初心者が英語を使って勉強をしたり、英語で物事を考えられるようになるには、まずは「英語を日本語に置き換えない習慣」をつけることが重要です。
英語をマスターした人とは、思考そのものが英語化された人です。ネイティブスピーカーはもちろん、ネイティブ並の英語スキルを持ったノンネイティブもそうです。英語で英語を学ぶ方法がいちど身についたなら、もう従来の学習効率とは天と地ほどの差がつくはずです。
英語の勉強中は日本語を一切使わない。教材は英語でのみ書かれた(日本語の記載のない)ものを使用する。そんな工夫次第で、英語で英語を学ぶことも案外実現できます。
英語圏の児童向け教材を活用する
英語で英語を学ぶ取り組みは、英語圏で赤ちゃんが言葉を覚えていく方法と似たようなものと考えてよいでしょう。いえ、むしろ似せるべきなのです。「いちおう日本語は自在に扱えるんだし赤ちゃんと一緒にはしないで欲しいね」なんて考えてはいけません。
英語圏のネイティブスピーカーの赤子さんも、はじめから英語ペラペラなわけではありません。簡単な英語を読んだり、聞いたり、そして英語で考えたり、といった学習を繰り返し、徐々に英語を使いこなしていきます。当然、学習に使用する言語は英語自体です。
小児用教材にもいろいろなタイプの教材があり、難易度もさまざま、アプローチのしかたもさまざまです。共通している部分は、決して理詰めではなく、感覚的に言葉が身につく方向性が志向されている点でしょう。
小児用英語教材のような「難しすぎない教材」は、英語が理解できず日本語に頼るという逃げ腰の傾向を排除しやすくなります。英語で物事を考え、英語を使いながら勉強を進める、その方法を体に覚えさせるには格好の材料といえるでしょう。
教材のレベルを少しずつ上げる
小児用教材にもさまざまなレベルの教材があります。アルファベットのつづりを学習するような初歩の初歩は飛ばしてしまってもよいでしょう。自分が「十分理解できる」「けれど学ぶところもある」ような内容・難易度の教材を探しましょう。
学習に使う教材のレベルを少しずつ上げていくことで、いきなり壁にぶち当たることもなく、これまで勉強した英語知識を総復習しつつ、英語を英語で学ぶ取り組み方の基礎固めが果たせます。
教材は借りるかウェブ上で探す
英語の未就学児童向けの教材の入手方法としては、図書館、あるいは、英語圏の教育系ウェブサイト、動画共有サイトなどが有望でしょう。
児童教育を主眼とする海外ウェブサイトには教材に使用できる教材を配布しているところも多々あります。
最近ではやはりYouTubeで、その手のチャンネルを探して視聴が一番手軽・手頃な方法ではないでしょうか。
絵本もよい教材
小さな子どもをターゲット読者とする英語の絵本も、教材としてかなり有益です。
絵本は挿絵のイメージを通じて英語を記憶にとどめやすい、すなわち視覚的に学べるという点が大きな利点です。小児用の教材からまともな英文へなだらかに移行できる点も見逃せません。
ゆくゆくは英語辞書を使って英文を読む
「英語の教材を使って英語を学ぶ」取り組みのひとつの到達点は、英語辞書(英英辞書)を片手に英語の文章を読み、分からない単語や表現があれば英語辞書で調べるという学習法でしょう。
こうなってしまえば、ひとまず「読めない英語はない」と言ってしまえます。英語を使って英語を学ぶ取り組みは一気に高度化・高速化されていることでしょう。
英語を絵や動画のイメージに落とし込んで覚える
英語の勉強中は、日本語を一切使わないようにしましょう。教材は英語だけで書かれたものだけ使います。これは大切なことなので改めて強調します。
小児用教材と並んで活用したい学習媒体が「イメージ」です。写真がイラスト等の「視覚的情報」と英単語・英語フレーズを結びつけて覚えてしまうのです。
簡単な単語やフレーズほど、それ自体の意味の把握は難しいものです。日本語を対応させて 《 wood = 木 》 のように言ってしまえば楽なのですが、日本語はぜったいに避けるべき。そこで英語の意味をイメージと結びつけて覚えるわけです。
意味の理解は後からでもよい
イメージで覚えるという方法は、ある程度長いフレーズでも同様に使えます。たとえば「How are you doing?」という挨拶フレーズ、相対する2人の気さくな挨拶の場面なんかをイメージして覚えてしまいましょう。(決して日本語の「お元気ですか」と関連付けてはいけません)
英語のまま理解することが大切です。最初は意味が理解できなくても、何度も聞くことで耳が英語に慣れていきます。音声を繰り返し聞き、単語やフレーズを聞いただけでイメージが頭に浮かんでくるようになれば完ぺきです。
初心者のうちに基本英語をイメージで覚えることができれば、勉強の成果が大きくなります。「英語を英語で学ぶ」ことで、効率的に英語力をつけることができ、短期間の勉強でも確実に英会話が上達します。
暗記よりも実践
英語を話せるようになることを目的とするならば、暗記をすることよりも英会話を実践し、日本語を介さずにとにかく英語を使うことが大切です。英語の知識は、実際に使うことで記憶に残ります。
英会話では、主語がなかったり、語順が間違っていたりと、文法が正しくなくても通じることがよくあります。会話に使われないような文法を覚えるよりも実際の会話の練習をしたほうが、聞き取れることや言えることは多くなります。そのため、文法よりも英会話の「感覚」を身につけることが大切です。また、難しい単語を覚えなくても、多くのことは基本単語で表現することができます。
英会話で相手の言っていることがわからなくても、「Sorry, I didn’t get it.」(ごめん、分からなかった)というフレーズを使う練習になります。英語フレーズがとっさに口から出てくるようにするためにも、実際の会話の経験をすることが何より効果的です。
まずは、英会話のレッスンを受けたり、英語話者の知り合いを作ったりと、英語を話せる相手を探すとよいでしょう。実践に慣れて、英会話で緊張しなくなれば、簡単な英語で話してもらうように相手に頼むこともできるようになります。英会話の中で単語の意味をたずねれば、自然と暗記をすることもできます。英会話の中で「英語を使って英語で学ぶ」ことで、効率的に英語力をつけることができます。
覚えたことを実際に使う練習になり、効率的に英語を学ぶことができます。また、日本語を介さないことで、英語だけで物事を考え、英語だけで会話をするための「英語脳」を作ることができます。