アメリカを代表する英語辞書のひとつであるメリアム・ウェブスター(Merriam-Webster)が、毎年恒例の「Word Of The Year」を発表しています。2017年の Word Of The Year は「feminism」です。
- 2017年のオックスフォード英語辞書「今年の英単語」は「youthquake」
- 2017年のコリンズ英語辞書「今年の英単語」は「Fake News」
- 2017年のケンブリッジ英語辞書「今年の英単語」は「populism」
- 2017年のウェブリオ英和辞書「今年の英単語」は「fact」
Merriam-Webster’s Word of the Year 2017 は feminism
Merriam-Webster’s Word of the Year は、ウェブスターのオンライン英英辞書(Merriam-Webster dictionary)における年間の検索状況を手がかりに、「その年を象徴する言葉」を選定する催しです。
Merriam-Webster’s 2017 Words of the Year
そして2017年に選ばれた言葉が feminism です。
feminism とは
feminism は、男女同権の理念に基づき、性差別を払拭し、男性優位の社会の中で抑圧されてきた性の権利を解放しようとする考え方のことです。
日本語では「女性主義」「男女同権主義」「女権拡張運動」などと訳されることもありますが、「フェミニズム」と言った方が通りがよいでしょう。男女同権とか女権拡張といった語では括りきれない意味合いの広さを持つ言葉でもります。
ちなみに feminism の発音は \ ˈfemənizəm \ 。語末の -ism は「イスム」ではなく「イズム」と濁音になります。
feminism は政治的動向と連動して注目度を高めた
Merriam-Webster dictionary では「feminism」の語が年間を通じて最も多く検索され(a top lookup throughout the year)、かつ、世間の出来事と呼応するように何度か突出(spikes)も見られたそうです。
検索数が顕著に突出した時期のひとつが、1月にワシントンD. C. をはじめ各地で実施された「女性の行進」(Women’s March)と呼ばれるデモ。あるいは、ドナルド・トランプ大統領の側近であるケリーアン・コンウェイ(Kellyanne Conway)が「自分がフェミニストだとは思わない」と発言した際にも検索数が急増したようです。
さらに世間が feminism への関心を深めていった
feminism の語は、性的暴行やセクハラ(sexual assault and harassment )のニュースが報じられるにつれ、さらに検索数を増やしていったそうです。女性の多くがソーシャルメディアで #MeToo(私も)というハッシュタグを用い、関連する話題を共有・共感するようになったことも、要因として挙げられています。
関連サイト:
Word of the Year 2017 ― Merriam-Webster
Merriam-Webster’s 2017 Words of the Year
各社版「今年の英単語」も要チェック
「Word of the Year」は、ウェブスター以外の大手辞書メディアも発表しています。特にオックスフォード英語辞書とコリンズ英語辞書は、ウェブスター英語辞書と共に毎年注目されます。
それぞれ選定基準も結果も違います。比較するとまた新しい知見が得られます。
Weblio版「今年の英単語」もご贔屓に
日本では、弊社ウェブリオが「weblio 英和・和英辞典」に基づく「今年の英単語」を発表しています。未チェックの方はぜひ。
「今年の英単語 2017」― ウェブリオ株式会社
Weblio版「今年の英単語」は、日本語圏における英語辞書の検索結果に基づいているため、日本国内の時事ネタに絡むキーワードが候補語に浮上してきたりしています。英英辞書の「Word of the Year」とはまた違った面白さや有益さが見いだせますよ。