ここがポイント
- speak:「言う」。聞き手を必要としない + 話す「行為」に焦点が置かれる
- say:「発言する」。聞き手を必要としない + 話す「内容」に焦点が置かれる
- talk:「話し合う」。聞き手を必要とする + 話す「行為」に焦点が置かれる
- tell:「伝える」。聞き手を必要とする + 話す「内容」に焦点が置かれる
英語で「話す」「しゃべる」という意味の動詞は沢山あります。基礎的な語彙だけでも「speak」「say」「talk」「tell」などがあります。
この「speak」「say」「talk」「tell」は、いずれも「伝達動詞」と呼ばれる種類の単語です。そして、【1】聞き手(話し相手)の存在を想定しているかどうか、【2】話す行為と内容のどちらに焦点が置かれているか、という2つの要素を手がかりに、使いどころを判別できます。
たとえば speak は、聞き手の存在は特に問わず、話す内容よりも「話すという行為」に焦点を当てる言葉です。そのため「英語を使って話す」は speak English と表現するわけです。
speak
speakは、声、音を出して話す、ものを言うという意味です。話し手が一方通行にものを言うという意味合いがあるので、聞き手の存在は想定されていません。
言語そのもの(English、language、word)を話す、という場合には、この speak が用いられます。
人に向かって speek を使う場合は speak to +人 の形になり、話す内容が続く場合は speak about+内容 の形となります。
Please speak more slowly
もう少しゆっくりお話ください
Would you speak to us about political views ?
政策上の展望についてお話いただけますでしょうか
The President speaks on the White House.
大統領がホワイトハウスで演説をします
say
sayは、何か意味のある言葉や単語を発するという意味です。声に出して言うという意味の speak とは違って、話す「内容」に焦点が置かれています。そのため、say の目的語には「発言した言葉」が来ることになります。
say は手紙や新聞など人でないものを主語にとって「~と言っていた」とする場合にも使えます。
He didn’t say anything to me.
彼は私に何も言わなかった
He said ”hello” to me.
彼は私に「やあ」と言った
talk
talk は、相手と言葉のキャッチボールをしながら話す行為というやりとりの意味合いが強い動詞です。2人以上で話し合うときも talk を使います。
聞き手がいないと「話し合い」は成り立ちません。talk は必ず話し相手の存在を前提します。
I talked with my husband about child’s education.
子供の教育について夫と話し合った
We talked on the phone.
私達は電話で話した
tell
tell は、人に情報を伝える、知らせる、語るという意味です。tell も伝える相手がいないと動作が成立しない、つまり聞き手の存在を念頭において用いられます。ただし talk とは違い、話す行為そのものよりも話す内容の方に焦点が当てられています。
Please tell me the details.
詳しくお聞かせください
I’ll tell you a special secret.
君にとっておきの秘密を教えましょう
He told us about his own experience.
彼は自身の経験を我々に語った
「英語で話す」を speak ・ say ・ talk ・ tell で言い換えてみる
「英語を話す」は speak Englishですが、これに他の動詞を当てはめることは可能か? 試しに考えてみましょう。
speak English → ○ 「英語を使って話そう」が伝わる
互いに英語で言葉を発しよう=英語で話そう=使用言語を英語にしよう、という意味が伝わる正しい表現です。
say English → △ 誤解される
文字通り「《English》という単語を言う」という意味になります。
英語を使って話そうよと言いたくて「say English !」と言ったなら、きっと相手は「English!」と明るく答えてくれるでしょう。
talk English → × 通じない
talk English は英語表現として成立しません。
ただし、in を挿んで talk in English とすると「英語で話す」の意味が正しく伝わる表現にできます。
tell English → △ 誤解される
tell の後には「人」が続きます。つまり、tell English は「イングランド人に何かを伝える」という意味になってしまいます。
イングランド人に何かを伝える場合にも、tell English に続けて伝達内容を述べる必要があります。