英語の勉強方法にも色々あり、今やっている方法が本当に最適な学習方法なのかという自問は常につきまとうものです。特に、自分なりの英語学習スタイルが見つかるまでは頭を悩ませる問題といえます。
ひとつオススメしたい考え方として、スポーツにおけるトレーニングの考え方や方法論を英語学習のプロセスに当てはめて、「ウォーミングアップ → 練習 → 実践」のような3段階で構成する方法があります。
ウォーミングアップ
自分の知識をつど把握する
毎回の学習に先立ち、まずは自分が持つ英語の知識の程を確認するところから始めましょう。
これは自分の英語力を確認し、また、直前の学習で新たに獲得した知識や理解を確かなものとする点で有効です。
- よし、昨日覚えた単語がもうバッチリだ。
- あちゃ~覚えたはずの単語の意味を忘れてる。
- 未だにコレが理解できていない。今日こそは。
確認・復習によって出てきた自己評価は良い内容かも知れないし悪い内容かも知れません。どちらにしても、今日これからの学習の課題を浮き彫りにしたり、意気込みを新たにしたりする点で効果が見込めます。
具体的な確認方法は、学習内容によっても違ってきます。例としては、文章の穴埋め問題や短文読解などが載っているシンプルな構成の問題集を解くといったやり方が挙げられるでしょう。こうした問題は英文理解の基礎となる単語力や読解力を比較的手軽に確認できます。
学習効率は次第に加速度的に伸びる
良質な教材や効果的な学習法によって英語知識を多く身につけても、活かす機会がないと成果が実感できずモチベーションが維持できません。逆に言えば、自分の知っていることを「あ、これ知ってる」と実感できる機会があると、もっと勉強してやろうという意欲に結びつくものです。
「これ知ってる」と言える内容が徐々に増えるにつれ、当初は「あれもこれも知らない」状態だったものが「これもそれも分かる。ただ、これだけは知らなかった」という状態に変わってきます。こうなったらしめたものです。
練習
新しい知識を吸収する
ウォーミングアップ後の「練習」に位置づけられる学習が、いわゆる英語の学習にあたる部分です。英語学習法は問いません。自分に合った方法、自分がやりたい方法を選んで学習に励みましょう。
ここで学習した内容は次に勉強を再会する際のウォーミングアップで復習することになります。何を学んで何を学びそびれたかを確認できるように、要点と思われる部分をメモして用意しておきましょう。
練習の段階で何を行っても「知らなかった」を吸収することを目指しましょう。次回のウォーミングアップで確認できる知識が、格段に増えます。
実戦
成長の確認
3段階の最後に位置づけられる「実戦」は、自分の英語力の成長を測るために行うもの、いわば腕試しです。ひんぱんに実施する必要はありませんが、ある程度の期間をおいて定期的に行えると理想的です。
腕試しの方法は何でも構いません。ただ、得点・スコアのような明確な判定が下されるものが適当でしょう。
複数の実践を併用しても構いません。例えば、英語圏の(英語ベースの)オンラインのタイピングテストで毎日ちょっとした腕試し、そして半年ごとか四半期ごとにTOEICやTOEFLのような英語能力試験を受験する、といった取り組み方もありでしょう。
時間を測って行う
この実戦では「時間を測る」ことが重要です。腕試しの方法を問わず、必ず「時間」を測るようにしましょう。
時間を計測するべき理由は2点。ひとつは、常に同じ条件で成果を測るため。もうひとつは、限られた時間で成果を出すようクセづけるためです。
決められた時間内に最大限に英語知識を発揮することは、英会話の中で必ず求められる要素です。最終的に目指す英会話スキルは、英文を見聞きすると瞬時に理解して思考と同時に発話するという瞬時の反応です。「じっくり考えたら正解できたので◎」ではなく、「すぐに正答できなかったので×」と捉えて次回への反省につなげるべきです。
ゴール設定と1回ごとの成果実感が継続のカギ
良質の教材や自分に合った学習方法を見つけることは確かに重要です。それと同じくらい、毎回の勉強のゴールや成果が確認できる体制は大切です。先が見えず現在位置も見えない行程はすぐに息切れを起こしてしまいます。
まずはあの電信柱を目指す
ジョギングなどでも「あの電柱をまずは目指そう」というように小さなゴールを設定する走り方があります。はるか彼方のゴールを目指すとなると途方もなく遠く感じて挫けたくもなるが、そこに見えているモノまでなら頑張れば行けそうな気がする、そうして到達できたらさらに少し先に見えている目標を小さなゴールとして目指す、という走り方です。
言語は多量の知識を獲得してはじめて満足に使えるようになる、まさに「千里の道」です。まず1歩、そして1歩、着実に歩みを進めていることを確認しながら、ゴールを目指しましょう。