英語で電話を受けた場合に、相手に「どちら様ですか」と英語で尋ねる場合、Who am I speaking to ? あるいは May I ask who’s calling ? といった表現が、丁寧さもあって無難に使えます。
英語で相手に「誰?」と尋ねる言い方としては Who are you ? が思い浮かびますが、これは電話を通じた会話表現としては好まれません。電話を通じた表現としては少なくとも Who is this ? と言う必要があります。
電話で使う英語表現は文章に敬意を込めるのがコツ
電話では相手の表情や仕草は見えないため、文章表現で最大限に相手への敬意を表現する姿勢が求められます。
もちろん電話上の会話すべてを最大級の丁寧表現で話すべしというわけではありませんし、電話で使われる独特のマナーのすべてが丁寧語の表現に直結するというわけでもありません。
とはいえ電話を受けた際の最初の一言は最大限の丁寧さを込めて述べるくらいの心持ちを持っておくくらいが丁度よいでしょう。
自分(話し手)を主語に置くことで丁寧さを出す
英語では、相手を文章の本筋から遠ざけることが敬意の表現に繋がります。
電話口で相手にどちら様ですかと訪ねる場合、直接的に「誰?」と問うとぞんざいな言い方に聞こえます。
英語で電話口で相手を誰何する場合、婉曲的で丁寧な尋ね方にするために、自分(I)を主語に置いた言い回しが用いられます。
「あなたは誰ですか」と尋ねるのではなく、「私はどなたと話しているのでしょうか」という言い回しにして、「自分を経由する」ような表現を取ることで婉曲的(丁寧)な表現とするわけです。
私が今お話している方はどちら様でしょうか
相手に許しを願う言い方はさらに強い敬意を示す
May I ask ~ のような表現を用いると、質問に答えるか否かの判断も相手に委ねる意味合いが含まれ、いっそう相手を尊重した・婉曲的な・丁寧な表現になります。
どなたがお電話なさっているかお尋ねしたいのですが
日本語の丁寧表現の場合、単語に丁寧さの度合いが備わっていて、「誰」を「どなた」「どちら様」に置き換えたり、「する」を「なさる」に置き換えたりすることで丁寧な表現にできます。英語では単語の使い分けではなく言い回しの複雑化によって丁寧さの度合いを表現します。
Who are you ? は電話ではぶしつけに聞こえるNG英語フレーズ
日本語の「どちら様ですか」をそのまま英語に訳すと Who are you ? くらいの表現になりますが、これを電話口で用いると「あんたは誰だ」というようなストレートな(失礼な)印象を伴って相手に伝わります。
英語の電話を通じたやりとりでは《this》を使って人(相手)を指します。you は基本的に好まれません。
この this の語義・用法について、Longman英英辞典では次のように説明しています。
電話上の会話において名前を出す際に用いられる
― Longman Dictionary
さらにいくらか丁寧さを込める意味で excuse me, あるいは please のような表現も言い添えるとよいでしょう。 Excuse me, who is this ? あるいは Who is this, please ? という風に表現した方がよい印象を持ってもらえます。
電話応対に用いられる英語表現には独特の言い方が多く、いくつかは定型文として覚えてしまったほうが楽です。電話では相手の表情が見えないだけに、適切な言葉を用いて会話をすることが大切です。
もっとも、「表現を気にしすぎて会話が成立しなくなって」というような事態に陥るよりは、言い方が雑でも意思疎通できた方がマシではあります。その点を取り違えてしまっては元も子もありません。
まずは落ち着いて、相手が誰か確認するところからはじめましょう。