英語の単語や文法は日々の勉強で身についてきている、でも、いざ英会話を実践する機会がくると、いったい何を質問すればよいのかわからずに途方に暮れてしまう、そんな経験は多くの人が感じるところです。
英会話に限らず日本語の日本人とのトークでも同じ悩みに直面している人は少なくないかも知れません。
会話が続かず途切れてしまう傾向はちょっとした工夫で克服できます。特に参考になる考え方が「オープンクエスチョン」そして「アクティブリスニング」です。
「オープンクエスチョン」とは
オープンクエスチョン(open question)は、端的に言えば、Yes か No かで回答を済ませてしまうことのできないタイプの、広範な回答の選択肢が用意された質問です。
日本語では「開かれた質問」とも訳されることもあります。
たとえば「ラーメンは好きですか?」のような質問は、「はい」「いいえ」あるいは「どちらともいえない」くらいしか回答の余地がありません。ひとこと発すれば回答は終了、せっかくの質問と返答のやりとりはここで途切れてしまいます。こうした質問はオープンクエスチョンに対して「クローズドクエスチョン」と呼ばれます。
オープンクエスチョンは回答の選択肢を制限しない問いかけです。たとえば「食べ物では何が好きですか」「普段どんなものをよく食べていますか」など。
クローズドクエスチョンでは質問者が回答の「はい」「いいえ」に対してさらなる質問事項をあらかじめ用意する必要に駆られます。オープンクエスチョンは、回答から会話をさらに展開するヒントを見出せます。会話が続く度合いも異なり、会話相手への理解も深まります。
オープンクエスチョンは会話を通じて相手の興味や関心を引き出す意味で有効です。日常会話からビジネスシーンまで幅広く活用できます。
オープンクエスチョン的な英語文例
日常編
休暇中はどんなことをしたいですか?
学生時代のいちばんの思い出は何ですか?
最近ハマっていることはなにかありますか?
ビジネス編
あなたが懸念していることは何ですか?
今のを聞いて何かアイディアが浮かびましたか?
それほどたくさんの事を仕事で経験するってどんな感じですか?
「アクティブリスニング」も併用せよ
オープンクエスチョンと共にアクティブリスニング(active listening)も重要です。これは相手の発言に対し理解を示す動作を指す用語です。あいづちなどもアクティブリスニングに含まれます。
質問したら今度は相手のターンとばかりにじっと発言に聞き入る姿勢では、オープンクエスチョンの真価は発揮できません。相手に対して「聞いている・理解している」ことを伝えることが重要です。
会話は双方向で築くものです。相手の回答まで想定して質問を用意するような質問も不十分、相手に答えさせるだけ答えさせて受け身一方に回る姿勢も不十分。会話を通じて相手にも発信させ、その中から次の会話へつなげる端緒を見つけて、さらに広くあるいは深く会話を発展させていくという営みを意識することが重要です。