TOEIC(R)テストの出題形式が2016年5月試験実施分から一部変更されます。受験者は必見、新形式のTOEICテストに対して、どのような対策を行えば良いのでしょうか?
変更されるのは問題形式
新形式のTOEICテストで変更されるのは、出題形式のみです。試験時間や問題数は現行のTOEICテストと変わりません。また、テストの難易度やクオリティも変更はありません。現行のTOEICテストで取得したスコアと新形式で取得したスコアは同じものさしで比較することができます。
より実際的な場面を想定した問題へ
新形式のTOEICテストでは、コミュニケーション力を重視した問題傾向になります。リスニングセクションとリーディングセクションの両方で新形式の問題が導入されます。リスニングセクションのPart1写真描写問題やPart2応答問題、リーディングセクションの文法・単語問題を出題するPart5短文穴埋め問題は、設問数が減ることになりました。新形式のTOEICテストで新しく導入される、主な出題形式は次の通りです。
< リスニングセクション>
・複数名の会話を聞き取る設問
現行のTOEICテストでは、2名による会話を聞き取る設問がありました。新形式では、3人の人物による会話を聞き取る問題が新たに設けられます。また、会話問題で流れるフレーズの1つ1つが短くなり、人物同士のやり取りが多くなります。会話の中で省略形や完全な形でない文法が用いられる点も新形式の特徴です。
・図を見て答える設問
新形式のTOEICテストでは、会話で聞き取った情報と問題用紙の図を見て得た情報から答えを導き出す設問が設置されます。
< リーディングセクション>
・文章の全体像を問う設問
リーディングセクションのPart6長文読み取り問題とPart7読解問題では、文章の構成を把握しているかどうかについて問う設問が設けられます。例えば、長文で空欄に当てはまる一文を選んだり、文書に一文を挿入するのに適切な場所を選んだりというような設問です。
・チャット形式で複数人がやり取りをする文書を読む設問
新形式ではチャット形式で複数の人がやり取りをする文書から答えを導くという質問が加わります。実際にメールやSNSを使ったときに英語でコミュニケーションをとる場面が想定されていると考えられます。
・読解問題で3つの関連する文書を読む
Part7読解問題では、現行のTOEICテストでは1つの文書または2つの関連する文書を読んで解答する設問でした。新形式では、1つの文書または3つの関連する文書を読んで解答する設問に変わります。現行のテスト以上に、複数の文書の内容を体系的に理解する能力が必要となるでしょう。
全ての変更点については、ETS公式ホームページを参照することができます。
会話問題対策がポイントになる
新形式のTOEICテスト対策としては、会話問題に慣れることがポイントになってくるでしょう。文法や単語という基礎的な部分を押さえつつも、いかに基本を応用できるかという部分がカギを握りそうです。