「英検」は英語では EIKEN といいます。つまり固有名詞です。英検には1次試験と2次試験がありますが、「一次試験」は the (EIKEN) first stage 、「二次試験」は the (EIKEN) second stage と表現できます。
ただし文脈によっては、英検という名称を特に明示せず、English certification exam (英語の資格試験)とでも言っておけば十分に趣旨が通じるでしょう。EIKEN の語を明示するにしても EIKEN, English certification exam, という感じで補足が必要でしょう。
二次試験も場合によっては speaking test とか interview test のように述べた方がよさそうです。試験の段階ではなく内容に言及するというわけです。
「英検」の公式な英語名称は EIKEN
英検は「実用英語技能検定」の略称であり、日本英語検定協会が実施している英語能力試験の呼び名です。
なお「英検」の名称は 公益財団法人日本英語検定協会の登録商標です。
英検の公式ウェブサイトでは英語表記を明示的に紹介してくれています。これによって、公式の表記が分かります。ある意味ではこれが「正解」ともいえるでしょう。
いわく、「英検」の英語名は EIKEN です。
英検の正式名称である「実用英語技能検定」の英語表記は、公式ウェブサイトでは The EIKEN Test in Practical English Proficiency という表記と案内されています。
これらの表記を案内しているページでは「英語での履歴書や留学書類の記載には以下の表現をご使用ください」との旨を述べています。つまり、これらの表記は(意味が通じるか否かは半ば度外視して)固有の名称を一意に特定する目的で設定されている名称です。
英検の何たるかを補足・解説する情報はおそらく必要
英検は基本的には日本人向けの英語試験です。「英検」を固有名詞的に the EIKEN と述べただけで何のことか明確に理解できる人は稀でしょう。大学職員のような専門家の方ならともかく。
※ 英検の海外(米国)会場はあります。
微妙に「EIKEN とは何だ?」という反応が予想される人との会話において英検に言及するのであれば、単に固有名を挙げるだけでなく、「日本で実施されている英語の資格試験である」という情報を言い添えてあげたほうがよさそうです。
補足説明の具体例
英検についてどのように説明するか?という手掛かりは、日本英語検定協会ウェブサイトの英語版ページに見出せそうです。
同ページでは英検を次のように説明しています。これをそのまま借用してしまえば十分に「英検とは何か」を伝えることができるでしょう。
英検は(中略)日本で最も広く用いられている英語試験プログラムのひとつです
日本英語検定協会 ―Overview of the EIKEN tests
簡単に「英語テスト」程度の呼び方で扱う方法もあり
English certification exam(英語の資格試験)と呼んでもよさそう
英検という呼び名に言及する必要が特になければ、いっそ「英語の資格試験」のように述べてしまうこともできるでしょう。
資格試験は、certification exam や qualifying examination といった言い方ができます。certificate は「認定する」「証明する」などの意味で、ある一定の能力を保有していると認めるための試験であることが表現できます。qualify は「資格を取得する」「資格を与える」などの意味を持っていて、資格試験を直訳した英語表現です。
頭に「英語の」という意味で English を付け加えれば、英語の資格試験であることが表現できます。
もっとも、英語圏の人にとって英語能力を証明する試験というものはなかなか馴染みのない代物です。具体的にイメージしてもらうことは難しいかもしれませんが、非英語圏にはこういうものがあるという点も踏まえて説明できるとより良いでしょう。
English proficiency test(英語習熟度テスト)もよさそう
資格試験であるという点がさほど重要ではない場合、単なる「英語のテスト」と表現してしまう手もあります。その際は、proficiency という単語が効果的に使えます。
proficiency は「習熟」「熟練」「上達」といった概念を表す言葉です。持っている技術や能力がある程度まで熟すこと、またはどの程度まで熟しているかどうかの度合いを意味します。
英語能力の程度を測る試験を形容する際には、English proficiency test がぴたりとくる表現です。資格について言及することはできませんが、英語のテストがあるということさえ相手に伝われば良い場面では、十分に役割を果たせるフレーズでしょう。
二次試験は英語では the second stage という
日本英語検定協会公式サイトでは、二次試験は the second stage と表現できると紹介されています。一次を突破し次のステージに進んだ受験者のみが受けられる試験ということからも、イメージの湧きやすい表現だと言えるでしょう。
英検二次試験 は the EIKEN second stage と述べれば最も端的で無難に表現できます。
試験の目的に着目して speaking test と表現する方法もアリかも
英検の二次試験は日本語で「面接試験」と呼ばれることが多いと思いますが、結局のところ何が試されているかというと、英語でのスピーキング力です。一次で英語の読み書き能力を測った後、二次で英会話能力を測るという手順です。
二次試験や面接試験といった日本語での呼び名に惑わされず、 speaking test のようにテストされている事柄を明確に述べることで、何のためのテストなのかをわかりやすく表すことができます。
試験形式に着目して interview test と言ってもよいかも
いわゆる「面接試験」を英語で表すならば、interview test という言い方ができます。日本英語検定協会公式サイトでも、一次と二次のそれぞれの試験を Written and Listening Test, and Interview Test と訳しています。
面接とは多くの場合、意見や考えなど詳しい話を聞くために会って行う試験のことです。しかし英検が面接試験で試しているのは英語力であり、話の内容ではありません。この場合の interview という単語は、対面式で直接話すという試験形式を指して用いられていると言えます。
同様の意味を表す英語表現の中には、oral exam というものもあります。これは日本語で言うところの「口述試験」「口頭試問」といったイメージです。少し堅めの表現ではありますが、対話を通して行う試験という意味においては英検の二次試験に対応する英語表現と言えます。