英語の「動物名に由来する形容詞」と「比喩としての動物名」

動物は、しばしば人柄・性格の比喩として用いられます。たとえばキツネ(狐)は《狡猾》のイメージ。英語には、動物名(名詞)に接尾辞を加えて「~のような」という形にして、「foxy(キツネみたいな)= ズル賢い」と形容するような言い方が結構たくさんあります。

動物の典型的イメージは「羊 → 臆病」「象 → ばかでかい」という調子で、おおよそ素直に納得できてしまえます。とはいえ、念のため意味を照会して確認しておきましょう。

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目次

動物名から派生した形の英語の形容詞

動物名に -y や -ish、-like などをつけることで、形容詞として使われている単語があります。動物名から派生した形容詞の特徴として、それらの多くはネガティブな意味を持ちます。唯一の例外といってもよいのが、lamb(子羊)を使った lamb-like でしょう。lamb-like は「優しい」「無邪気な」という意味で使われます。

catty は「意地悪」

cattycat(ネコ)から派生した形容詞です。catty(ネコのような)、と聞くと可愛らしい人をイメージしますが、英語では「優しくない」「意地悪な」という意味で使われています。

ratty は「みすぼらしい」

rat は尻尾が長く、やや大きめのネズミです。家屋で食べ物を漁ったりするため、人からは嫌われています。そんな rat から派生した ratty は「みすぼらしい」という意味で使われています。また、イギリスでは「イライラした」という意味でも使われているようです。

She was a bit ratty with her children.
彼女は子ども達のせいでイライラしていた

mousy は「神経質な」

mouse は rat よりも小さなネズミです。mouse から派生した形容詞 mousy は、「臆病な」「神経質な」という意味で使われています。同じく「ネズミ」を意味する rat から派生した ratty とは意味が全く異なるので注意が必要です。

horsey は「(見た目が)馬のような」

horsey は「馬のような」という意味の形容詞です。特に、人の見た目を悪く言うときに使われます。馬のようなうるさい笑い声は horsey laugh、馬のような縦長の顔は horsey face です。「馬のような」は、equine とも言います。equine はラテン語で「馬」を意味する equus が語源です。

The portraits showed us her long horsey face.
肖像画によって、彼女の馬のような長い顔を見た

doggy は「(見た目が)犬のような」

doggy は見た目や行動が犬のようであることを表します。また、canine も同様の意味で使われています。ラテン語で「犬」を意味する canis が語源です。

My sister has doggy brown eyes.
妹は犬のような茶色の目をしている

goosey は「バカバカしい」

goose(ガチョウ)は、なぜか「頭の悪い」イメージが付いています。goose から派生した goosey または goosy は「バカバカしい」「愚かだ」という意味で使われます。「Don’t be goosey!」で「バカバカしいことを言うな!」です。

piggy は「強欲な」

pig(豚)は、餌をがつがつ食べることから、貪欲なイメージが付いています。piggy は「豚のようにがつがつ食べる」「強欲な」という意味の形容詞です。特に、男性に対して使われています。

sheepish は「気の弱い」

sheep(羊)から派生した sheepish は、「気の弱い」「おどおどした」という意味で使われています。何か間違ったことをしてしまい、恥ずかしいとき。そんな時に見せる、気まずい笑い顔を sheepish smile と言います。

He gave me a sheepish smile.
彼は私に恥ずかしそうなおどおどした笑顔を向けた

bullish は「愚かで頑固な」

bull は牛の中でもオスの牛を表します。雄牛の荒々しいイメージから、bull の形容詞 bullish は「愚かで頑固な」「自分勝手な」という意味で使われています。

That old man is bullish by nature.
あの老人は生まれつき頑固で自分勝手だ

wolfish は「欲望の強い」

wolf(狼)は、昔から家畜(羊とかヤギとか)を盗む悪い奴として捉えられてきました。そのため、wolf の形容詞 wolfish は「強欲な」「好色な」という悪い意味で使われています。

I don’t like him. He gave her a wolfish grin.
彼って嫌な感じ。彼女を見ていやらしく笑ったの

weaselly は「油断できない」

weasel(イタチ)は、ネズミなどの小動物を狩る肉食動物です。ペットとして人気なフェレットやオコジョも、イタチに含まれます。可愛らしい姿をしていますが、海外では家畜を襲う嫌な動物として見られてきました。そのため、weasel の形容詞 weaselly は「油断できない」「狡猾な」という意味で使われています。

foxy は「狡賢い」

fox(キツネ)から派生した foxy は、「狡賢い」ことを表します。日本の物語の中でも、キツネは人間を騙す存在として描かれてきました。また、「狡賢い」だけでなく、女性に対して使う際には「性的に魅力的な」という意味でも使われます。男性を騙すような魅惑的な女性を指して使うのです。

elephantine は「巨大な」

elephantineelephant(象)から派生した形容詞です。象の見た目からも想像が付くように、elephantine は「巨大だ」という意味で使われています。ただし、あまりポジティブな意味で使われることはなく、大きさをバカにするときに elephantine を使うことが多いようです。また、「重々しい」「無様だ」という意味で用いられることもあります。

