- will を使った表現が適切な文脈
今ここで決めたことを表明する場合
相手に働きかける場合
未来の推測 - be going to を使った表現が適切な文脈
決定済みの予定に言及する場合
確実と思われる予測を述べる場合
英語の未来形は、「未来のこと」「今後のこと」について述べる際に用いられる文法的要素です。大ざっぱに言えば「will や be going to を伴いつつ動詞自体は原形をとる表現」のように捉えられます。
英語の「時制」表現は、多くの場合「現在形・過去形・未来形」という区分で把握されますが、現在形と過去形に対して「未来形」を並置する考え方は、実のところかなり便宜的な枠組みといえます。英語の未来の表現は、現在形や過去形とはだいぶ勝手が違います。
ひとまず「未来形」は「未来表現」と呼んで、現在形や過去形とは一線を画しましょう。その上で、違いを持たせる理由を探っていきましょう。
英語の未来表現「will」と「going to」の意味の違いと使い分け方
未来表現の基本、will と be going to
時間的に未来に属する物事を英語で表現する場合、基本的には will 、および、 be going to を用いて表現されます。
will は助動詞、be going to は句動詞です。
will と be going to の使い分け方は、色々な角度から説明できそうですが、あくまで大雑把な手がかりとして will は自分の意思や主観が大きく関わる事柄を、be going to ある程度の既定路線を表現すると捉えてみてはどうでしょうか。
will が示す主なニュアンス
・今(その時)に決めたこと
・問いかけや約束をする時
・不確実な未来のことを予測する時
be going to が示す主なニュアンス
・前々から決まっていること(予定)
・予定を尋ねる時
・確実に起こると思える未来のことを予測する時
will を使った表現が適切な文脈
未来を表現する言い方といえばまずは will が思い浮かびます。使い所はある程度限られ、表現にもある種のニュアンスが伴います。
今ここで決めたことを表明する場合
will を使った表現が意味するニュアンスは、ちょうど今何かが決まったという意味合いです。
たとえば、「この部屋は暑いね」と言われて、それに対して今「エアコンをつける」と決めたような場面では、will がぴったり当てはまります。
この部屋は暑いね
? I will turn on the AC.
じゃあエアコンをつけるよ
will からは「暑いね」と言われるとは特に想定していなかったというニュアンスも読み取れます。
前々から計画して予定していた事柄は、going to の方が適切です。
今週の金曜日何する予定?
? I am going to go to the cinema.
映画を見に行く予定だよ
will で表現すると、問われて「その場で決めた」感が出てきます。
映画を見に行くことにするわ
相手に働きかける場合
約束や相手への積極的な働きかけは、多分に will を使って表現されます。
仕事多そうだね。手伝うよ
この本貸してくれてありがとう。週末に返すよ
この「相手に働きかける」という観点は、「発言した時点で(ちょうど今)そう意思した」(前々からそう決めていたわけではない)という点で will が適切とも解釈できますが、意思・意志を示す助動詞表現という観点から捉えることもできるでしょう。
未来の推測
これからの(未来の)ことを推測して述べる場合も will で表現されます。
will を使って予測される未来は、ごく近い未来ではなくて、少し先の(あるいは遠い先の)未来です。予想の内容は不確実であるというニュアンスも伴います。
2020年には気温は高くなっているだろうと思います
will で表現される未来の予想は、あくまでも推測であり、推測の域を出ません。現実に起こるかどうか定かでありません。
be going to を使った表現が適切な文脈
決定済みの予定に言及する場合
be going to は、主に、すでに決まっている予定について述べる場合に用いられます。予定に対して使われるので、近い未来の予定されていることを指すことがほとんどです。
この夏休みは何するの?
? I am going to go to Hawaii.
ハワイに行く予定なんだ
質問する側も、今年の夏休みすでに予定が入ってるという前提で質問をしているため be going to を使って質問しています。
回答する側も、回答した時点ですでにハワイ行きの予定が決まっているというニュアンスを込めて be going to を使って表現しています。
過去の予定に言及する言い方にも使える
be going to は過去時制で( was going to あるいは were going to の形で)も使えます。過去時制で使うと「そうする予定だった(んだけど実際にはしなかった)」状況が表現できます。
先週末は何かした?
? I was going to play football, but since it rained heavily, I couldn’t.
サッカーするつもりだったけど、雨がすごかったからできなかったよ
確実と思われる予測を述べる場合
これから起こるであろう事柄に言及する言い方のうち、近い将来かならず起こるに違いない(と発言者は確信している)場合は、be going to で表現されます。
断言できる予測ということで、たいてい、ごく近い未来に関する言及で用いられることになります。
ごらん、あの辺りに黒い雲が沢山、もうすぐ雨が降りますよ
あの人はケータイばかり見ながら壁に向かって歩いているよ、このまま壁にぶつかるに違いないわ
現在形、現在進行形で未来を表現する場合
現在進行形も未来の表現に使うことがある
すでに予定が決まっており、その予定の詳しい内容までバッチリ決まっている、そんな(いわゆる「確定的未来」とでも言うべき)場面では、現在進行形(be ~ing)で叙述することもあります。
キャシーは何時にその空港に着くの?
? She is arriving at 7 am.
7時だよ
空港に定時に便が到着することは、未来のこととはいえ、すでに半ば動かしがたい事実です。このくらい確定的な情報は現在進行形で表現できます。
will と比較して be going to を「will よりも近い未来について述べる表現」であるとするなら、現在進行形は「be going to よりもいっそう近い未来について述べる表現」であると言えるでしょう。
現在進行形を使って表現できる文脈は、be going to で表現しても何ら不自然には聞こえません。
現在形も未来の表現に使うことがある
文脈によっては時制を半ば度外視した現在形で未来のことを述べる言い方も使えます。主に既成事実として扱える事柄を表現する場合に現在形が使えます。
たとえば、交通機関の運行予定(タイムテーブル)、テレビ番組や映画の上映予定(スケジュール)のように、予定が確定的に決まっている事柄は現在形で表現できます。
何時にその映画始まるの?
あなたのフライトは何時発ですか?
予定が変わってしまう可能性はゼロではありませんが、壊滅的な災害が突如発生したような場合を想定しなくてはならず、基本的には無視していいくらい低い可能性です。
定例のミーティングのように恒常的に行われている事柄も、現在形で表現できます。この辺りはもはや「未来について述べる表現」とは特に意識されていないかもしれませんが。
月曜朝の打ち合わせは何時の開始でしょうか
? It takes place at 9am.
9時ですね