英語の「独学」の考え方と、独学による英会話上達方法

英語を学び、話せるようになるためには、いわゆる独学は必須といえる要素です。

ここでいう「独学」は、取り立てて奇抜なユニークな勉強法を指すものではありません。また、英会話スクールやオンライン英会話の授業・レッスンと相反するものでもありません。「自習」と言い換えてしまってもよい程度のものです。

言葉の習得には、学習方法にかかわらず、ある程度の学習量がどうしても必要です。もちろん学習方法によって学習効率は大きく違ってきます。英語における独学は「学習量の確保」と「自分なりの効率化」の2つの重要な側面があります。

そのような点を踏まえつつ、改めて英語独学に対する考え方と独学の方法とを見直してみましょう。

英語学習における独学とは

独学の一般的な定義の認識は 《自分なりの方法で学習すること》 でしょう。これは学校や教師に指導を仰ぐ学び方と対比されます。

英語学習においては、「独学」を少し違った風にとらえる必要があります。学校や教師に指導を仰ぐ学び方とは対立しませんし、取り立てて「我流の様式」といった要素があるわけでもありません。

「独学」は「レッスン」に先立つ学習法

英語学習における独学は、通学(レッスンを受ける学び方)と二者択一・どちらか一方を選ぶという類のものではありません。さらに、「独学・独習は学校で学んだことを補強するための取り組み」という考え方も、適当ではありません。

英語の独学は、日常の中でその言葉を使えるように実践を積むことです。

その意味で、独学は英語学習の「前提」であるとさえ言えます。

英語を話せるようになるためには、学校で学ぶよりも独学を通じて練習を積むことがむしろ重要です。

英語学習においては、むしろ独学こそ必要で、学校(レッスン)は独学を補強する方法として併用できる、と、まずは認識しましょう。

英語の習得には授業+1000時間ほど必要

英語で自在に話せるようになるためには、相応の学習と練習が必要です。学校の授業だけでも「いくらか読み書きできる」レベルには到達できますが、言語の習得・獲得となるとまた次元が違います。

米国の調査資料「Language Learning Difficulty for  English Speakers」によると、「英語のネイティブスピーカーが日本語を学ぶ」場合に必要とされる学習時間の目安が、おおむね「2200 時間」ほどだそうです。

Language Difficulty Ranking – Effective Language Learning

ベネッセ教育総合研究所は、カナダの言語教育研究が報告した「バイリンガルになるには 5000 時間 ほど必要」というデータを紹介しています。

ベネッセ教育総合研究所の同じ紹介記事によれば、日本の学校教育における英語の授業は小・中・高・大学まで含めても合計 736時間(※2006~2007年度の調査結果に基づくデータ )

つまり、英語を習得するには、学校の授業を前提してさらに1000時間レベルの英語学習に取り組む必要があるのです。

英語学習を積み重ねるイメージ
もちろん机にかじりつく学習方法が全てではありません

英語独学の具体的な上達法

学習方法にも色々な考え方があり方法があります。洋書やニュースで英文を読む、ポッドキャストで音声を聞く、動画コンテンツで視覚的に音声を聞く、等々。それぞれ長所があり、やって損はない上達法です。

どのような学習方法を選ぶにせよ、心がけておくべき点は、英語は「身につけるもの」であり「使い慣れるもの」であるという点ではないでしょうか。

英語に慣れ、身についたと言えるようになるためには、「英語を英語として理解する」ことが必要です。

いきなり無理難題をふっかけるような話ですが、これを意識するかしないかで後々の「伸び方」が違ってきます。

受験型英語から卒業する

学校を卒業して、大人になってあらためて英語を学び直す、というときに陥りやすい罠が「受験型の勉強方法」とでも言うべき勉強方法を続けてしまうことです。

受験型の勉強方法とは、つまり、単語や文法といった知識をひたすら詰め込むような勉強法です。これも学習方法としてある程度の効果はあるでしょうが、効率的な英会話スキルの上達法とはいえません。

文法的知識はおそらく学び直す必要はないはずです。単語力は単語だけ独立して覚えてもあまり役立ちません。むしろ、英語の文章を(日本語化して「読解」するような姿勢ではなく)あくまで英文として接することができるように学習姿勢を変える必要があります。

