2017年のヨーロッパ各国の「今年の英単語」は・・・

「Word Of The Year」(今年の単語)といえば英語辞書メディアの催すイベントが思い浮かびますが、ヨーロッパの放送局ユーロニュース(euronews)が発表している Word Of The Year も興味深いものです。

Word of the year 2017 | Euronews

ユーロニュースは欧州EU圏で放送されているニュースメディアです。2017年現在、12の言語で放送しており、対象国は166カ国、のべ4億3000万世帯で契約・視聴されている巨大メディアです。

ユーロニュース版「今年の単語」は、同社の公式 Facebookページ上で「何が今年を表す言葉か」と質問し、視聴者がコメントで投票する、というアンケート形式で選定されています。11言語で実施され、国別に結果が発表されている点がユニークです。

視聴者の投票で決めるという性質は、他の(英語辞書メディアが発表している) Word Of The Year とは趣を異にします。本音を隠して建前で言葉を選ぶというような要素があるかもしれませんが、世間的なニュースに関した単なる検索数の増減によらない「本当に心に残ったキーワード」が選ばれているという可能性もあります。

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ポルトガル語

Incêndios – Fires

ポルトガルでは今年、大規模な山火事がありました。40万ヘクタール以上の土地が焼失し、100人以上が亡くなりました。


スペイン語

Cataluña – Catalonia

スペインからの独立を目指すカタルーニャ自治州を表す単語が、スペイン語圏では最も注目を集めました。カタルーニャ自治州の問題のみならず、スペイン全体の問題として受け止められているようです。


フランス語

Incertitude – uncertainty

uncertainty は「不安」「不確実」を示す単語です。フランス国民は、世界で明日何が起こるかわからないという不安とフェイクニュースに代表される、メディアへの疑いを感じていたようです。

イタリア語

Ius soli – Birthright citizenship

イタリアの左翼政党が、出生した国の国籍が付与される出生地主義を掲げている一方で、右翼政党は猛烈に反発しています。来年に行われる予定の選挙をにらみ、より注目されるだろうといわれています。

ドイツ語

Jamaika – Jamaica

ドイツ主要3政党による連立の通称が、ドイツ語における今年の単語になりました。3党のイメージカラーがジャマイカの国旗と同じであることに由来しています。結局は交渉が決裂し、連立政権は実現されませんでした。

英語

Covfefe – Covfefe

トランプ大統領がTwitter上でツイートした「Covfefe」という言葉は実在しない単語です。実際は「coverage」と打とうとしたのではないか、などとマスメディアを中心に話題を呼びました。

ペルシャ語

صلح – peace

ペルシャ語圏の視聴者にとって、peace が今年の単語に最もふさわしいと支持されました。ペルシャ語は主にイランやアフガニスタンなどで話されています。

アラビア語

محمد بن سلمان – Mohammed Bin Salman – Crown Prince of Saudi Arabia

今年の単語として選出されたのはサウジアラビア皇太子の名前でした。サウジアラビアの経済政策や紛争問題などの決定権を握る皇太子は中東地域のキーパーソンといわれています。

ロシア語

Вы держитесь – Hold on

hold on はロシアのメドベージェフ首相による発言です。ロシアに統合されたクリミア地域に住む女性が年金について質問をした際、メドベージェフ首相は「ロシアには金はない、だけど持ちこたえてくれ、がんばれ」と語りました。

トルコ語

Mülteci – Refugee

シリアからヨーロッパへ避難する多くの難民がトルコに大きな影響を与えました。トルコがこれ以上移民を受け入れたくないヨーロッパ各国の防波堤となっている見方もあるようです。

ハンガリー語

Soros-terv – Soros plan

ハンガリー政府は、ヨーロッパの各国政府に移民の受け入れを主張する、ハンガリー人投資家のジョージ・ソロスを批判しました。ソロス氏もその後、正式にハンガリー政府の主張に反論しました。


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