I saw an elephantine creature but it was not an elephant.
象ではないけれど、象のように大きな生き物を見た

froggy は「心配でそわそわした」

froggy は「心配でそわそわした」という意味の形容詞です。frog(カエル)がジャンプしている様子を、心配でそわそわしている様子に重ねたと言えます。また、froggy は「フランス人」の蔑称として使われることもあります。

reptilian は「陰険な」

reptilian は「爬虫類の」という意味の他に「卑劣な」「陰険な」という意味でも用いられることのある語です。

reptilian は《reptile +-an》という構成の語。reptile は「爬虫類(に属する生物)」を指す単語です。あるいは reptile を「卑劣漢」という意味の名詞として用いたりもします。

reptilian は陰険・薄情・冷酷・酷薄といったジメジメした性質というイメージで捉えられるでしょう。

「爬虫類」というとピンと来にくいものの「トカゲのような」と言い換えてみると日本語的にもそれっぽいイメージが湧きます。

catlike は「こそこそしている」

catlike は「忍び足の」「こそこそした」という意味で用いられることのある語です。

catlike は《 cat+-like 》で「ネコみたいな」と述べる語です。ネズミ等の獲物に忍び寄る姿が連想される表現と解釈できそうです。

lamb-like は「穏やかで優しい」

lamb-like は「子羊(lamb)のような」という意味の語で、穏やかで優しい人柄を形容する場面で用いられることのある表現です。

子羊は無邪気・従順・柔和・臆病といったイメージのある動物で、キリスト教的には神に捧げられる存在の象徴でもあります。迷える子羊ちゃんなわけです。

動物に喩える形容詞は全般的に悪辣というか否定的な意味の表現ばかりなのですが、lamb-like は数少ない全面的に肯定的な表現といえます。

ostrich-like は「現実逃避する」

ostrich-like は「現実逃避する」という意味で使われることのある表現です。

ostrich はダチョウ(駝鳥)のこと。ダチョウは砂の中に頭を隠す習性があるそうで、頭隠して尻隠さず的な構図が想起されるようです。

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mulish は「頑固な」

mule(ラバ)は、horse(馬)と donkey(ロバ)の間に生まれた子どものことです。horse も donkey も、どちらもあまり良いイメージをもたれていません。mule の形容詞 mulish も「頑固な」「強情な」という悪い意味で使われています。ちなみに、mulish の名詞 mulishness は「片意地を張ること」を意味します。

That boy was mulish and kept silence.
その男の子は強情で沈黙を貫いた

bearish は「荒々しく乱暴」

bearish は「クマのような見た目の」「クマのように振舞う」という意味で使われています。「クマのよう」とは、荒々しく乱暴な様子、無作法な様子を指します。女性に対して使われることは稀で、主に男性に対して使われている表現です。

squirrelly は「常軌を逸した狂人」

squirrelly は、squirrel(リス)から派生した形容詞です。おおむね mad(狂っている)、 eccentiric(常軌を逸した)と同じ意味で使われます。

リスの忙しない慌しい動きが尋常でない様子を思わせるのでしょう。

sluggish は「のろい」

sluggish は「のろい」「怠惰な」という意味の形容詞です。slug(ナメクジ)の緩慢な動きが喩えられているわけです。

A heavy dinner makes me sluggish.
夕飯たくさん食べちゃったから動きが遅くなるよ

waspish は「怒りっぽい」

wasp は「ハチ」を意味します。ミツバチよりも大きく、スズメバチのような大き目(なおかつ攻撃的)のハチ全般を指しています。wasp から派生した形容詞 waspish は、怒りっぽい人、文句の多い人を表します。ハチがブンブンとうるさい様子を、怒っていちゃもんをつける様子に重ね合わせたのでしょう。

antsy は「不安でそわそわした」

ant は「アリ」を意味する単語です。ant から派生した antsy は、動揺や不安によって、そわそわと落ち着かない様子を表します。主に北アメリカで使われている表現です。不安でイライラした様子を表す have ants in one’s pants というイディオムから派生したのではないかと言われています。

snaky は「怒っている」

snake(ヘビ)から派生した snaky は、イライラしている人、怒っている人を表します。be snaky about で「~が~について怒っている」です。snaky は、主にニュージーランドとオーストラリアで使われています。

hawkish は「強硬論者の」

hawkish  は hawk(タカ)から派生した形容詞です。日本語でいう「タカ派」と同様、強硬な姿勢をあくまでも貫こうとする頑迷固陋なさまを指す語として用いられます。

