猫(ネコ)は古今東西を問わず、人が愛情を注いでやまない動物。Twitter では #cat や #kitten あるいは #CatsOfTwitter のようなタグをつけて、世界のネコ好きがひねもすノロケまくっています。
日本人のネコ好き度合いはどちらかといえば濃厚。日本の「猫カフェ」や「猫島」の存在は、海外でも知る人ぞ知る、ネコ好きのメッカになっています。
自分ちのネコの様子をSNSに投稿する際、英語の簡単な補足も加えてみてはいかがでしょうか。きっと普段とは違った人たちにも届くはずです。
「猫」の呼び分け方
ネコは基本的に cat
ネコを指し示す場合は cat と表現すれば通じます。
通俗的な表現としては puss や pussy という単語もあります。ただし pussy は他の(ちょっと卑猥な)アレを指す隠語として使われることが多々あり、昨今ではネコを指す言い方としてはむしろ避けられる傾向があります。
子猫はkitten
子猫、まだ幼いネコは、cat でもまあよいのですが kitten と呼ぶ方が一般的です。
どの範囲を子猫というかの境目は曖昧ですが、品評会などでは「生後9ヶ月未満」を子猫として規定している場合があります。
kitty は kitten の幼児語表現で、小さい子どもと話す場合にはよく使われる表現です。大人どうしの会話は避けたほうがよいでしょう。
オス猫とメス猫
ネコの雌雄は male および female と表現できます。オス猫は male cat 、 メス猫なら female cat 。
俗な表現としては、オス猫を tom (tomcat)と呼ぶ言い方があります。また、メス猫は she-cat と呼ばれることがあります。
彼または彼女
ネコを代名詞で呼ぶ場合には性別に合わせて he または she と呼ぶ言い方が普通です。
昨夜この子が最高にかわいい赤ちゃんを2匹産んだよ
動物の固体として見ればネコを指す代名詞は本来 it ですが、ペットとして飼われているネコを it 呼ばわりする場合はそうそうありません。
毛並みによる呼び方の違い
英語にも、ミケや茶トラのように毛色や柄によって呼び分ける言い方があります。
トラ猫&ブチ猫
毛に縞模様のあるネコを総称してトラネコ(虎猫)といいますが、英語ではトラは tabby (tabby cat)といいます。
tabby は、いわゆる縦じまのストライプだけでなくマダラ模様のブチネコ(斑猫)も含む表現です。
「茶トラ」(赤猫)は red tabby
茶系の毛色のトラ猫。
「キジトラ」は brown tabby
濃茶~黒の暗色を中心とするトラ猫。
「サバトラ」は silver tabby
青灰色に黒を差し色とする明るめの毛色のトラ猫。
オレンジ系の濃い茶トラは marmalade cat とも
黄色がかった茶色の濃淡が際立つ茶トラは marmalade (マーマレード)と形容されることもしばしば。
トラ猫の中でも特に虎柄に近い茶と黒のトラは tiger cat と呼ばれることもあります。
三毛猫
「三毛猫」は英語で tortoiseshell cat と呼ばれています。
tortoiseshell は「亀の甲羅」および「べっ甲」のことです。鼈甲の色や模様に例えた表現。
同じく calico も三毛猫を指す語として用いられます。布の種類を指す「キャラコ」と同じつづりです。
ウチの小でぶなミケは人間の赤ちゃんみたいに私の顔を足でたたくの
猫の鳴き方
ニャーと鳴く
ネコの鳴き声について、日本語の「ニャー」に相当する擬音表現としては mew という言い方が英語にもあります。 go mew で「ニャーニャーと鳴く」という動作を表現できますし、mew を動詞として使う場合もあります。
Cats go mew, mew and try to get attention.
猫達が気づいて欲しそうに、にゃーにゃーと鳴いている
My kitten looks sleepy but he opens his eyes and meows.
