英単語の効果的な暗記にオススメ「イメージ記憶法」と「発音記憶法」

英語を使いこなすには、ある程度の語彙力が必要です。語彙力の増強はなかなか難しいもの。単語の暗記は単調でつまらない作業になりやすく、ウンザリしやすい部分です。せっかく覚えたはずの単語がうまく思い出せない(記憶に定着せず半ば忘れる)経験も苦いものです。

筆者も英単語の暗記が苦痛で英語嫌いになりかけたクチですが、あるとき暗記の方法を変えて、効果や効率がかなり向上しました。筆者が導入した覚え方は、単語を「例文をイメージ化して覚える」方法と、「発音(記号)を手がかりに覚える」方法です。


→英単語力は「多く覚える」よりも「忘れない」ことで伸びる

「例文」と「イメージ」で覚える英単語暗記法

イメージをもとにした英語学習法には、2つのポイントがあります。1つめは「例文を作って例文ごと覚える」という点、2つめは「例文を視覚的イメージとして記憶に留める」という点です。

例文化とイメージ化はそれぞれ単独で行ってもそれなりに効果を発揮します。でも組み合わせることで、より効果的な記憶への定着が期待できます。

単語は単独でなく例文にして例文ごと覚える

英単語を「neighborは隣人」のように単独で覚える方法は、単語の意味を対応づけるシンプルな方法ではありますが、単語の使い方が把握できず、他の語との関係(使われ方)も把握できない、そして単語を使う実感がないためツマラナイ、というデメリットの多い方法でもあります。

単語は単独でなく、その単語を含む簡潔な文を用意して文章単位で覚えてしまった方が効果的です。覚える対象の情報量は増えるわけですが、文中の各語が連携しあって記憶への定着度を高めてくれるため、覚え直す損失が減ります。

辞書に記載されている文例は、単語が典型的な用法で扱われている好例です。辞書を引いたら単語よりも訳文よりも先に例文を覚えてしまいましょう。

辞書に記載されている例文の他に、覚えたい単語をいくつか組み合わせたりして例文を自作する手もあります。

たとえば、neighbor (隣人)、 take care(大事に扱う)、 in spite of (それにも関わらず) という単語や熟語が暗記対象に含まれているなら、

My Neighbor Smith takes care of her child in spite of working hard.
お隣のスミス夫人はバリバリ仕事しながら子育てもしている

のような感じで文章をひとつ作成してみましょう。

文章を作成する際には文型や語形変化にも意識を向ける必要が出てきます。総合的な英作文を通じて単語の意味も記憶に刻まれることになります。

単語はイメージ化して視覚的に記憶に定着させる

文章化された描写は具体的な風景を思い描きやすくなります。その風景を具体的に描いてみて「視覚化」すると、いっそう記憶に定着しやすくなります。

うまく描き上げる必要はありません。必ずしも紙に描くべきとも限らず、頭の中で思い浮かべるだけでもよいでしょう。先の例文なら、お隣さんの人物イメージなどを手がかりとした構図などが思い描きやすいのではないでしょうか。

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視覚的な像は記憶に残りやすくもあり、思い出しやすくもあります。とっさの場面で迅速に手がかりを引き出すには、閃くように想起できる視覚的なイメージはかなり効率的です。

一枚絵のイメージでなく動作を思い浮かべてもよい

頭の中で視覚化するなら、静的画像のイメージではなく動作を伴う映像的イメージとして把握する方法もかなり強力です。情報量はぐっと増え、思い浮かべる内容は鮮明・詳細・具体的になります。

再現できそうな動作なら自分で実際に振る舞って例文とヒモづけるという手もあります。体験そのものと直結すれば記憶への留まり方はさらに強固になり得ます。

概念的な情報も視覚的に把握できる

視覚的な覚え方は、前置詞のように抽象的で概念的な要素を把握する手がかりとしても有効です。イメージで覚えることで日本語の助けを借りずに把握できるため、日本語と英語のギャップから生じる祖語を免れやすいのです。

たとえば前置詞の on は、しばしば日本語では「~の上に」のような表現と対応づけられますが、「上」という日本語と対応づけてしまうと理解のズレが生じやすくなってしまいます。

on は「対象(の表面)に接している」という意味が根幹にある語です。側面に張り付いていようが天井にひっついていようが on で表現できます。大半のケースは 上に乗っている状態でしょうから、「~の上に」という表現が妥当な場合が多いというだけです。

視覚的に把握することで、「上」のニュアンスは蓋然的なものに過ぎないという感覚を保ったまま意味を把握できます。

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発音記号で覚える

単語を綴りよりもむしろ発音(発音記号)をメインに据えて覚える方法。にこれは個人的に敬愛してやまない中学時代の恩師から教わった方法です。過去に「英語・フランス語を学んだ私の語学学習法とは」でも披露した考え方なのですが。

発音記号に注目して単語を把握できると、まずは正確に伝わる発音やアクセントの付きかたが分かります。スピーキングとリスニングの能力が向上し、自分で口に出して覚える反復練習が行いやすくなります。そして会話の実践に強くなります。

単語を発音で覚えるようにすると、音と綴りの関係性がパターンとしてつかめてきます。すると、意味は明確でなくても「まずは読める」場合が多くなります。文章の意味は正確には理解できなくても例文ごと覚えてしまえる場合も増えます。この状態は例文をまるごと暗記する方法と親和性が高く、結果として単語を効率的に覚えられるようになります。

発音の正しさは地味にとても大切です。ネイティブスピーカーの発音は必ずしも教科書通りではない、なんてこともよく言われるところですが、それはまた別の話。日本人が曖昧に適当に単語を読み上げても、驚くほど通じません。

アクセントの位置を誤るだけでも全然通じません。アクセントの位置が変わる品詞が変わる単語も少なくないため、話の内容が誤解されることも多々あります。私自身それで何度も苦労しました。


自分に合った方法を見つけることが何より大切

英語の学習方法は人それぞれ、英単語の暗記にしても文章力の鍛え方も、さまざまな方法があり、人によって最適な方法は異なります。絶対唯一の方法なんてありません。(ないはずです)

何度もノートに書き写して「手で覚える」、何度も声に出して「口で覚える」、あるいは黙々と単語の綴りを脳裏に焼き付ける、等々、方法は何でもよいのです。ただ少しでも楽に効率的に記憶が進む方法を選ぶ努力は惜しむべきではないでしょう。

面倒くさがりな私には一つ一つの単語を何回も言ったり書いたりすることが耐えられませんでした。そこで、イメージという手法を使って「一気に」単語を覚えることにしました。

これが必ずしも万人にとってやりやすい方法とも言い切れませんが、学習方法の改善のヒントにでもなれば幸いです。

海外を当てもなく、ぶらぶらとするのが好きです。一番好きな「地方」はフランスのブルターニュ。
自分の海外ふらつき経験がお役に立てれば幸いです!

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