最近「バズワード」、「バズる」という言葉が使われることがあります。日本では主に「流行る」という意味合いで使われることが多いですが、「バズ」とはもともと英語の buzz に由来します。buzz は更に広い意味を持ち、英語圏でも日常的に使われる単語です。buzz の持つ意味を確認してみましょう。
buzzの意味
buzz とは、低く継続したハミング音で、ミツバチが飛んでいるときの音のような「ブーン」という音を指します。そこから派生して、音もしくは振動に関する意味を多く持ちます。
電話する
現代では、携帯が鳴ると「ブーッ」というバイブ音がするので、イメージしやすいでしょう。または、buzz にはそもそも「電話の音」という意味が含まれています。
ブザーや音でシグナルを送る、合図する
ただ単に合図する、という意味ではなく、ブザーなどの音を使って合図するという意味です。
ばたばたと動くこと
ばたばたと動くことで音がしたり振動したりするので、buzz のニュアンスがつかめるでしょう。ばたばた動くことは忙しいことにもつながるので、忙しくするという意味もあります。
アルコールや(違法な)薬物を摂取したときの初期症状
アルコールなどを摂取すると、気分が高揚して体が震えたりしますが、この用法も「振動」を核にしている用法と言えるでしょう。
恐怖
恐怖を感じるとぶるぶると震えることから、この用法も振動を核にしている表現です。
ゴシップや噂話
これは日本語の「バズ」と近い意味で、有名人のゴシップや巷で広がる噂話などを表します。振動すると徐々にその波が広がっていくように、噂話などの実態がないものの流行も buzz を使って表せます。
buzz を使ったイディオム
buzz off
素早く立ち去る、消え失せろ、電話を切る
buzz off には主な意味が3つほどあります。
1つ目は「素早く立ち去る」です。ばたばたと動く buzz と、ある場所から離れる off がくっついたとイメージすれば分かりやすいはずです。
2つ目が、命令文で「消え失せろ」という意味になります。1つ目の「素早く立ち去る」を命令文で使った形で、もう少し丁寧に言うと「早く立ち去れ」ということです。
3つ目が、「電話を切る」という意味ですが、電話をかけるという意味の buzz と、スイッチのオンオフの off を思い出せば分かりやすいはずです。
catch a buzz
軽く酔うこと
catch a buzz はスラング表現で、軽く酔っぱらっていて、酩酊まではいっていない様子を表します。
buzz for someone
人にシグナルを送る
buzz for someone で、人に対してブザーで知らせる、合図する、という意味になります。光などのシグナルではなく、あくまで「音」や「振動」で合図する場合に使います。
buzz someone in(into) a place
ドアを開けて誰かをある場所に招き入れる
buzz someone in(into) a place は、人を招き入れるという意味の表現ですが、この場合のドアはただのドアではなく、ブーッというブザーを鳴らしながら開くようなドアのことです。この表現も buzz の「音」が核になっています。
buzz with something
(場所が)ごちゃごちゃしていること
buzz with は、部屋や場所が何かで埋め尽くされていること、ごちゃごちゃしていることを表します。
have(get) a buzz on
ほろ酔い気分になる
buzz にはアルコールなどで「軽く酔う」という意味がありますが、have a buzz on はその用法のイディオムです。
give someone a buzz
人に電話をかけること
buzz は電話の音(buzzer)が鳴る、という意味もあります。ケータイのバイブレーターを思い浮かべた方が感覚的イメージがつかみやすいかもしれません。実際そういうイメージで捉えている人も少なくありません
get a buzz out of someone or something
誰かや何かからユーモアを感じること
out of で、「~から」という意味になりますので、人やモノから面白さを感じるという意味です。笑うと体が震えるので、この場合の buzz は「振動」を表す buzz だと捉えれば分かりやすいはずです。
have a buzzing bee in one’s bonnet (about something)
~のことで頭がおかしい。~を思い詰める
bonnet は、あごの下でひもを結ぶ子供用の帽子を指します。buzzing bee は、音を立てて飛ぶミツバチのことです。つまり、ブンブンと音を立てて飛ぶミツバチ(悩み事の比喩)が頭の中にいて、そのことしか考えられない状態を指します。単に、have a bee in one’s bonnet とも言われます。