インプットと共にアウトプットを意識する

英文を英文のまますんなり読めるようになる、そんな状況にいち早く到達するための上達法の秘訣は、インプットとアウトプット両方を練習することです。秘訣というより必須事項といった方が良いかもしれません。入出力をバランス良く勉強することが大事です。

アウトプットの練習がすごく不足している

英語学習におけるインプットは、読んだり聞いたりして情報を取り込むこと。リーディングやリスニングがインプットに該当します。アウトプットは、書いたり言ったりして英語を自ら発信することです。ライティングやスピーキングはアウトプットに当たります。

いわゆる日本の英語教育はインプット面に偏重しています。大学入試センター試験もリーディングにリスニングが少々といったところです。多くの日本人はアウトプットの練習の絶対量が足りていません。

学習の流れとしてはインプットがアウトプットに先行します。インプットした情報をアウトプットして、実際に使ってみる。これによって、記憶への定着や英語の言語感覚の習得を図ります。

アウトプットの練習は、「頭で覚える」他に「口に覚えさせる」という要素も重要です。

「口に覚えさせる」

英文フレーズを情報として記憶できても、口が慣れないとうまく表現できません。

日本語でも、ふだん使わない言い回しをとっさに言おうとすると、うまく舌が回りません。理解していても、口の動きがついてこれずに噛んでしまいます。英語でよく使う口の動きは、よく練習して慣れておきましょう。

口の動きの練習は、もちろん発音の練習にもつながります。

口に覚えさせるフレーズは、まずは日常でよく使われる表現に的を絞って取り組んでよいでしょう。日常的フレーズであり、日本語にはない口の動き方をする言い回し、たとえば I’ve gottain order towhat I want to say is などの表現を練習してみましょう。

口が英語的な動きに慣れて、なめらかに動くようになれば、思考と発話の間のタイムラグが縮まり、ゆくゆくは「言葉が口をついて出る」境地にも手が届きます。

「シャドーイングをする」

シャドーイングとはシャドー(shadow)が「影」を表すようにまさしく影の様に聞こえる音を復唱する勉強方法です。

シャドーイングはただ聞こえてきた音を繰り返すだけの様にも聞こえますが、
実際にやってみるとネイティブがどこで文章を区切り、どこで息継ぎしているのか分かるだけでなく、発音も矯正されますし、なによりも舌が英語にあわせて回るようになります。

音声しかない物だとなんと言っているか理解できないものはそのままになってしまうので、しっかりとスクリプトが付いている音源を使ってシャドーイングを行うようにしましょう。
また、音声のスピードが速すぎるとついていけなくなってしまうので、自分のレベルに合った音源を使うことがとても重要です。

自然な表現が頭に、そして口に記憶されるので根気よくどんどんと取り組みましょう。

英語の発音の種類・特徴・正しい発音の方法

英語が口を突いて出るようになることを目指す
英語を口にした後でハッと気付く、そんな境地を目指しましょう

単語がわからなくてもそれを表現できる応用力を身に付ける

単語力は重要ですが、不可欠というわけでもありません。ボキャブラリーが非常に乏しくても、英語コミュニケーションは割と成立します。

対象を的確に指し示す表現、バッチリ洗練された表現、となると高度な語彙力が求められますが、そのようなスキルの獲得は後回しにしましょう。

どんな表現も他の表現に置き換えて表現できます。「最適な表現」を追い求めることに固執せず、「とにかくソレを指し示す」ことをめずは目指しましょう。

たとえば「国会議員」を英語で表現する場合

まず「国会」はアメリカ英語では Congress 、イギリス英語では Parliament です。そして国会議員は member of Congress (米)、 member of Parliament (英)ですが、これを worker in government と言ったらどうでしょうか。使っている単語はある程度なじみのあるものだと思いますし、ニュアンスもきっと伝わります。

確かに Congress 、 Parliament (国会)と government (政府)は異なるものですが、普段の会話ではそこまで厳しく追及されないでしょう。ましてや正確な単語を探すあまり黙りこくってしまうよりはよっぽど会話も続くはずです。日本語でもこれぐらいの感じで会話しているのですから、仕事にかかわることを話してでもいない限り、英語でももっとふわっと話してしまっても問題ないと思います。知っている単語の数を増やすことももちろん大切ですが、こういった応用力を身に付けることもとても大事です。

