英語は英語でも「オーストラリア英語」に特有の単語・フレーズ集

オーストラリアで話されている英語には、オーストラリア独特の特徴、すなわちオーストラリア英語(Australian English)があります。オージーイングリッシュともいいます。

オーストラリアの公用語は英語、イギリス連邦の系譜に連なる国なのでイギリス英語を土台とする英語です。そして、オーストラリア英語には、単語を大胆に省略して語感を軽妙にする傾向が多分にあります。

日本の方言よろしく、英語も地域が違えば言葉にも違いが出てきます。オーストラリア英語を知ると、英語の「正しさ」の捉え方が違ってきて、ちょっと気も楽になるでしょう。

オージー英語の特徴は「短縮して変形する」

オーストラリア英語の第一の特徴として、元々の語彙を短縮・省略して述べるという点が挙げられます。

語尾が -ie や -o になりやすいという点も特徴です。省略する傾向とも相まって、口語的な言いやすさを重視している感があります。

ambo

 =ambulance

ambo は ambulance(救急車) の短縮表現です。単語の後半部分を大胆に省略し、母音を足して流すような語感にしています。

この「単語の後半を省略して語尾に -o を足す」という形は、オーストラリア英語では多く見られるパターンです。

servo

= service station

servo は service station(いわゆるガソリンスタンド) の短縮表現です。service を ambo と同様に《省略+ -o》の形にした言い方で、station の語は単語ごと省略されています。

ちなみに「ガソリンスタンド」は和製英語です。

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arvo

=afternoon

arvo は afternoon(午後) の短縮表現です。省略の仕方は ambo と同様《省略+ -o》の形。綴りが語感に合わせるように大きく変わっていて、もはや原形を留めていません。

barbie

=barbecue

barbie は barbecue(バーベキュー) の短縮表現です。

barbie は単語を省略して語尾に -ie を付けた形の構成です。-ie も -o と同様、オーストラリア英語ではよくある形です。

Aussie

=Australia 、Australian

オーストラリア英語はオーストラリアそのものも略します。Ozzie とも綴ります。

Aussie、Ozzie も共に barbie と同じ《省略+ -ie》型の表現といえます。

mossie

=mosquite

mossie は mosquito(蚊)の短縮表現です。mozzie とも表記します。

choccy

= chocolate

choccy は chocolate(チョコレート) の短縮表現です。複数形は choccies 。

ちなみに、chocolate は字数にして9字、Australia も9字、mosquite は8字。音節はどれもたかだか3音節です。

bickie

= biscuit

bickie は biscuit(ビスケット)の短縮表現です。ちなみに biscuit は7字、2音節です。

「チョコレートビスケット」は choccy bickie 。

sunnies

= sunglasses

sunnies は sunglasses(サングラス)の短縮表現です。

メガネ類(glasses)はレンズが2個1対で備わっているからか常に複数形を取る名詞です。単語を大胆に省略しても、その点は律儀に維持されています。

ちなみに、常に複数形で扱われる英語の名詞としては、ズボンやハサミなどもあります。

英語の「複数形」の変則的な扱い方と単語例

rellie(relo)

= relative

rellie(relo)は relative(親族)の短縮表現です。

sickie

= sick day

sickie は sick day の2語をまとめて短縮した表現です。

sick day(sickie)は、風邪や病気などを理由とする休みの日のことです。

オーストラリア英語の俗な表現では、元気なのに仕事を休む(ズル休みする)ことを chuck a sickie と表現します。

lappy

= laptop

lappy は laptop(ノートパソコン)の短縮表現です。

roo

=kangaroo

roo は kangaroo(カンガルー) を指す語です。

単語の前半部分を省いて語末を残すという省略の仕方は、オーストラリア英語の中でも珍しい部類ですが、語感を重視して省略するのであれば納得はいきます。

そして、かの地では省略表現が生まれるくらいカンガルーが身近な存在です。

bottle-O

= bottle shop

bottle-O は bottle shop(酒屋) の短縮表現です。bottle には「お酒」の含意があります。

酒屋を率直に liquor shop と言ったりもします。

cuppa

= a cup of tea

cuppa は a cup of tea(1杯のお茶) の短縮表現です。

cup of は英語の発音上、リエゾン(リンキング)が生じて cuppa(b) というような音になります。cuppa tea ともいいますが、 tea も省いてしまって cuppa とだけ言ったりもします。

