英語の「同族目的語」構文(dream a dream 型の表現)

英語表現の中には dance a dancedream a dream というような、同じ単語を反復して用いるように見える言い方があります。もっぱら dream a sweet dream というように形容詞などを含む形で用いられます。

この dance a dance のような表現形式は同族目的語構文と呼ばれます。sing a song なども語形は違っているものの同族目的語構文の代表例に該当します。

同族目的語構文は、かなり文語的な表現です。日常英会話で見聞きする機会はそうそうあるとはいえません。しかしながら英語の「他動詞+目的語」の感覚を捉えるにはよい練習材料になります。そして、英語らしい格好良さがあります。

同族目的語とは、同族目的語構文とは

同族目的語(cognate object)とは、動詞が他動詞の目的語として係る名詞が「その動詞の名詞形」(動詞と同語源の名詞)であるような構文における名詞・目的語のことです。この同族目的語を用いた文章が、同族目的語構文です。

典型的な同族目的語構文の一覧

同族目的語構文で用いられる動詞・目的語の種類はかなり限られます。代表的な例なんてせいぜい10個そこそこ程度です。

  • dance a dance
  • sigh a sigh
  • dream a dream
  • smile a smile
  • laugh a laugh
  • live a life
  • die a death
  • sing a song
  • fight a fight
  • grow a growth
  • walk a walk

walk や laugh などは普段はもっぱら自動詞として用いられるので、目的語を取る他動詞的な使い方は違和感のタネになりがちです。

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動詞の自他は敢えて度外視して考える

同族目的語構文に用いられる動詞の大半は、基本的には自動詞として扱われる動詞です。同族目的語構文で用いられる動詞は、自動詞であり、自動詞なんだけど同族目的語を伴って他動詞的に扱われる、と説明される場合が多々あります。

Some intransitive verbs are followed by a phrase similar in meaning to the verb. This phrase is called the cognate object.
自動詞の中には動詞と同じ意味の語句が続くものがある、そうした語句を同族目的語という
EnglishPractice.com

とはいえ、英和辞書ではちゃんと自動詞・他動詞に分けて解説されており、しかも同族目的語構文は他動詞の用法として紹介されている、という場合も多々あります。英英辞書の場合も、扱いは一様ではありません。

そもそも英語の動詞には、自動詞と他動詞のどちらの用法でも使える場合が多々あります。同族目的語における動詞を自動詞とみなすべきか他動詞とみなすべきかという議論は、言語学の分野に任せて、実用上は忘れてしまってよいかもしれません。

構文は原則的に名詞を形容詞で修飾して用いる

同族目的語構文は往々にして「 walk a walk のような言い方」という風に説明されますが、実際には walk a walk の形そのままで用いられることはほとんどありません。

同族目的語は、もっぱら形容詞で修飾されます。名詞を形容詞で修飾することで、その名詞が「どういうものであったか」を示します。

もともと、walk は単独で(自動詞として)「歩く」という意味を示せる訳ですから、walk a walk と述べても特に新奇な意味は生じません(これは冗長なだけです)。

逆にいえば、「どういう歩みをしたのか」と述べる場合に同族目的語構文が活きてくるわけです。

同族目的語の使いどころは実生活では限られる

同族目的語を使った言い回しは、詩的・文学的な文章表現において用いられます。文学作品や詩歌、かたい文章などで目にする機会はあるでしょう。

日常会話では、同族目的語構文はどうしても冗長に響きがちです。日本語でたとえるなら「短い生を生きた」と言うようなもの。そんな風に言うよりは、「若くして死んだ」とでも述べた方がすっきり伝わるでしょう。


同族目的語構文の意味的な区分と言い換え方

同族目的語構文を理解するに当たり、その性質を大きく2つに分けて捉えてみましょう。つまり、「動詞に比重を置いて意味を捉えるべき例」と、「名詞(目的語)の方に比重を置いて意味を捉えるべき例」とに分けるわけです。

意味上ふたつに区分すると、日常会話向けの表現にどう言い換えたらよいかを判別しやすくなります。

動作に比重を置き「どんな風に行うか」を示す文脈

同族目的語構文の多くは、同族目的語に係る修飾語が実質的にその動作をどのように行うのかを説明しています。

たとえば He died a sudden death. という文の場合、字面とおり逐語訳すれば「彼が突然死を死んだ」というような訳文になりそうですが、これはつまり「彼が突然に亡くなった」という事態を示します。

She laughed a hearty laugh.
彼女は存分に笑った

《動詞+副詞》で言い換え可

動作を「どんな風に行うか」を示す同族目的語構文は、動作を副詞で形容する《動詞+副詞》形の表現に言い換えると、すっきり表現できます。

先の He died a sudden death. の文なら、He died suddenly. と言ってしまえば、文意そのものを変えずに表現できます。

とはいえ、副詞一言ではなかなか言い換えが困難な例もあります。たとえば They walked their walk and talked their talk. (彼ららしく歩き、彼ららしく話した)といった表現は、同族目的語構文の特徴を存分に活かした表現といえます。この手の文はそう簡単には言い換えられません。

動作対象に比重を置き「どんなモノを扱うか」を示す文脈

動作の様子・様態を示す例は動詞を形容する表現と解釈できますが、あくまでも修飾語は目的語がどのようなものであるのかを説明すると解釈した方がよい例もあります。

たとえば He sang a famous song. という文は、字面通り「彼は有名な歌を歌った」と解釈すべきで、修飾語を動詞に移して「有名に歌った」という風に理解してしまうと混乱を来します。

この手の例は、たいてい、動詞の意味を日本語にしてみると、「歌を歌う」「夢を見る」という風に、動詞そのものに目的語が含まれているような形になります。日本語を挟む考え方は邪道かもしれませんが、動詞の中に含まれる目的語的な部分を同族目的語と重複させて捉えるようにすると、うまく把握できるでしょう。

I dreamed a strange dream.
奇妙な夢を見た

動詞を軽動詞に変えると言い換えられることが多い

dream や sing のような動詞を使った同族目的語構文は、動作の様子について述べるものではないため、《動詞+副詞》の形ではうまく言い換えられません。

いくつかの表現は、動詞を汎用的で意味の希薄な動詞(軽動詞)に変えることで、日常会話向けの表現に言い換えられる場合があります。

たとえば「夢を見る」という動作は dream (a dream) の他に have a dream とも表現できます。 I dreamed a strange dream. の場合、 dream を have に代えて I had a strange dream. と言い換えれば、無難な言い方にできます。




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