「多動力」という言葉を英語で表現するとすれば、multitasking skills のような言い方で表現するのが穏当でしょう。「一意専心でなく色々なことに次々に手を出す」という意味合いは伝わるはずです。
「多動力」という言葉は書籍タイトルに掲げられたキャッチフレーズ(catchphrase)です。同書籍から何を得たか、という部分によって表現も違ってくるでしょう。
「多動力」を英語で端的に述べるなら、きっと multitasking
「多動力」とは、堀江貴文(通称ホリエモン)の著書のタイトルです。
そもそも「多動力」とはどういうことか
「多動力」について、出版社の書籍紹介文では次のように述べられています。
― 幻冬舎 書籍詳細: 多動力
同著について著者自身が寄稿した「東洋経済オンライン」の記事では、さらに端的に「多動力」の何たるかが規定されています。
― 堀江貴文氏「多動力こそが最も重要な能力だ」 東洋経済オンライン
「多動力」は「いくつもの異なることを同時にこなす力」であると説明できるなら、それは英語では multitasking と表現し得る、といえるでしょう。
human multitasking と言った方が無難か
multitasking は基本的にはコンピュータ用語です。コンピュータシステムが複数の処理(タスク)を同時に実行できる、マルチタスク処理、という意味で用いられる語です。
人間の能力について「マルチタスク処理」のように表現する言い方は、可能といえば可能ですが、比喩的な表現として扱うべきでしょう。
先立つ脈絡が特にない場面であれば、「人間のマルチタスク処理(的)思考スキル」という意味合いを表現できるように言い方を工夫した方がよさそうです。
- human multitasking
- multitasking in humans
- multitasking skills
場合によっては単に multitasking と述べるだけで問題なく「人間のスキル」の話題として通じるでしょう。
本質的には自分の言葉で表現する他ない
「多動力 = マルチタスク処理スキル」という捉え方は、とりあえず教科書的な解釈として無難といえそうですが、これは決して「唯一絶対の正解」というわけではありません。
著書の捉え方によって、あるいは、同著から何を得たかによって、すなわち「伝えたい趣旨」によって、表現はいくらでも工夫できますし、また工夫すべきでもあります。「正解」なんてありません。
2018年8月に「英語の多動力」というタイトルの新刊がDHCから発売予定です。もしかすると「英語の多動力」の中では「多動力」を英語でどう表現するかが明らかにされているかもしれません。