英語の丁寧表現を「距離感の演出」として理解する

相手に何かをお願いする場合の「依頼」の表現は、英語にも数多くのパターンがあります。代表的な基礎的表現としては、「Can you~?」あるいは「Could you~?」などの表現がまず挙げられるでしょう。

Can you open the window?
窓を開けていただけますか
Could you open the window?
窓を開けていただきたいのですが

can も could も、助動詞 can を使った言い方という点では同じですが、一般的には could you ~ で表す言い方の方が丁寧な依頼表現であるとされています。

Can you~? と Could you~? の違いは一ヵ所だけ。その形式上の違いは「時制」ですが、意味上の違いは「丁寧さの度合い」です。

「時制」は時間的に距離を取る丁寧表現

英語では、「婉曲的に遠回しに伝えることが丁寧さの表現となる」という考え方が基礎にあります。

より遠回しな言い方をすればするほど、相手へ指示・命令するニュアンスが薄れます。逆に、直接的な表現になればなるほど、ズケズケと物を言うような丁寧さを欠いた表現になります。

Can you~? よりも Could you~? の方が、より丁寧なニュアンスが加わる要因は、現在形の can よりも過去形 could のほうが「時間的に離れている」ため、依頼内容そのものから距離を置いて(遠ざかって)伝えている、と考えることができます。

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仮定を使った丁寧表現も、やはり距離をおいた言い方

Could you~? よりも丁寧さの度合いの強い表現として、たとえば「I was wondering if~」というような、仮定や間接疑問文を使った言い方があります。

I was wondering if you could open the window.
もし窓を開けていただけたらと考えているのですが

仮定形を使った表現は「まだ相手に依頼してよいかどうかためらっている」というニュアンスが出てきます。つまり、「相手との心的な距離感」を表現する言い方であり、そのために丁寧な表現であると考えることができます。

間接疑問文は依頼してよいかどうかと観測船を飛ばすニュアンスを含みます。遠回しに依頼内容を伝え、実際は依頼未満の(まだ直接頼んだワケではない)段階なら、相手がもし依頼内容を断ったとしても、「断る」という非礼が発生したことにはならずに済みます。


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