適度なプレッシャーが成長を促す

ではどのようにこの応用力を身に付けるのでしょう。まず第一に英語会話を多くすることです。英会話のためにこういった応用力を身に付けようとのことで、逆説的ではありますが、「早く返答しなきゃ」という精神的圧迫が多少かかっていた方が、こういった表現が出てきたりするものです。ただしプレッシャーが掛かり過ぎると頭が真っ白けになってしまったりシドロモドロになってしまったりすることもよくあるので、意気込みすぎないようにしましょう。

親しい友達との会話のような、気さくに話せる場面では、気楽に構えつつ自分を少し追い立てるようにして話す、言いたいことをうまく表現できなくても諦めずに粘って伝えようとする、といった姿勢を取るよう意識してみましょう。 Forget it. (ごめん忘れて)といったフォローも忘れずに。

独り英語でブツブツ言うクセをつける

会話相手がいなくても英語表現を意識する取り組みが充分可能です。それはかなり大事なことでもあります。

身に周りにあるものや起こった出来事を頭の中で英語にしてみることは、語彙力を下地を養うために重要なトレーニングとなります。たとえば、家の中で「ほうき」(箒)が目につき、ほうきは英語で何というのかと考える。単語が思い浮かばない。とりあえず知っている語彙で説明を試みる。 a thing that we use for clean とか?  a brush which has a long handle とか? ―― 荒唐無稽な表現でも構いません(ひとりごとですから)。一度考えるだけでも正しい語彙力定着への下準備の効果は抜群です。英語で物事を叙述・説明する練習にもなります。

ちなみに箒は英語で broom といいます。さらに辞書で bloom の定義を参照したなら、「掃く」は clean ではなく sweep と表現した方がより適切であるといったニュアンスにも気づけます。

ライティング中に鍛える

ライティング中だと、英会話中と違い時間があるので、分からない単語に出会った際についつい辞書を引いてしまう方もいるでしょう。
しかし、そんな時こそ最初は自分の力で表現してみることによってこの応用力を身に付けることができます。

ライティングの題材は何でもかまいません。日記を書いてみても良し、自分の趣味について書いてみるのもよいです。

また、余談ですが、ライティングは英会話上達にとても役立ちます。
ライティングで一度書いた内容はいきなり話し始めるのに比べ、頭の中で既に整理されているので、すらすらと言葉として出てきやすいです。
日本語であっても例えばプレゼンテーションの前に話す内容をまとめているのといないのでは実際のプレゼンの出来が異なります。
このように話す内容を前もってまとめておくことは英会話でもとても役立ちます。

ライティングは応用力を鍛える以外にも、英会話自体にとても役立つので、英会話上達にはもってこいです。

こんなことができるように

上では a thing と表したように、国会議員の例でも worker を people とさえ言ってしまっても通じるかもしれません。単語わからなければ、どんどんと簡単な単語や表現に切り替えていくことを意識すると分からない単語を説明する時の型のようなものを作ることができます。先ほどのものを例にとれば、物であれば a thing for ○○、人であれば people for ○○といった具合です。

また、こういった癖が身につけば、単語がわからなくても会話が成り立つことを自覚でき、英会話をする自信もつくでしょう。

英語知識を常に吸収する
疑問や興味は放置せずに後で解決する姿勢も大切

語感とリズムで覚える

単語や文法・文型を単独で切り取って暗記したり分析したりする学習法は、学術的知見として有益ではありますが、言語習得を目的とする場合にはさほど重要ではありません。説明できいないけど感覚的に分かる状態のほうがずっと有益です。

その意味で「チャンツ」を意識した学習法はオススメできます。リズムに乗せて英語を把握することで、感覚的に英語を捉えることができるようになります。「うまく説明できないけれど、正解はコレ」という種類の言語感覚を養う意味でチャンツは有効です。

