」は、舌が歯茎に接触せず、両唇が閉じた状態で発音されるのに対し、「あんず」の「ん」は、舌が歯茎の裏に接触した状態で発音されます。
また、「まんが」の「ん」を読むときは、口の奥で舌が動くのを感じることができます。以上のように、口や舌の動きの違いによって、音の響きも変わります。
「ん」の発音の種類は、英語にも存在します。英語における「ん」の発音方法としては、大きく分けると次の3つを挙げることができます。
【m】「おんぷ」の「ん」に当たる発音
[b]や[p]の音の前で発音する「ん」は、[m]と表記します。必ず口を閉じて発音します。
[m]の発音は、英単語のスペリングとも関係しています。「ん」の音に「b」や「p」が続く英単語の「umbrella」や「important」では、つづり字においても「n」を用いずに「m」で表記されています。
【n】「あんず」の「ん」に当たる発音
[t]や[d]、[s]や[z]など、多くの音の前で発音する「ん」は、[n]と表記します。[n]を発音する際は、舌が歯茎の裏に移動します。
「internet」や「entrance」のように、つづりは「n」を用います。
【ng】「まんが」の「ん」に当たる発音
[k]や[g]の音の前で発音する「ん」は、[ng]と表記します(国際音声記号では[ŋ])。
「bingo」「uncle」のように、つづりは「n」を用います。また、「going」のような進行形では、語尾に[ng]の音が現れます。
[m][n][ng]の音が単語の途中にある場合、3種類を使い分けることで後に続く音をスムーズに発音することができます。[m][n][ng]のどれも、単語を流暢に読むための自然な口の動きと直結した発音と言えます。
その他
厳密には、英語には上記に挙げたどの例とも異なる「ん」が存在します。例えば、「influence」を読む際の「n」の発音は、上の歯と下唇を接触させて発音させる「ん」であり、国際音声記号では[ɱ]と表記される音になります。
英語のネイティブスピーカーは、[m][n][ng]のような音の違いを無意識的に聞き分けています。「ん」の発音をマスターすれば、より「伝わる英語」を話すことができるようになります。
また、自分が話せる発音であれば、より正確に聞き取ることもできます。英会話力やリスニングの能力を上げたい場合、細かな発音の違いを意識しながら学習を行ってみてはいかがでしょう。