タカは「大きい」「速い」「つよい」といった英雄的なイメージでも捉えられそうなものですが、「タカみたいな」と喩えられる場合には「融通の利かない」程度の否定的なイメージが念頭に置かれます。

hawkish  と対になる語は dovish 。すなわち、タカ派に対する「ハト派」です。


動物名で人柄を表す名詞

動物名そのものが、人柄を表すこともあります。例えば lion は、いわゆる動物園のネコ科の肉食動物「ライオン」を表すだけでなく、「力や地位のある人」を指して使われることもあります。「be a ~」、「like a ~」の形で使われることが一般的です。

lion は「重要人物」

lion(ライオン)は、地位や力のある人を指して使われます。日本語では「権力者」「重要人物」を約されるようです。また、文学界の巨匠は literary lion と言います。お決まり文句なので覚えておくとよいでしょう。強いライオンが男性的に見えることから、主に男性に対して使われます。

tiger は「強い男性」

tiger(トラ)も lion と同様に、ポジティブな意味で使われます。意志の強い人、力の強い人を表します。

bunny は「健康的な若い女性」

bunnyrabbit(うさぎ)を可愛らしくした表現です。主に若い女性に対して使われる表現で、スポーツなどをしている健康的な女性、気まぐれだけれど魅力的な女性などを表します。

bee は「働き者」

bee(ミツバチ)は蜜を集めるために動き回っています。その様子から「働き者」という意味で使われることがあります。通常、as busy as a bee(ミツバチのように働く・忙しい)というイディオムが使われています。

eagle は「明敏な」

eagle(ワシ)は、些細なことでも気が付く人を指して使います。ワシは高いところから下にいる獲物を見つけられることから、このような意味で使われるようになったのでしょう。

He watches subordinates like an eagle.
彼は彼の部下をつぶさに観察している

beaver は「勤勉な人」

beaver(ビーバー)は、「仕事熱心な人」「勤勉な人」を表します。busy eager などの形容詞と一緒に使われることが多いようです。

You are such a busy beaver. When do you take a break?
君は本当に勤勉だね。いつ休みを取っているんだ?

shark は「搾取する人」

shark(サメ)は「搾取する人」を表します。hawk(タカ)と同様の意味です。特に利益や利点を求めて他人を蹴落とすような男性に対して使われます。

trout は「老いた醜い女性」

trout は魚の「マス」を意味する単語です。人を表す際には「老いた人」、特に「醜い女性」という意味で使われます。「カラス」を意味する crow も、「老いて醜い女性」を表す単語です。

monkey は「行儀の悪い人」

monkey(サル)は、行儀の悪い人を意味します。特に、躾がなっていない子どもに対して使われます。

Put that down and come here, monkey!
それを置いてこっちに来なさい、行儀が悪い子だね!

gorilla は「がっしりした人」

gorilla(ゴリラ)は、がっしりとした体型で、強そうな見た目の男性を表します。gorilla に特別悪い意味があるわけではありませんが、you look like a gorilla!(君ってゴリラに似ているね!)と言われて素直に喜ぶ人はいないでしょう。見た目が厳つい人をバカにするときに使われるのではないでしょうか。

dog は「情けない人」

dog(犬)はペットとして人気もあり、悪いイメージを持つ人も少ないでしょう。しかしながら、dog は不愉快な人や情けない人、意地悪な人を表すことがあります。これ意味は、町をうろつく野良犬のイメージから来たのでしょう。

ape は「大きくて醜い人」

ape(サル)は、monkey よりも体格の大きいサル全般を表す単語です。不良少年や、腕っ節の強い男性、また大きくて醜い男性を表すこともあります。

vulture は「他人の不幸を食い物にする」

vulture はハゲタカまたはハゲワシを指す語です。経済の分野で「ハゲタカファンド」とか言う場合の「ハゲタカ」の意味と捉えてよいでしょう。

ハゲタカは動物の死肉・腐肉を食べる鳥であり、死体に群がる不吉で忌まわしい存在というイメージがつきまといます。他人の困窮・逼迫の副産物として生じた利益をむさぼるような人や企業がハゲタカに喩えられます。

ass は「無能」

assdonkey(ロバ)の古い言い方です。主に男性に対して使われ、「バカ」や「無能」を意味します。ちなみに、donkey も「バカで間抜けな人」を表します。古い言い方にしろ、新しい言い方にしろ、ロバに良いイメージはなさそうです。

pigeon は「騙されやすい人」

pigeon(鳩)は、騙されやすい人、またギャンブルや詐欺の被害者を指します。主に北アメリカで使われている表現です。





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