声に出す

英語を声に出す練習は、チャンツ的な音感を身につける意味でも、発音の練習という意味でも、きわめて重要といえます。

独学ではどうしても読んだり聞いたりといった情報吸収型の学習がメインになってしまいます。とにかく声に出す練習を意識しましょう。

英文の音読は英語の語感を身につける方法として役立ちます。

映画やシットコム(コメディ番組)で用いられた台詞を自分で口マネする方法は、発音や音の強弱を身につける方法として役立ちます。

何も見聞きせず自分で思い浮かべた英文を口にする(つぶやく)方法は、英作文能力を養うと共に、思ったことを(頭の中で明文化せずに)すぐ発話する思考プロセスの練習として役立ちます。

TOEFL、IELTSなどの試験を受けてみる

TOEICの他にも英語系の試験として代表的なものにTOEFLIELTSが挙げられます。TOEICとの大きな違いはライティング、スピーキングなどアウトプットを測る基準があります。アウトプットを測るテストを受ける事で、現在の自分のアウトプットのレベルがある程度わかり、話せない原因として文法が弱いのか、語彙が足りていないのか、発音が正しくないのか客観的に知る事ができます。

積極的にSNSサービスを活用してみる

SNSの活用も、語学を独学で上達させる一つの方法として有効です。特に語学、文化の交換を目的とした人を繋ぐHellotalkSpeakyHow do you do? などを利用すれば、世界中の人が友人になり、また英語を教わる先生になります。サービスは基本的に無料で提供されているので気軽に今日から始めることができます。


独学で英会話を上達させるためのスリーステップ

英語が話せるようになるためには多くの学習時間を確保することや、英会話上達にはインプットとアウトプット両方することが大切です。

しかし、英会話をさらに効率よく上達させるにはある程度守るべきステップがあります。
もちろんステップ通りに最初はリスニングだけ!などと頑なになる必要はありませんが、ある程度ステップに沿うことが学習の助けになるでしょう。

ステップ1:聞き取るためのリスニング

スクリプト付きの音源をを用意

英会話において、リスニングができないことは致命的です。相手の言いたいことが理解できなければこちらが話す以前の問題になってしまいます。
リスニング能力の向上が英会話上達への第一歩といえるでしょう。

どのようにリスニングを鍛えればよいでしょうか。

聞き流すだけで英語が聞けるようになる、という学習教材もありますが、本当にただ聞き流しているだけだと、私たちが日本語を覚えるのにかかった時間が必要になる、
もっと言えば分からなかったときにうまく噛み砕いて教えてくれる親や先生のような人もいないため、それ以上に時間がかかってしまう可能性が高いです。

聞き取れない会話を聞き続けていてもある日いきなり聞き取れるようになる、と言うのは考えづらいです。大事なのはどの単語が、どの単語の組み合わせがその音を生み出しているのかを理解することです。
りんごは「アップル」ではなく「アポー」、ストロベリーは「シュトローベリー」のように実際聞こえます。
what do you mean? はネイティブが言うと「ワット ドゥ ユー ミーン」ではなく、「ワッダ ミーン」のように聞こえるわけです。
このような音の違い、変化を理解おらず英語の音声を聞き続けても、何を言っているか理解できません。

このような事態に陥らないためにも、リスニングをする際に気をつけることは常にスクリプトが付いたものでリスニングを鍛えることです。
そうすることで、 what do yo mean? の音が「ワッダ ミーン」のように聞こえることを始めて気づくことができます。

スクリプトを使ったリスニング向上方法の盲点は、スクリプトを読みながらリスニングしてしまうと、リスニングしているつもりでも実は無意識にリーディングに比重を置いてしまっており、リスニングがあまり鍛わっていません。
どこで区切るかはレベルに合わせるとして、あるところまでスクリプトを読む→リスニング→続きのスクリプトを読む→リスニング
このように読みながらリスニングすることは極力避けましょう。

一回のリスニングで理解できないところはもう一度スクリプトに戻り、なんと言っていたか確認、そして再度リスニングすることも大切です。

自分のレベルに合ったものを用意

ではどのようなスクリプトつきの音源を選べばよいのでしょうか。

今では You Tube やその他にも英語のニュースサイトなどでこういったものは簡単に手に入るようになりました。 TED を知っている方も多いでしょう。
また、英語の教材でも音声付のものも多く販売されています。単語帳でも中に掲載されている例文の音声を収録されたものがあります。
映画や海外ドラマも Hulu や Netflix で英語スクリプト付きの作品を見られます。

