海外の滞在先で、ちょっとした怪我や体調不良に見舞われた場合、薬局などに薬や絆創膏などを買い求めにいく場合もあるでしょう。そんな場合にきっと必要になる英語の知識を確保しておくことは、事前の備えとしては決して軽視できない部分です。
自身がどんな症状を抱えているか、どんな薬を求めているか、薬局側から提案された商品がどんな種類の薬なのか。こうした情報はボディランゲージだけでは意思疎通しにくいところです。最低限の知識を獲得しておきましょう。
薬(内服薬)は英語で medicine
いわゆる「薬」を、英語では medicine と言います。発音は/médəsn/。主に内服薬を指す言い方です。
形状・用法による呼び分け方
内服薬も薬の服用方法によって錠剤・粉剤・液剤といった種類に区分されます。medicine の下位区分として覚えておきましょう。
- tablet(錠剤)
- powdered medicine(粉剤) あるいは単に powder
- liquid medicine(液剤)
- pill(丸薬)
- capsule(カプセル)
drug は誤解を招く言い方
日本では市販の医薬品や化粧品、日用品などを扱う小売店を一般的に「ドラッグストア」と呼びます。ドラッグ(drug)は薬剤や薬物を意味する語なのですが、これは medicine の元となる物質、原料としての薬物を指す言い方です。drug には毒(有害な成分)も含まれます。
通俗的には、英語で drug というと基本的に麻薬を指します。あるいは、酒やタバコといった常習性・依存性を伴うクスリを指します。
I need drugs. ……がどういうニュアンスに聞こえるかは、あらためて言うまでもないでしょう。
薬(外用薬)は application
塗り薬をはじめとする「外用薬」は application と呼ばれます。いわゆるアプリケーションです。application は「適用する」「宛がう」といった意味を根幹とする幅広い語です。
外用薬も用法によって呼び方が異なります。
- ointment(軟膏)
- poultice (湿布)
- suppository(座薬)eye drops(目薬)、あるいは eye lotion 、eyewash とも
- enema(浣腸)
- compress(湿布)
- prescribed medicine(処方箋)
- gauze bandage(包帯)
- adhesive bandage (絆創膏) もしくは sticking plaster、単に plaster とも
Band-Aid(バンドエイド)は Johnson & Johnson が販売する絆創膏の商品名(登録商標)です。世界的に知られたブランドなので、絆創膏の代名詞として通じるでしょう。
薬を探す際に役立つ単語・フレーズ
薬局に赴き、とりあえず自分で薬を探す場合、まずは各商品が何に効く薬かを判別する必要があります。
何の薬かを自分で見分けるには
店内の案内板や各商品の薬のラベルに注意すると、いわゆる「風邪薬」のような症状別の表示が目に入ってくるはずです。
典型的な表現としては、medicine for ~(~の薬)やanti- ~(抗~薬)といった言い方が挙げられます。たとえば下痢止めは medicine for diarrhea 。他方、風邪薬を cold medicine のように表現する場合もあり、必ずしも型どおりの表現で統一されているとは限りません。
風邪=cold のような表現は日常英会話を通じて覚える機会があるかもしれませんが、下痢=diarrhea のような表現は普段そうそう覚える機会はありません。こればかりは罹患してから調べるはめになるかもしれません。
症状を説明して薬を探してもらうには
自分では症状に合う適切な薬を見つけられない場合、お店の人に相談して薬を探してもらいましょう。
適切な薬を探してもらうには、まずは自分が抱えている病状を的確に表現して伝達する必要があります。
風邪や下痢のように症状が判明しているなら、「I have ~(病名)」のように症状を伝えることもできます。
特に病名・原因が分からなければ、痛みや感覚を訴える方法もあります。I have stomachache. (お腹が痛いんです)のように伝えられるだけでも十分でしょう。
お薬に記載されている重要単語
晴れて薬を入手できたら、正しく使用できるように説明書に目を通さなくてはなりません。特に用法・用量に関する部分は見過ごさないようにしましょう。
重要なキーワードに目を光らせれば必要最低限の情報はすぐ見つかるでしょう。
- tab(tablet) 錠剤
- cap(capsule)カプセル
- pack 袋、包み
- dosage 服用量
- administration 服用方法
服用量: 1日2錠
- before each meal 食前
- after every meal 食後
Please drink the medicine with a glass of water.
コップ一杯分の水と一緒に飲んでください
注意書きにも目を配る
薬の誤った利用は危険です。副作用の注意書きや、併用禁止の注意書きなどがあれば、よく読んで理解に努めましょう。
副作用として~があります
処方箋以外は服用しないでください
常備薬は日本から持って行く
海外で販売されている薬は、日本のそれとは少々勝手が違う場合があります。事によっては、日本人には効果や刺激が強すぎたり、肌に合わなかったりする場合もあり得ます。
風邪薬や胃腸薬、下痢止め、解熱剤といった、ある程度汎用的で小分けされた薬は、あらかじめ荷物に含めて用意して行ってもよいでしょう。もちろん持病のある方は旅程の分だけ処方薬を持参する態勢が万全です。