TOEICテストには、受験資格や対象年齢といった制限は特にありません。中学生でも小学生でも受験することができます。しかし、小中学生の頃からTOEICテストを受けても、現在のところは大きなメリットは得にくいと言えそうです。
TOEICのテスト内容は、(英検のようにレベルごとに試験問題が用意されているわけではなく)全受験者で共通です。大学生や社会人と同じ問題に取り組み、その出来がスコアとして評価されることになります。つまり、問題そのものは中学生向けというわけでは全くなく、社会人向けのテストに中学生ながら挑戦するという格好になります。試験内容も、ビジネスシーンでの英語活用が視野に含まれているため、英語力に関わらず内容が不向きという側面も出てきます。
中学生の時点では、いわゆるTOEICテストよりも、TOEICの初級者向け試験プログラム「TOEIC Bridge」を検討するとよいでしょう。こちらは基礎的な英語に焦点を当て、日常会話をメインとした初級~中級者向けの試験です。TOEIC Bridgeで高得点が得られるようになってからTOEICテストに挑んでも遅くありません。
ちなみに、TOEIC公式ウェブサイト上で公開されている資料の、2013年度受験者の学校別の内訳データによれば、TOEIC公開テスト受験者(約90万名)のうち、小学生の受験者は201名、中学生の受験者は964名となっています。0.1パーセントという比率もいさることながら、小中学生の受験者の絶対数がきわめて少ない状況です。
TOEICの受験者で最も多い年齢層は20~25歳とされています。これは大学生および新卒社会人の年齢であり、企業が採用人事において英語力を測る指標としてTOEICが多く利用されていることを裏付けるデータといえます。