ただ、この方法による学習は、単語帳内の短文や英語学習者向けのニュースサイトを利用するほうが効率的です。
なぜなら、映画やドラマはネイティブが楽しむために作られたもので、話すスピードが速いのはもちろんのこと、使われている単語や熟語、それに話のネタがその国特有のものであったりして、理解するのがとても難しいからです。

例えば、政治家を皮肉るという文脈の中では、その政治家の名前、その人がどんなことをしたかを知っていて子とその会話を理解できます。
英語が話せる、話せない以前の問題です。

その点、単語帳の例文では日常で使う様な文が掲載されていますし、英語学習者向けのニュースサイトでは学習者のレベルにあった単語を、適度なペースで話してくれています。
これらの音源ではネイティブの会話の様に極端に語尾と語頭を音をつなげて
what did you say を「ワッジュ、セイ」のようには言わないで、
ビギナーにはもってこいの教材と言えるでしょう。

スクリプト付きの音源が見つかる英語サイト

BBC
Voice of America
TED

BBC では例えば Feature をクリックし、表示される 6 Mitnutes English をクリック、飛んだ先のページ内でいろいろなエピソードが見つかるので、その中から好きなものを選んでクリックすると、音声付のスクリプトが確認できます。

Voice of America は例えば LEVEL ONE をクリック、飛んだ先のページ内のエピソードから好きなものを選んでクリックで、見つけることができます。

TED は好きな題材を選んでクリック、動画のあるページに飛ぶので、その動画の下にある Subtitles をクリックし、Japanese で日本語の、English で英語のスクリプト月の動画が見れます。下にスクロールするとスクリプトのみが掲載されているので、こちらを利用しても良いでしょう。

リスニング時は文頭に用心

このようにリスニングを鍛えていくわけですが、それでも最初はスクリプトを見た後でも、一文でもなんといっているかを追いかけるのはとても困難です。
そういう時は特に文頭をしっかり聞き取るように意識しましょう。

英語と日本語の決定的な違いは英語は最初に述語を言い、日本語は最後に述語を言うことです。
英語を聞くことに慣れていないと、無意識のうちに頭が文章の後半に向けてしっかりと聞きとるように準備しますが、英語ではそのまったく反対で、最初を聞き逃すと文章の大意がわからなくなってしまいます。

I don’t like ○○.
私は○○が好きではありません

このくらい短い文ならば聞き取れるかもしれませんが、

He doesn’t allow me to use the car that he bought a short time ago.
彼は彼が最近買った車を使わせてくれない

doesn’t allow の部分を聞き逃してしまうと「車がどうしたの」となってしまいます。
そのため、最初に来る主語、述語、もしあれば don’t, can, should などの助動詞を絶対に聞き逃さないようにすると、リスニングがスムーズに向上し、さらに先に述語を言う、この英語の基礎が自然と身につくようになります。

自然な語順が身につく

スクリプトを読んでリスニングをする、これ勉強方法が役立つ理由がもう一つあります。
それは英語の自然な語順が身につくことです。
これはリーディングだけだと目で覚えているだけなのですが、そこに聴覚を足すことで記憶に定着しやすくなります。

△ Talking with your friends in English everytime you can even if you feel a bit awkward is(←述語) very important to improve your English.

↑ 主語が長くて分かりづらい

○ It is(←述語) very important to talk with your friends in English everytime you can to improve your English even if you feel a bit awkward.

↑ すっきりした

上の例文では述語の is に到達するまでに時間がかかってしまっています。述語が後に来る日本語では上の例文の様によく話しますが、英語では下の例文のような構造が好まれます。
この場合、 is very important が大事な部分であり、下の例文では先にこれに言及することで聞き手は「これからなにかとても大事なことを言うんだな」と無意識に思います。

しかし、上の例文だと~ even if ~の辺りで「『英語で友達と話すこと』が結局どうなの」とそわそわするわけです。

この英語ならではの好まれる語順がリーディングとリスニングを交互に行うことで記憶に定着しやすくなります。
また、これで「文法的にはあっているけどそういう風には言わない」と指摘されなくなるでしょう。

