もし英語で「子供が欲しい」と述べる場面があれば、I want children. と表現すればよいでしょう。きわめて素朴な叙述ですが十分に通じる言い方です。これは女性も男性も使えます。
もちろん、境遇・立場・願望の度合いなどによってニュアンスを含ませた表現を選ぶ余地も十分にあります。語弊が生じる懸念なども加味しつつ、表現のバリエーションを確認していきましょう。
将来の漠然とした願望として述べる場合
I want children. で十分
自分の将来像を思い描いて、やっぱり子供が欲しいわね~と述べるような場面で、単に「子どもが欲しい」と述べるなら、 I want children. と言えば「子どもが欲しい」の趣旨は十分に表現できます。
I want children. は I want (to have) children. の略と捉えられます。この have は「(肉親が)居る」といった意味合いと解釈してよいでしょう。
「子どもが《ひとり》欲しい」と特定する場合は、children を a child と置き換えて I want a child. と表現できます。ただ、a child と言うと、ことさらに「子どもは何人もいらない、ひとりだけ欲しい」と言っている感が出てきます。人数を指定したりせず漠然と述べる場合には children と言った方が無難です。
時期に言及する場合は副詞表現を加える
「子どもが欲しい」というような話題は、一朝一夕ではない気長な時間的尺度で語られる話題です。基本的には、いつの頃と明示しなくても「将来的には」というニュアンスと捉えてもらえます。
特に「今すぐ欲しい」と言いたいわけではなく、あくまでも「ゆくゆくは~」という話ですよ、と明示・強調したい場合は、 I want children in the future. というように補足してもよいでしょう。
今すぐにでも子供が欲しい、というニュアンスを敢えて示すなら、early 、sooner 、right now といった語を付け加えて述べましょう。
姉が男の子を産んだんだけど超カワイくてさ、私も早く自分の子供が欲しい!
赤ちゃん(baby)が欲しいと述べるとニュアンスが微妙に変わる
I want children. の替わりに I want baby. と表現した場合、「子ども(children)が欲しい」という意味合いでも捉えられますが、とりわけ「赤ちゃんを育ててみたい」という意味合いや、妊娠・出産を経験してみたいという意味合いと解釈される場合があり得ます。
たとえば、結婚・出産の兆しも意欲もまるでない独女が I want to have a baby. と述べた場合、(自分が親になり、子どももいずれ成人する、というような)世代を繋ぐような将来像を思い描いているというよりは、むしろ「子供という存在が可愛いので得たい」というような観点から「子育てをしてみたい」と述べているようなニュアンスが色濃く響きがちです。
同じ I want to have a baby. でも、すでに結婚している女性や、結婚適齢期で結婚・出産に対する意欲がある女性が述べた場合には、「一児の母になる」早期の段階として乳児を思い描いているという、きわめて現実味を帯びた表現になり得ます。今すぐにでも子供を産み、育て、母親になる、という明確な意志が伝わる表現になります。
親になることに焦点を当てる場合
子が持てるという根拠を示す表現
「欲しい」という願望だけなら、自分の状況などを考慮に入れずとも言うことはできます。しかし現実に子を持つためには親になる人の身体的・社会的準備が整っていなければなりません。
I’m ready to have a baby. という表現を使うと、自分には子供を持つ資格があり、だから欲しいのだと訴えることができ、願望に確信や説得性が出てきます。
この表現は話者の立場を超えて様々な場面で使われます。もう子供が欲しいと思ってから何年も経っていてさすがにそろそろ欲しいという人や、ちょうど適齢期を迎えている人、または世間的には早いとされる年齢だが十分子供を持てる歳だと訴えたい人など、使い方次第でいろいろな意味を持つ表現です。
子供を育てる自信ならある、どうして17歳じゃママになっちゃだめなの
わたし34よ、子どもを産む準備ならとっくにできてる
「母になりたい」という婉曲的な表現
女性の「母になりたい」という願望はすなわち「子を持ちたい」という願望と直結していると言えます。特に、子供を持つことについて現実的に考え始める年代の女性にとってはほぼ同義語であるとも言えるでしょう。
英語では単純に I want to be a mother. や I want to become a parent. のように言うことで母親になることへの願望が表現できます。
またまだ漠然とであっても将来的に子供が欲しい、という主旨を表現するには「将来~になる」を make を使って表す英語表現が活用できます。
例えば She will make a good mother. とすると 「彼女は良い母親になるだろう」という意味になるので、これを1人称に置き換えることで「良い母親になりたい」という願望を表す文章が作れます。
良妻賢母になりたい
主語が女性単体ではない場合
夫婦の総意としての表現
子どもが欲しいと考えるのは女性だけの願望ではない場合も多くあります。夫婦が二人とも子供が欲しいと考えている状況ならば、We want children. と表現できます。
また他人から「お二人はお子さんを持つことは考えていらっしゃるの?」などと聞かれた場合には、率直な答え方からオブラートに包んだ答え方まで様々なフレーズが使えます。
はっきりと「子供が欲しい」という意思を伝える場合には Yes, we are hoping to have a child. などと返すと自然な会話になります。
ただ夫婦の考えをあまり詳細には話したくない、子作りに積極的だという印象を持たれたくない、というような場合はもう少し含んだ表現が可能です。
We’re waiting. や We leave it to the nature. といった表現は「子供を欲しいとは思っているけれど積極的に取り組んでいるわけではない」という受け身のニュアンスを多分に含んでいて、日本語で言うところの「コウノトリさんにおまかせしてます」のような表現だと言えます。
あえて相手に言及するときの表現
「子どもが欲しい」と話すときに「誰の子か」に言及することはなんとなくタブーという印象が持たれますが、親しい間柄での話であればそのような踏み込んだ話題になることもあるでしょう。
また健全にお付き合いしているまたは結婚している男女の間での会話において一緒に子供を持とう、家族になろう、という話をする場合も想定すると、「誰と子供を持ちたいのか」に言及する必要性も大いにあると考えられます。
I want a child with you. と言うと「あなたと子供が持ちたい、育てたい」というニュアンスになります。場合によってはカップルでなくても、良い父親や母親になりそうな異性に対して言うこともできそうな、含みのないフレーズです。
I want to raise a child with you. などと動詞を言い換えるとより語弊のない表現になります。
しかし child を baby に置き換えると、どうしても「妊娠」を念頭に置いた表現になります。さらに I want your baby. などとするとより直接的に「あなたの子が欲しい」と鬼気迫る表現に聞こえてしまう可能性があります。
I want to make a baby with you. は、もう明らかにそういう意味です。
男性が一般的に使う表現
男性が「子供が欲しい」という場合は、最も基本的な表現である I want children. などを使う場合が多いと言えます。男女ともに共通して使える表現です。
have a baby は特に「出産する」という意味を表す場合がほとんどなので、男性が使うことはほぼありません。