BBC と VOA は、それぞれ、「英語」のスタンダードと位置づけられるイギリス・アメリカ両国の公共放送局の呼び名です。おおむね日本でいうNHKのような機関と捉えてよいでしょう。
BBC も VOA も共に、英語学習者リスナーを想定した英語講座を提供しています。ネイティブスピーカーが実際に使っているリアルな英語表現を、ネイティブスピーカーによる発音を通じて、もちろん無料で、聞くことが可能です。
品質の高さ、コンテンツの豊富さ、時事性、インターネットを通じて利用できるお手軽さ、等々。英語を学ぶなら利用しない手はありません。学び初めにも、継続的な学習にも、あらゆる方におすすめできるツール / サービスです。
BBCの英語講座は世界の権威
BBC英語講座が提供する、質の高いニュース教材
BBCはイギリスの公共放送局で、国内向けの報道番組などを広く発信していますが、英語学習者向けに「BBC英語講座」(BBC Learning English)という学習教材を配信しています。
BBC Learning English は、 BBC が報じたニュースを教材として利用します。つまり、ネイティブスピーカーが見聞きするリアルな英語で学習できるようになっています。英語表現や読み上げスピードは多少ハイレベルですが、各ニュースごとにスクリプト(文字に起こした文章)が用意されているので、聞き取りを補ったり知らない単語・フレーズをチェックしたりできます。
BBC英語講座の学習ページには、練習問題も掲載されています。練習問題を解きながらのリスニングは、要点を押さえながら聞き取る学習に向いています。
学習者向けの「6 Minutes English」が人気
「6 Minutes English」は、6分間の映像を見つつ英語を聞き取り、映像に関する問題に答えるというクイズ形式のコンテンツです。ニュース+スクリプトの学習よりも取っつきやすさがあり、BBC英語講座の学習コンテンツの中でも特に人気といえるコンテンツです。
BBC Learning English – 6 Minutes English
アメリカ英語なら断然VOA
英語には「アメリカ英語」と「イギリス英語」という細かい区別があります。BBC英語講座はイギリス英語を中心に構成されています。アメリカ英語を学びたいなら、やはり米国で制作・配信されているVOA (Voice of America)がおすすめです。
初学者にやさしいコンテンツが満載
VOAの非英語話者を主な対象とするコンテンツ「VOA Learning English」は、平易な文章、ゆっくり明瞭な発音と、初学者にも聞き取りやすい英語となっています。内容はニュース(報道)なので最近の時事的な世情が把握できます。
一段階レベルアップしてネイティブスピーカーの発話スピードで学びたい場合は、本体サイト「VOA News」で配信されている米国民向けのニュースを活用するとよいでしょう。
VOA でもニュースのスクリプトや重要単語リストが用意されています。硬派な報道だけではなく芸能・日常生活・趣味といった軽めのコンテンツもあります。記事に対するユーザーのコメント投稿も盛んで、コメント欄で議論が起こることもあります。
VOAは派生コンテンツの豊富さも魅力
BBCもVOAも、非ネイティブの初学者向けのコンテンツを提供しているとはいっても、あくまでも英語圏のサービスであり、コンテンツはすべて英語で構成されています。
「英語を学ぶ秘訣は英語で学ぶことにある」という観点に立てば、コンテンツが全部英語という点はむしろ理想的といえますが、いきなり英語だけというのは取っつきにくすぎて無理という見方もあるでしょう。
VOA にはコンテンツの外部提供に寛容であるという特徴もあります。このため、多くの企業(いわゆるサードパーティ)がVOAの記事を転用して教材を制作しています。日本語版教材としても、日本語スクリプトや解説、独自の学習機能などが追加された書籍やスマホけ無料アプリが多く提供されています。