ステップ2:シチュエーション別ライティング

英会話で会話の内容をネイティブの様に楽しむ、というレベルまで達するには相当な時間がかかります。
しかし、会話自体を楽しむことはリスニングができるようになればもう少しです。

サッカーが好きならばサッカーの話さえできていれば楽しいですし、かっこいい、かわいいあの人の言いたいことが分かればそれだけで楽しいと感じられるかもしれません。そして相手の言っていることがわかるようになった、と言う気持ちだけでも会話を楽しいと思えることもあるでしょう。

このように相手の言いたいことさえわかれば後はどんなにつたなくとも自分の気持ちを伝えればよいわけです。
英語に似た言語の国の人がつたない英語でもネイティブと会話を楽しんでいる理由の一つはこれです。彼、彼女らはスピーキングはまだまだかもしれませんが、
言語が似ており、リスニングはすんなりできてしまっているので結果として会話を楽しめるのです。

Beckham is cool! Not only play, but also fashion.
ベッカムってかっこいい!プレイだけじゃなくてファッションもね

ネイティブは文法なんて関係無しに、こちらの言いたいことを汲み取ってくれるわけです。

リスニングができるようになった後は会話の内容を楽しめるようになるために、ライティングを用いてスピーキング力を高めましょう。

ライティングで何を言いたいか明確に

英会話する際に困る理由がいくつかあります。
文法や語彙力不足が問題になることは多いのも事実です。しかしこれを解決したからと言ってすらすらと話せるようになるわけではありません。

英会話する際に何を伝えたいのかが頭の中で明確になっていないことが多く、これがスムーズな会話を妨げることがあります。

日本語でもプレゼンテーションで言いたいことが明確になっていないと言葉が出てこずに焦ってしまうことがあります。
緊張していると言葉が後を突いて出てこなくなるのです。
英語学習者にとって英語での会話は緊張します。身近なトピックならまだしも、あまり詳しくないものではパニックになってしまうでしょう。

そこで、英会話をする前に、先にライティングで頭の中を整理しておくことが後の英会話にとても役立ちます。
プレゼンテーションでも苦手は人はほとんど一字一句覚えてしまえば問題がないことと同じで、極端な英会話で話す内容を一字一句覚えていれば詰まることなく話せます。
もちろん相手があることなのでその通りには行きませんが、そのトピックの中で頻出するであろう単語、熟語を覚えておけば少しのアレンジで対応可能です。

日常の出来事について話しているときも実は使い慣れていない単語、熟語が多くあり、こちらは日記をつけることで記憶に定着させることができるでしょう。

Today, I got up early in the moring. First of all, I did laudry and after that, I had breakfast. Then I left to the workplace. When I stopped by a convenience store, I ran into my friend, Hitomi. We decided to meet this sunday afternoon to have coffee.
今日は朝早く起きた。最初に選択をして、その後朝ごはんを食べて仕事場へ向かった。コンビニに立ち寄ったとき偶然ひとみに会って日曜のお昼にコーヒーを飲みに行く約束をした。

こんな当たり前の日常会話にもぱっと思い浮かばないものもあるかもしれません。英会話中だと when I went to a convevience store と言ってしまうところ、しっかりと stopped by で「立ち寄る」感じや、
I met my friend を I ran into で「ばったり出くわした」感じをしっかりと表現するためにも、前もってライティングの際に調べておくと英会話の際にもパッと出てくるかもしれません。

日常の出来事や興味のあることから

ライティングをするのは結構労力が必要で、あまり興味ないことだとすぐに飽きてしまう危険性があります。

日記のように日常の出来事を記したり、興味のある出来事から取り組むことでまずはライティングをすることに免疫をつけ、少し余裕が出てきたら新しいトピックのライティングにも挑戦するようにしましょう。

単語の学習にも

ライティング中にも最初は一番適した単語、熟語は調べずにまずわかる範囲で書いてみることも重要です。

そうすることで適当な単語が出てこないときの応用力を身につきます。
stop by や run into もわからなければ最初は go や meet とし、そのあとに辞書でそれぞれ最適なものを探すようにしましょう。

こうすることで対応力が付くだけでなく、すぐに辞書で該当する単語を調べるのに比べ、考えて、思い浮かばず、だから辞書を使う、などの段階を踏んだほうが記憶に定着します。

