英会話は、ややもすると話題がなくなって会話が途切れてしまいがちです。そんな場合の即席の話題として「相手を褒める」という方法があります。
ほめ殺し……というわけではありませんが、相手をホメることで会話も続き、相手に興味と好感を抱いていることを示せます。相手も悪い気はしないはず。適度なホメ言葉は英会話もきっと円滑にしてくれます。
ほめやすい要素
身につけている物をほめる
髪型、服装、持ち物などの「見た目の良さ」は、一見してすぐ見つけられるホメ要素です。ぱっと見て特徴的な部分、自分が気になった(気に入った)部分を、率直に言葉にしてみましょう。具体的な表現としては、I like your ~(あなたの~が素敵)、のようなフレーズが使えます。全体の雰囲気や全体的な見た目をほめる場合には You look ~ のようなフレーズが使えます。
衣服やアクセサリーが素敵と感じたなら「どこで買ったの?」と尋ねれば話が続きます。全体的にいつもと違った気合いの入った雰囲気があるなら「今日は何か素敵なことがあるの?」といった話題が出てくるでしょう。話題が尽きることを怖がる必要なんてなくなります。
こんにちは、私あなたのファッション好きよ。どこで買ったの?
わあ、その髪色いいね
その服すごく似合ってるよ!
今日は素敵ですね!何かいいことでもあったんですか?
ただし肌の色や瞳の色といった人種的な(個人に選択・変更の余地がない)要素は、不快感をもって受け止められます。褒めるポイント選びは少しだけ慎重になりましょう。
仕事ぶりや成果をほめる
相手が携わった仕事や作品を知っている場合、それを話題に上げて「あれはすごいと思った」のようにホメてみる手もあります。その取り組みに携わった経緯や苦労、思い入れなといった話題が引き出せます。
あなたの仕事ぶりに感銘を受けました
作品をみましたよ。また一段と上達しましたね
昨日の試合見たよ。日に日に上手くなっていくね
素晴らしい演説でしたよ
注意すべき事項
ホメてあげれば相手も決して悪い気はしません。上機嫌になってくれるでしょう。ただし、それは真摯に適切にホメている場合に限ります。
適切でないホメ方はむしろ相手の心証を害します。ホメれば何でもいいというわけではない、という点はわきまえておきましょう。
ウソは当然NG
心にもない事を適当に言ってホメてはいけません。おべんちゃらを言えば相手にはバレます。バレバレとは行かないまでも会話の雰囲気は損われてしまいます。
いわゆるデリケートな話題は避ける
あまり面識のない相手とのコミュニケーションでは基本的に避けられる類の話題があります。信教や収入をはじめ、人種に直結する要素、恋人の有無といったプライベートに関わる要素などは、欧米など多くの文化圏では基本的にNG視されます。
容姿そのものへの言及は避けたほうが無難
身長、体重、体型、肌の色や瞳の色というような個人に直結する見た目の要素は、たとえ褒め言葉であっても、相手に不快感を抱かせてしまいがちです。
日本では人種や民族について意識する機会なんてめったにありませんが、世界の大多数の国・地域においてはとても繊細な部分です。個人の人となりではなく人種的性質に焦点を当てているような見方は意識的に除きましょう。
容姿といえば「お若いですね」というような年齢に関する言及もNGです。年齢のわりに若々しいという評そのものがある意味で失礼でしょうけれど、それ以前に、英語圏の文化には年齢について訊ねることが失礼に当たります。
「日本語お上手ですね」もたいがい失礼
日本語を話せる人に対しては自然と日本語力を褒めたくなりますが、これも失礼な言い草になることの多い話題です。
相手は日本語の習得にかなりの努力を費やしているかも知れません。そんな相手に向かって日本語がお上手なんて言えばさすがに失礼に当たるでしょう。
言葉は 喋れる(can speak)かどうかでなく喋る(do speak)もの、という考え方を意識しておきましょう。