自然が作ったラヴ&ピースなハート形の景観5+1

ハート(heart)の形は恋愛や縁結びが連想される世界共通の形だ。平和や博愛を示す形でもある。目にするだけで心が穏やかになる。

ハート形はシンプルなように見えて複雑な形をしているが、偶然的に生成されるケースがないわけでもない。自然景観の中にもハート形に見える形がときどき出現する。自然が生んだ人為的っぽい形は人の心を揺さぶるものがある。それが愛と平和のシンボルなんだから尚更だ。

ハミルトン島のハート・リーフ(オーストラリア)

オーストラリアのグレート・バリア・リーフに囲まれたハミルトン島には、ハートの形の珊瑚礁がある。通称ハート・リーフ(heart reef)。

ハート・リーフはピンクの珊瑚で縁取られていて、なかなかに整ったハートの形をしている。もうたまらなくキュートだ。

ハートリーフを見る主な手段は、ヘリコプターによる上空遊覧だ。対象の可愛らしさとアトラクション性も相まって、ハネムーンのお目当てとして人気が高い。

ハミルトン島の近辺には、ホワイトヘブンビーチ(Whitehaven Beach)という大層な名前の浜がある。真っ白な砂浜が延々と7kmほど続く平和な海辺だ。青い海、青い空、そこにカッと惹かれた純白の一線。けっこう名前どおりの極楽浄土だ。

Whitehaven Beach, Australia


ツパイ島(タヒチ)

ツパイ島(Tudai)は、南太平洋フランス領ポリネシア=タヒチに属する。手つかずの自然が残る無人島だ。このツパイ島は島そのものがハート形だ。世界最大のハート、と言われることもある。

北を上に向けた地図だと少し無理があるように見えるかもしれない。どうやったらハートに見えんねん、と首をかしげたなら、納得ただけるのではないだろうか。

ツパイ島のハート形を一望するには、やはりヘリコプターによる遊覧が基本的な手段となる。ツパイ島は基本的に上陸を許されていない島なのだが、2021年までの期間限定で、1日1組のみ、島で挙式を行うことができるようになっている。大自然に祝福された挙式なんてなかなかイイんじゃないかしら。

ツパイ島を望む旅はボラボラ島(Bora Bora)を拠点にすることになるだろう。ボラボラ島はタヒチの中でも有数の観光スポットだ。コバルトブルーの海に浮かぶ水上コテージでくつろいだり、シュノーケリングやダイビングで魚たちと泳いだり、南国レジャー要素が満載だ。

heart-1045210_640


ブルーホール(グアム)

グアムといえば日本人の大好きなリゾート地だ。ここではブルーホールという海中の造形にハート形を見いだせる。ブルーホールは、洞窟や鍾乳洞が水没して海に穴が空いたように見える地形の総称だ。ブルーホール自体は世界各地で見られる。

ここグアムのハート形のブルーホールは洞窟に潜入して見上げるのがお決まりの楽しみ方だ。洞窟内から見あげると、入り口がハート型になっていて、青い光が差し込んでくる。キラッキラの幻想だ。

グアムのハート形ブルーホールは結構な深度まで潜ることになるので、相応のライセンスが必要となる点は留意しておこう。

ヴォーのハート(ニューカレドニア)

南太平洋のニューカレドニアにはマングローブの森が茂る。その中に、くっきりハートの形が出現している。ここはヴォーのハート(The Heart of Voh)と呼ばれている。

マングローブの密林には上陸できないし、上陸したらハートの形は堪能できない。ここでもやはり、ヘリコプターをチャーターして眺める方法が定石だ。訪問難易度はやや高い。しかしながら、とっても整った美しいハートの形は一見の価値がある。

ウィルソン株(屋久島)

Wilson Stump 02
By Σ64 (Own work) [GFDL or CC BY 3.0], via Wikimedia Commons

日本からは屋久島のウィルソン株(Wilson Stump)を推そう。スタンプというのは木の切り株のことだ。

ウィルソン株は戦国時代に伐採されたらしい巨大な杉の切り株だ。なんでも樹齢数千年という代物だそうだ。内部に入って上を見上げると、切り株の天井がポッッカリ空いてハート形のシルエットを形作っている。外側の厳つい存在感と内側の可愛らしさのギャップがたまらない。ツンデレというわけではないと思うが。

ウィルソン株は縄文杉へ出会いに行く道中にある。つまり、屋久島の定番トレッキングコースにある。縄文杉にたどりつく道のりは往復8時間くらい要するハードな道程だ。キツい道行きの合間に出会えるウィルソン株はちょっとした癒やしだ。

冥王星(太陽系)

NH-Pluto-color-NewHorizons-20150714a
By NASA/APL/SwRI [Public domain], via Wikimedia Commons

せっかくなので大気圏外のハート形にも触れておこう。2015年夏にニューホライズンズが撮影に成功した冥王星の姿である。地表に大きくハートの形が現れている。おそらく現時点では人類観測史上最大のハート形なのではないだろうか。

冥王星の地表の大半は氷原ないし氷山で構成されているとみられている。このハート形も氷原らしい。NASA公式サイトでは高精細な画像が複数公開されている。正直なところ、角度やカラー次第でハートに見えたり見えなかったりする。

The Rich Color Variations of Pluto – NASA

そしてまた残念なことに、現時点では、この冥王星のハートを直接に目にすることは難しそうだ。太陽から40天文単位(太陽-地球間の距離の40倍)も離れた、月より小さい天体だから、よほどイイ望遠鏡でも肉眼観測は難しい。でも諦めないぞ。科学のチカラを信じて未来に期待だ。

磯崎 北緯
世界の絶景を中心に名所・迷所・あんな所やこんなトコロを皆様と共有できたらなと願っています。

englishcompany



WebRTCで無料英会話