ライティングによって最適なものが見つからないときの応用力、そして実際の最適な単語、熟語のどちらも身に付けることができるようになるでしょう。

ステップ3:スピーキング

ステップ1,2、特に1のリスニングの段階を疎かにして会話ばかりを重視してしまうと、
相手はある程度合わせてくれるので会話にはなり、ある程度会話を楽しめるでしょうが、実際の学習効果は薄くなってしまいます。
相手もこちらがわかる表現やとてもベーシックな単語しか使ってくれず、会話を通してリスニング伸びなくなってしまいます。

トピックの音読

会話時にスムーズに思っていることを話したいならば、シチュエーション別ライティングで書いた内容を何度か音読してみましょう。
一度書いただけでは内容を忘れてしまっていることも少なくないです。
単語を勉強するときも、一回見たり、書いてみたりするだけでは覚えられないことと一緒で、少し時間を置いてもう一度見たり、見る、書く、言うなど五感を駆使したほうが記憶に定着します。

実際に音読してみる効用はそれだけではなく、やってみると「この単語の組み合わせなんか発音しづらい」などいろいろな発見があります。
例えば in an office 。ライティング時には「母音の前は a でなく an 」このように文法を気にするかもしれません。
実際に音読してみると最初のうちは「いんあんおふぃす」をスムーズに言うのがいかに大変か気づきます。

また、論理構成に関しても音読してみることでたまに破綻している箇所を発見することもあります。
I went to a supermarket. That’s why I cooked my dinner.
一見問題なさそうですが、日本語だと「スーパーに行ったから夜ご飯作ったんだ」です。もちろん理解できますが、
(I felt like )I wanted to cook my dinner tonight, so I went to a supermarket.
「今日は夜ご飯を作りたい気分だったからスーパーへ買い物へ行ったんだ」こちらの方がしっくりきます。

トピックについてどんな意見を持っていたかを再認識し、これらの発見もできるので、機会があればぜひ音読をしましょう。

英会話

ここまで来たらあとは実践の英会話で今までの成果を試しましょう。
英会話は相手がいることなので自分の思ったとおりのトピックばかりは話せませんが、準備をしたトピックとそうでないもの両方話したとき、会話のスムーズさの違いに驚きます。

こちらがある程度文法を間違えていようが、ただ単語や熟語をつないだような話し方でも論理構成がしっかりしており、会話が極端に途切れ途切れにならなければ、相手も理解してくれて楽しい会話になります。

反対に文法はしっかりしていてもあまりにも途切れ途切れ話していたり話している内容が明瞭さを欠いていれば、相手は理解に苦しんでしまうでしょう。
ステップ2と3はある程度は同時に取り組んでも良いですが、やはりよく話すトピックについては頭の中で明確にしておいて損はありません。

補足:単語をしっかりと学習

どんなにしっかりとしたステップを踏んでもわからない単語に出会うたびにストップしてそれを調べなければならず、学習に飽きてしまう要因となってしまいます。
そうならないためにも単語は随時勉強しておきましょう。

つたなくても英会話をしたい、という方はまずは形容詞よりも名詞と動詞を先に重点的に覚えるとスピーキングに役立ちます。

形容詞は例えば何かを食べたとき It’s good で伝わります。 It’s savory や It’s spicy などさらに詳しく内容を表現することも可能ですが、それはある程度英語が話せるようになってからでも問題ありません。
しかし、動詞は good のように便利で違う動詞に代替可能なものが少ないです。動詞は do 、名詞は thing を用いることできなくはありませんが、
あまり使ってばかりいると 「それがあれでそうなって、、、」のように不明瞭になってしまいます。

まとめ

英語に限らず語学学習にはいろいろな勉強方法があります。最適な方法はひとりひとり異なっており、どれが正解と断言することはできません。

会話をしたいならば、アウトプットであるスピーキングよりもインプットであるリスニング学習がこれに先立つべきです。聞き取れないことは話せません。
どのようにリスニングを、スピーキング鍛える、という個別の勉強方法は好みがありますが、大枠であるリスニング、スピーキングに関してはこの順番を守ることで効率よく学習することができ、その先に楽しい英会話が待っていると考えましょう。

 


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