うちの子猫ちゃんは眠そうにしていたけれど、目を開けてニャーと鳴くの
ノドを鳴らしてゴロゴロ
リラックスしている際などに喉元をわずかに振動させて低くゴロゴロと音を出すさまは、purr と表現します。発音は /pə:/ 。
purr は動詞(「喉をならす」)としても名詞(「喉をならす音」)としても使われます。
猫がゴロゴロと鳴いて、脚にじゃれついてきた
威嚇してシャーッと言う
怒って威嚇している場合に出すフーとかシャーッという声は hiss と表現されます。これを動詞で使うと、「シャーッと威嚇する」「怒る」という意味になります。
子猫はあなたの犬にシャーッと威嚇した
猫の仕草を英語で表現
尻尾を振る = wag
wag は何かを早く、繰り返し振ることを意味します。特に、尻尾や指を振る際に使われます。「尻尾を振る」と言いたい時には、wag a tail と言いましょう。
うちの猫は嬉しいときに尻尾を振ります
「尻尾を振る」と訳される英語表現には butter up という表現もあります。しかしこれは日本語の比喩表現としての「尻尾振り」に対応する英語で、意味としては相手に媚を売ること、ゴマすり、おべんちゃらといった内容です。猫が尻尾を振る様子を示す場合には使われません。
引っかく = claw
claw は、動物や鳥の尖った爪を指します。これが動詞で使われると、「引っかく」という意味になります。特に、猫や鳥など、先の尖った鋭い爪を持っている動物に対して使われています。
「引っかく」という意味の動詞は、他に maul や scratch などがあります。
maul は、claw よりも攻撃的で、「引っかいて傷つける」という意味があります。
scratch は、「軽く引っかく」という意味です。動物にも人間にも使われます。
噛む = chew など
犬や猫には噛み癖があります。物への噛み癖は chew や gnaw、人への噛み癖は bite のように使い分けられているようです。
bite は、歯を使って何かを噛むときに使います。動物にも人間にも使います。ちなみに、「甘噛」は soft biting です。
彼の猫、時たま知らない人を噛んじゃうの
gnaw は、何回も小さく bite すること、しつこく bite し続けることを意味します。
大きなボールを噛んでいる猫を見た
chew は食べ物を飲み込みやすくするために、歯を使って噛むことを意味します。また、gnaw のように、しつこく bite し続けることも意味します。
How to stop cat chewing?
どうやったら猫の噛み癖をなおせるのでしょうか?
My mother found a cat chewing up her favorite pair of shoes.
母はお気に入りの靴下を猫が噛んでいるのを見つけた
He likes the new chew toys. He plays with it for hours!
彼は噛むための新しいおもちゃが気に入ったみたい。何時間もこれで遊んでいるの!
爪を研ぐ =sharpen claws
英語では sharpen ones’s claws です。
子猫が爪を研ぐ
毛づくろいする = groom
groom oneself は「きちんと身づくろいをする」という意味になります。猫などの動物に対しては「毛づくろいをする」という意味で使われます。
うちの猫は、向こうで毛づくろいしているのだよ
ハコ座り
体を起こしたまま、前足を組んで胸元に収納する、独特の座りかた。日本語では俗に「箱座り」や「香箱座り」と呼ばれたりします。英語ではこれを loaf と表現します。
loaf はパン1斤、またはそれに似た四角いかたまりを指す表現です。
loaf の語順や用法はさまざまで、cat loaf や loaf cat 、あるいは loafing などのような使い方もされています。
うちのシャムネコが私のそばで香箱座りをしている
スコ座り
人間があぐらをかくような格好で、足を開いて尻で座る姿勢。俗におっさん座りとかオヤジ座りとか呼ばれています。スコティッシュフォールドが特によくやる座り方でもあり「スコ座り」なんて呼ばれたりします。
英語では、ブッダの坐法に見立てて Buddha (sitting) pose のように言う呼び方があります。
おっさんのアグラでなくて釈迦牟尼の結跏趺坐だったのかと考えると高尚なポーズにも見えてきますね。ええ見えてくるに違いありません。
ただ、スコ座りでなくて、単におとなしく腰を下ろしている(しゃがんでいる)姿を Buddha と形容している場合もあります。もしかすると西洋人の感覚では、椅子を使わず地面に腰を落ち着けている姿が《仏陀スタイル》と映るのかもしれません。ただの憶測ですが。