英語の前置詞「at」の意味・用法・イメージの正しい捉え方

英語の前置詞「at」は「《場所》になぞらえて指し示す」イメージで捉えましょう。日本語の「ところ」という語のニュアンスが、at のイメージによく対応します。

PEN英語教師塾」の動画レッスンを紹介するコラボレーション企画、今回は「前置詞atの世界」をご覧に入れます。

場所前置詞 at の語義を「使い切る」には、つまり at の持つポテンシャルを最大限に引き出せすには、一通りの語義を統一的イメージに沿って学ぶ方法が有効です。その意味で at の説明に特化した今回の動画レッスンは、まさに値千金。

動画は約20分、講師は田中茂範先生です。以下は動画レッスン内で紹介されている内容をかいつまんで抜き出したものです。

前置詞 at は「点」ではなく「場所」と捉える

at を説明する切り口としては、「at は《点》を指す表現」、というような説明を比較的よく見聞きしますが、これは必ずしも 完璧な説明とは言えません。

「点(point)」で捉える考え方は、誤りというわけではありませんが、at の用法すべてを捉えきれません。点のイメージではどうしても理解困難な部分が残ってしまいます。

at のコアイメージあるいはコア感覚は「場所 (location)」 、と捉えましょう。

この「場所」のイメージは、日本語で 「~のところに(で)」と表現する言い方に通じるものがあります。

日本語の「ところ」の感覚で捉える

前置詞 at と日本語の「ところ」は、意味・用法の広がりが、おおむねよく合致します。

英語の at と日本語の「ところ」が完全に対応関係にあるとまでは言えませんが、対応付けて訳してしまえる場合は多々あります。たとえば at the intersection なら「交差点のところで」、a man at the door なら「ドアのところにいる男性」と表現できます。

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at を「点」と捉えると、場所的な広がりを見落としてしまう
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a man at the door(ドアのところにいる男性)

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at は「続く名詞を《場所化》する」表現

at に名詞または名詞句が続く形の記述では、at は名詞を「場所化する」(場所になぞらえて捉えている)、と解釈できます。これは日本語の「ところ」と同様の感覚と言えます。

たとえば  They are at the lake. という一文は、lake(湖)は「範囲は漠然としているが、焦点は定まっている」対象としての《場所》と捉えられます。

They are at the lake.
彼らは湖のところにいる
The car is at the place where you left it.
車はあなたが乗り捨てたところにあります
There is a woman at the gas station.
ガソリンスタンドのところに女性がいる

at が「めがけたところ」という意味合いで用いられる場合もあります。日本語で「ところ」と訳せるとは限りませんが、対象を《場所》と捉えるイメージは変わりません。

Look at this point.
この点を見なさい
A drowning man will catch at a straw.
溺れるものは藁をもつかむ

in や on との比較

at と in と on を使った表現と比較すると、at が漠然とした《場所》のイメージであることがよく分かります。

  • Have fun at the ocean! →「海」を漠然とした場所として捉えるイメージ。
  • Have fun in the ocean! →「海中」「海の水の中」というイメージ。
  • Have fun on the ocean! →「海上」「海面の上」というイメージ。

at の《場所化》の応用例

at の「場所化」という感覚は、地理的な場所を指し示す場面だけでなく、より比喩的に「場」を捉える言い方でも用いられます。

「活動の場」を示して「従事している」様子を表現する

at には「~に従事している」という意味合いで用いられることがあります。at に続く「場」が「活動の場」として捉えられる場合、「その場所で(関連する活動に)従事している」、「活動している」という意味が出てきます。

the girl at the table
食卓についている(食事中である)女の子
Mary is at her desk.
メアリーは机に向かっている(仕事中である)
You should be at the counter.
カウンターに向かっていなさい(仕事をしなさい)
She is always at her computer.
彼女はいつもPCに向かっている(PCで何かをしている)

「領域」や「分野」を示して「得意・不得意」を表現する

good at mathematics (数学が得意だ)というような言い方は、数学という科目を「領域」「学びの分野」と捉えるイメージで考えれば、《場所化》の表現という流れで理解できます。

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教科を場所的に「領域」「範囲」と捉える

「状態」を場所的に捉えて表現する

at best や at most という風に「状態」を示す言い方も、「最高の状態(のところ)にある」という《場所》になぞらえた表現と捉えられます。

Flowers are at their best now.
花は真っ盛りだ(花は最高の状態のところにある)
He maintained his speed at 80 kilometers an hour.
彼は時速80キロで走った(速度を80キロのところで維持した)
  • at best(最も良いところ)、at worst(最も悪いところで)
  • at most(最も多いところ)、at least(最も少ないところ)
  • at last (最も後ろのところ)、at first(最も初めのところ)
She fell in love with him at first glance.
She fell in love with him at a glance
彼女は彼に一目惚れした
(最初に一瞥したところで惚れた)
(ひと目見たところで惚れた)
You can return these books at your convenience.
あなたの都合のよいところで本を返してくれれば結構です

The suspect is still at large. (容疑者はいまだに逃亡中だ)という表現では、large が「広いところ」→「自由が効く状態」というこおで「逃亡中」「野放し」というった意味を示します。


at と in のニュアンスの違い

at the beginning of 〜 や at the end of ~ などの表現は、前置詞は必ずしも at を用いるとは限らず、in the beginning  of ~、in the end of ~ のように述べることもできます。

at で表現する場合、beginning  や end という時間的な範囲を「めがけたところ(対象となる場所)」として捉えているというイメージで理解できます。

in で表現する場合、対象が《空間》になぞらえてられており、その内部に身を置いているイメージで捉えましょう。

at は《場所》で捉える表現、in は《空間》で捉える表現

at と in を使い分けるコツを端的に述べるなら、「at は《場所》で in は《空間》を指す」といえます。

また、in は「対象の内部に視点が置かれる」表現であり、時間表現においては「その時間の中で(に)」というニュアンスがあります。

in が指し示す対象の時間の内部に身を置くイメージであるのに対して、時間表現における at は、指し示す対象の時間を「外部の視点」から捉える表現である、ともいえます。

《at +場所》は抽象的な場を示す表現

in は空間そのものを指し示す表現であり、at はより漠然とした「場」を指し示す表現です。そのため、at は in よりも抽象的・応用的な意味で用いられやすいといえます。

  • at home (自宅にいて)(くつろいで)
  • in the house (家の中に)(家の中で)
  • at school (学校にて)(学校で勉強している)
  • in the school (学校の建物の中で)

in で表現される空間は具体的な空間や建物であり、a や the といった冠詞が必要です。at で表現される対象は具体的な建物ではないため、冠詞が用いられません。

at は、抽象的・比喩的な「場」「ところ」を指して抽象的な意味合いを表現する言い方にも用いられます。

  • at work(職場で)(仕事中で)
  • at heart(内心では)
  • at will(気の赴くままに)(自由に)

 





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