接客業はさまざまな人と接する職種です。相手によっては英語での対応が必要となる場面もあります。今や日本国内の都心部以外でも、英語接客スキルを備えておくことの重要性は高まっています。
お土産屋・免税品店に限らず、街中の家電製品店、雑貨店、ドラッグストア、コンビニエンスストア、スーパーなど、あらゆる種類のお店で英語接客が求められる可能性があります。なんと言っても日本の小売店は外国人観光客に人気なのです。
接客業で最低限必要といえる英会話表現は決して多くなく、シンプルなフレーズをいくつか把握するだけでそつなくこなせます。(もちろん、極めようとすれば果てはないわけですが) 会話内容も固定的であり、表現をヒネる必要もありません。フレーズの応用・使い回しも効きます。
いくつかのフレーズを知っているだけでも、突然の事態に直面したときの安心感が違います。
特に重要といえる場面は、金銭の受け渡しを含むレジ周りのやり取り、および、顧客が不満を抱えた状態のクレーム対応の場面です。事が円滑に進むように必須フレーズを把握しておきましょう。
→guest、audience、 customer。「客」は「客」でも種類によって呼び方は違う
目次
基本の接客英会話フレーズ
誘導~支払い方法の確認
Wait in line, please.
Next in line, please.
How will you be paying for that ?
―― ご一緒で、それとも別々にしますか
Paying together or separately?
―― 現金で、それともカードがよろしいでしょうか
Paying in cash, or by credit card?
I’m afraid we take cash only.
他のお支払い方法は可能でしょうか
I’m sorry but your card doesn’t work.
Would you like to use another form of payment?
Your bill comes to nineteen hundred and eighty yen.
The price includes the consumption tax.
Out of two thousand yen.
From two thousand yen, and here’s twenty yen change.
Here’s your receipt.
Do you need a bag?
Would you like this gift-wrapped?
I look forward to serving you again.
親しみを込めた挨拶が英語流
会計では、最初に、レジを挟んで対面したタイミングで 笑顔で「Hello !」や「How are you?」と気さくに挨拶しましょう。会計の最後には「Have a nice day!」のように声を掛けてあげると、互いに気持ちよく会話を締めくくれます。
日本の接客サービスは「お客様」 という扱いで丁重に接するものですが、これほどの接客が標準的となっている国はだいたい日本だけです。海外ではお客も従業員もだいぶ対等に近い接し方が普通、という点は、少し意識しておいてもよいかも知れません。
とはいえ横柄に接する必要は全くありません。海外から日本に来た方は日本流の上質な接客を味わいたいと考えている場合も多々あります。懇切丁寧な姿勢は誰によっても気持ちのよいものです。
キレイな英語でなくてもよい、心が大切
接客サービスだからといってカンペキな「きれいな英語」を話さなくてはとプレッシャーを感じることはありません。発音や文法にイマイチな部分があってもコミュニケーションは十分に図れますし、おもてなしの心はしっかり伝わります。
金銭絡みのトラブルを招くようなアヤフヤ・不正確な表現はさすがにいけませんが、それは最低限の定型フレーズさえ把握していれば避けられるはずです。
客からの要望やクレーム対応で使える英会話フレーズ
接客業とりわけ小売業では購入済み商品を返品・交換したいという要望を受けたり、品切れのようなお客の期待に応えられなかったりする場合もあります。
使い回しの利く対応フレーズ
Are you looking for something in particular?
Would you like to try it?
Sorry, it’s out of stock at the moment.
I’m afraid,this is the only one we have left.
Pardon my ignorance, but what does that mean?
Would you like to do refunds or choose something else?
Please let us know if you have any further concerns.
Sorry for our inconvenience.
お待ちいただきありがとうございます
Thank you for your patience.
日本語では「お待たせして申し訳ありません」と謝るところですが、英語では相手への感謝を述べる形で肯定的に表現します。
レストラン編
We have a daily special.
We recommend a beefsteak.
Are there any foods you cannot eat?
Is there anything you can’t eat?
How do you like it?
How does it taste?
Would you like some drink?
Would you like anything to drink?
おかわりはいかがですか
「~~のおかわりはいかがですか」とおかわりするモノを指定して聞くのが一般的です。
Would you like more water/bread/wine?
May I take your coat?
Here’s a twenty percent off coupon for next time.
アパレル編
You look good on it.
We have small, medium, large, and extra large.
That’s a one-size-fits-all.
Would you like any other colors?
We’re having a spring sale.
That’s thirty percent off.
These got discounted.
This is the last one.
服のサイズ交換はありがちな話題
洋服店では、サイズ表記の認識の違いからサイズ交換を求められる場合がよくあります。
服のサイズ表記はアメリカなどでも日本でも同様に S、M、L、XL といった区分が用いられています。ただし、各サイズはおおむね一回り違います。
たとえば日本で売られる「Lサイズ」のシャツは、アメリカのMサイズ相当もしくはそれ以下だったりします。そのため、Lサイズを買ったら小さすぎて着られず困ったというケースが生じがちです。
ちなみに、フリーサイズは和製英語です。
接客英会話を学べるおすすめ本
▼3語でできる おもてなし英会話 すぐに使える簡単な案内&接客フレーズを厳選!
あわせて覚えたい、自分が買い物客の場合
レジでの接客表現を覚えてしまうと、自分が買い物客としてお店を利用した際にどういう表現が使えるか、どう言えばよいかも分かります。海外に行った時には現地のスーパーでご当地の食品や雑貨を求めてみてはいかがでしょうか。
Can you tell me where the frozen foods section is?
Do you sell liquors?
Where is the cashier?
Can I pay by credit card?
I’d like to pay in cash, please.
Could I have extra bags?
What are the business hours?
I’m just looking.
Are these sold separately?
How long will this tomato last?
I’m supposed to get more change.
Would you give me a discount for this defect?
Could you deliver this to my hotel?
接客の英語表現を見ていると「From two thousand yen」(2000円から)とか「Your bill comes to ~」(お会計~になります)とか、何だか、いわゆるバイト敬語に通じる言い回しが見つかって不思議な気分になります。
おわりに
接客英語は決まったフレーズを覚えるだけでほとんどがカバーできます。「接客の仕事をやってみたいが英語で接客は無理」「英語を使って外国人観光客をおもてなししたい」という場合も、必要なフレーズさえ覚えておけば、焦らずに対応できるでしょう。英語には敬語がないと思われがちですが、丁寧な表現というものは存在します。「Would you like~」や「May I ~」などの基本的な表現を押さえれば、英語でも丁寧な接客が目指せるでしょう。