Would you like a cuppa ?
お茶はいかが

オーストラリア英語の特有の語彙

省略表現の他に、オーストラリア特有の語彙とでも言うべき表現もあります。

イギリス英語の口語表現・通俗的な表現をオーストラリア英語もそのまま受け継いでいる例もあります。

ripper

= fantastic

ripper はオーストラリア英語では「素晴らしい」という意味で使われることがあります。

rip はそもそも英語で「引き裂く」という意味、ripper は「切り裂き魔」といった意味で用いられる場合もあり得ます。

snag

= sausage

snag は sausage(ソーセージ) を表すオーストラリア特有の表現です。

snag はそもそも英語では「思わぬ障害」のような意味のある語です。「出っ歯」という意味があったりもします。

tinny

= lucky、a can of beer

tinny はオーストラリア英語では lucky(幸運な)、もしくは a can of beer(缶ビール)の意味で用いられることがあります。

缶ビールという意味で用いる場合、tinny、two tinnies、three tinnies 、という風に複数形を使って数え上げられます。

togs

= swim suit

togs は一般的な英語表現においては衣服(clothes)を指す通俗的な言い方です。オーストラリア英語では特に「水着」を指す語として用いられることがあります。男物の水着も女物の水着もどちらも指します。

dunny

= toilet

dunny はオーストラリア英語ではトイレの意味で用いられます。とりわけ屋外に設置された簡素なトイレ(日本の仮設トイレのようなやつ)を指す場合が多々あります。

yakka

= work

yakka は「労働」を指す名詞です。yacker と表記する場合もあります。

屋外での重労働・肉体的や、困難な仕事や課題などが yakka の主なイメージです。hard で形容して hard yakka のように用いられる場合が多々あります。

tucker

= food

tucker はオーストラリア英語では名詞で「食べ物」を指す語として用いられます。

イギリス英語の口語表現では、tuck に「食べ物」という意味があります。

tuck は名詞および動詞の用法がある英語表現です。一般的な英語表現としては、tuck を動詞として用いて tuck in あるいは tuck into という句動詞の形で「たらふく食べる」という意味を取ります。

No worries.

No worries. は、日本語の「気にするなよ」に相当する意味合いでよく用いられる言い方です。これはオーストラリアでもニュージーランドでもよく用いられます。

オーストラリア英語の No worries. は、おおよそ3つの場面で用いられます。

お詫びの言葉に対する返答

No worries. は、謝られた際に「いいよ、気にするなよ」と返すような場面で用いられます。

I’m sorry I’m late.
遅れてごめん!
No worries!
平気だよ!

感謝の言葉に対する返答

感謝された際に「いえいえ何でもないことです」と返答する意味合いでも No worries. が使えます。

Thank you for helping me!
助けてくれてありがとう!
No worries.
気にすんなよ

心配事を抱えている人への励まし

No worries. は、不安や心配で気を揉んでいるような人に「あんまり心配するなよ」と声をかけるような場面でも用いられます。

I’m worried about the test results.
テストの結果心配だなあ
No worries. You did a great job.
心配するなよ。おまえはよくやったよ

イギリス英語・オーストラリア英語に共通する口語表現

イギリス英語の通俗的な言い方がオーストラリア英語でも同じ意味で用いられる、という例も少なからずあります。アメリカ英語とは意味が食い違うため、ちょっと注意が必要です。

bloke

= guy

bloke は男性を指す言い方です。オーストラリア英語の土台であるイギリス英語でも男を bloke と呼ぶことがあるので、オーストラリアに特有の語彙とは言いにくいかもしれません。

bloke を形容詞化して blokey と表現すると「男らしい」という意味にもなります。

cheers

= thank you,、see you

cheers は一般的には乾杯の音頭(「乾杯!」)の意味で用いられる語ですが、オーストラリア英語ではもっと幅広い場面で気軽なあいさつ文句として用いられる言い方です。

気さくな感謝の表現、あるいは別れ際のあいさつとしても用いられます。これもイギリス英語の俗な用法を受け継いだ表現といえます。

lolly

= candy

lolly もイギリス英語およびオーストラリア英語に共通する言い方で、お菓子やキャンディーを指す語です。lolipop の略。アメリカ英語の candy に相当します。

on the piss

= drank

be on the piss は、いわゆる酔っぱらった状態を指す言い方です。これもイギリス英語・オーストラリア英語に共通する言い方です。

ちなみに、pissed というとイギリス英語では酔った状態を指しますが、アメリカ英語では腹を立てている(怒っている)状態を指します。

yonks

= ages 、 a very long time

yonks は、いわゆる「長い長い間」という意味合いの表現です。1週間や1月といった感覚ではなく数年単位の時間幅が念頭に置かれる言い方です。

I’ve not seen him for yonks.
彼を長いこと見ていない

 

オーストラリア英語の発音

オーストラリア英語は、単語の読み方にも特徴的な部分があります。個人差の範囲に含められる部分もかなりありますが、day を「デイ」よりは「ダイ」に近い読み方で読むといった部分はオーストラリア英語の特徴といえます。

day を「ダイ」に近い音で読む

day の発音は基本的に /deɪ/ であり、あえてカタカナ表記すれば「デイ」に近い音ですが、オーストラリア英語では母音 a を「ア」の音で読み「ダイ」に近い発音になります。

英語学習サイト「FluentU」では、オーストラリア英語の day は「daaey」と同じ音になる、と説明しています。

 

 




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