英語「many men」と「many a man」の意味の違いと使い分け方

形容詞「many」には、many men のようにシンプルに名詞に係る言い方の他に、many a manmany a time のように冠詞を伴って「many a + 名詞(単数形)」という形を取る言い方があります。

日本語に訳して理解を試みるような思考プロセスでは、「many ~」と「many a ~」のニュアンスの違いはどうしても 見落としがちになってしまいます。

many a ~ という表現に出会ったら、少しニュアンスに注意して読み進めてみましょう。

many men は「人々」、many a man は「個々人」

「many a + 名詞」で示される場合、many(たくさん)の意味に加えて、名詞で示される対象を個々に指し示すニュアンスが加わります。

たとえば 「many a men」なら、たいていは「多くの人が」のように訳せてしまいますが、そこには「たくさんの人々、その一人ひとりが」というようなニュアンスが含まれています。

同様に「many a time」も、many times と同じく「何度も」と訳せてしまいますが、細かく言えば「その時々」「そのつど」 「幾度もの機会の、その度ごと」といったニュアンスを含みます。


「many」と「many a」には文法的な違いもある

文法的には、「many ~」に続く名詞は複数形となり、「many a」に続く名詞は単数形となる点に注意が必要です。

また、「many ~」に続く名詞は《可算名詞》のみですが、「many a ~」は可算名詞も不可算名詞も形容できます。

「many a」は文語的表現の趣が強く、日常英会話で見聞きする機会はあまり多いとは言えません。しかしながら、こうしたニュアンス差を知っておくと、類似の表現「lot」のニュアンス差の理解も捗ります。


「a lot of」と「the lot of」

「多くの」を意味する形容詞であり、冠詞づかいでニュアンスが変わる表現という点では、「a lot of」と「the lot of」も併せて覚えておきたい表現です。

「a lot of」は「many」と同じように「多数(たくさん)の」という意味ですが、「the lot of」となると「全部の」という意味になります。

不定冠詞「a」は不特定の対象を指し示し、定冠詞「the」は特定の対象を指し示します。すなわち、「a lot of」は不特定多数のまとまり(=たくさん)を指し、「the lot of」は特定のまとまり(=全部)を指すというニュアンス差が出てきます。

「a lot of」と「the lot of」には文法的な差異は特にありません。

「the lot of」と「the lot」

「the lot of」と似た表現に「the lot」を挙げることもできます。the lot は「全部」を意味する名詞です。たとえば「That’s the lot.」(それで全部だ)のように用いられます。「the lot of」とは登場する場面が異なるので、混同することはないでしょうが、「the lot of」と併せて把握すると「the lot」のニュアンスも正しく理解できます。


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