【英語】「頭がよい」を表現する英単語が多すぎる

「賢い」「頭が良い」に当たる英語表現は種類が豊富です。単語だけでも、どんな種類の賢さなのかを端的に表現する言い方が一通り揃っています。

語彙が豊富なだけに、言葉のもつニュアンスをちゃんと踏まえて使う必要があります。言葉の選び方を誤ると誤解や失敗の原因にもなりかねません。どういう言葉にどういうニュアンスがあるのかはざっと踏まえておきましょう。


→【英語】バカさの度合いを言い分ける7つの英単語

wise は「知者」「賢者」のニュアンス

wise は、いわゆる「賢い」に相当する意味で広く用いられる語ですが、ただ勉強が出来るという意味合いよりも、むしろ知恵がある、思慮深い、分別がある、といったニュアンスを含みます。名詞形 wisdom は「叡智」などとも訳されます。

The yesterday’s judge was wise.
昨日の裁判官は思慮深い人だった

It was wise of him to refuse the seemingly tempting offer.
一見魅力ある申し出を断った彼は賢明だった

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intelligent は「知性」「知能」のニュアンス

intelligent は高度な知的能力や理解力を備えている、理解力がある、といった意味があります。この語はヒト以外のもの(サル、イルカ、コンピュータなど)を形容する場合にも使えます。

もちろんヒトに対して用いても失礼ではありません。人を形容する場合には、高度な知識を有する、いわゆるインテリな人、といったニュアンスとなります。

I believe there is intelligent life on other planets.
私は他の惑星にも知能をもつ生き物がいると思う

Apes are intelligent.
類人猿は賢い


intellectual は「理知的」のニュアンス

intellectual はすぐれた知性を持つ、高度な知識を有するといった意味合いの語です。こちらはもっぱら人間の賢さを形容する場合にのみ用いられ、動物などには使われません。

名詞形の intellectual は「知識人」「識者」といった意味を持ちます。

She is sort of the intellectual type.
彼女は知的なタイプって感じね

He pretends to be an intellectual.
彼はいっぱしの有識者ぶっている

bright は「聡明」「お利口」のニュアンス

bright は「明るい」という意味を主とする表現ですが、人の賢さ・利発さを形容する表現としても使えます、生まれつき利発で聡明であるといったニュアンスがあり、特に子供の賢さを褒める表現としてよく用いられます。

The child looks bright.
その子は利口そうだ

I followed the bright student.
私はその利発な生徒についていった

smart は「気の利いた」「洗練」のニュアンス

smart は利口な、洗練された賢さがあるといった意味合いで、口語でも幅広く、幅広い場面で多く使われます。「要領が良い」「手際が良い」「きびきびしている」というニュアンスもあり、広い場面で気軽につかえる褒め言葉です。

He says smart things.
彼は発言が鋭い

He is smart and popular.
彼は頭が良くて人気もある

ただし、「抜け目がない」「油断のならない」のようなネガティブな評価で使われることもあります。このへんは表裏一体という感じでしょう。

かつてのカタカナ語では「スマート」といえば「やせている」(→ slim)「粋な着こなしの」(→ stylish)といった意味が主でしたが、スマートフォンが登場したあたりから本来の英語に近いニュアンスの用例が増えつつあるようです。

clever は「如才ない」「上手く立ち回る」のニュアンス

clever は、生まれつきの知能の高さというよりは「頭の回転の速さ」「立ち回りの巧妙さ」といった意味合いの賢さを形容する表現です。「策士」のニュアンスといっても良いかも知れません。

clever は往々にして「ずる賢い」「こざかしい」という意味合いで使われます。必ずしもネガティブな表現というわけではありませんが、使用には注意すべき表現でしょう。

How clever of you to notice that!
それに気づくとは、賢いやつめ

He maneuvered cleverly and collected the fund enough for the project.
彼は賢く立ち回りプロジェクトに必要な資金を集めた

crafty は「さかしら」「狡猾」のニュアンス

crafty は悪い意味で頭の回る、ずる賢い、悪知恵の利くといった純粋にネガティブな意味で用いられる表現です。奸計、陰謀、策略というような高度な悪だくみを描くニュアンスがあります。

crafty as a fox という言い回しもあります。英語圏における「キツネ=ズルい」のイメージに基づく表現です。

She was crafty as a fox.
ほんとうにズル賢い女だった

He is a crafty fellow.
彼は狡猾な奴だ

日本語にもズルい女を指して「女狐」という言い方がありますが、これはもっぱら男をだます悪い女という意味合いです。

【注意】言葉が正しく選べてもダメな場合もある

人を褒めたり評価したりする場合には、状況や相手の立場をよく踏まえて述べるようにしましょう。英語に限った話ではありませんが、人を「頭がいいね」と褒める言い方は、相手の立場や状況によっては失敬千万にもなり得ます。


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