翻訳者が教える!短期留学でも劇的に英語力を伸ばす方法

英語圏に語学留学するなら、やはり英語力の向上が何よりの目的ですよね。今回の記事では、現在翻訳者としても活動しているライターが自らの留学経験に基づき、短期留学でも劇的に英語力を伸ばせるコツをお届けいたします。

筆者の留学経験と語学力

筆者は、高校時代にオーストラリアに6週間、大学時代にアメリカに2週間、短期留学しました。合計で2ヶ月ほどの留学経験しかないわけですが、それでも現在翻訳者として仕事を受注しています。

筆者にとって、オーストラリアは初の海外経験。「ジス・イズ・ア・ペン」状態で行ったわけですが、その後英語圏の人と話すときに「オーストラリアに6週間ステイしていた」と言うと必ず「6ヶ月の間違いだよね?こんなに喋れる日本人見たことないよ」と返される程度の英語力を身につけることができました。大学時代のアメリカ滞在で受けた現地の大学の授業でも、ほぼ支障なく内容を理解できました。

以下、こうした筆者の経験に基づいて、短期間で効率的に英会話学習の効果を上げる方法についてお伝えいたします。


行くなら本気で!

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主目的を忘れない

語学留学の最大の目的は、語学力を伸ばすことのはず。まずはこれを絶対に忘れないことが大事です。以下、詳しく見ていきましょう。

カッコつけ・自己満足とはさよなら

人というのは弱い生き物で、何か努力をするときに「始める準備をした」だけで何か達成したような気持ちになってしまうものです。長い期間語学留学してもいっこうに力が伸びない人の中には、この落とし穴にはまっている人がいるように思います。

英語圏に語学留学に来た。語学学校に通い始めた。テキストやグッズを買った。ネイティブスピーカーの友人ができた。それだけでなんだかカッコいい、グローバルな自分になったような気がして、現状に安心・満足してしまう… そういった状態にはまっている自分に気づいたら、今すぐ気持ちを引き締めましょう。

常に言い回しを「盗む」臨戦態勢で

上にも書きましたように、留学しているというだけで現状に満足してはいけません。劇的に英語力を伸ばすには、やはり毎日24時間最大限に英語を吸収しつづける心構えが必要です。

ネイティブスピーカーと話せているからといって満足してしまわないこと。こういうときにはどういう言い回しをするのか?これはこの人独特の口癖なのか、それともポピュラーに使われている言い回しなのか… 常にアンテナを張り、貪欲に脳みそに英語を詰め込んでいきましょう。

いま英語漬けにならずにいつ英語漬けになるの?

少々古いネタですみません。「今でしょ」ですよね!英語漬けになるために英語圏に留学しているのだから、極力英語漬けの環境で過ごすようにしましょう。

日本人・日本語ユーザーとは付き合わない

これは言われ尽くしていることですが、やはり特に短期留学で劇的な効果を出すためには、日本語からは徹底的に距離を置くべきです。数ヶ月以上の滞在となれば時には息抜きも必要でしょうが、短期であればあえて自分に厳しく。日本人を紹介されそうになったら断る、日本人と出会っても極力英語で喋ることを提案する、というぐらいの勢いが必要です。

筆者がオーストラリアに滞在していたときには、移動時は常にほかの日本人高校生と一緒でした。しかし、移動のバスの中でも「English Time」なるものが設定されていて、これが発動している間はひとことでも日本語で喋ると「No Japanese!!」と怒られるのです。こうした工夫が筆者の英語力向上を後押ししてくれたと思っています。

意識の低いグループともつきあわない

では現地のネイティブの人なら誰とでもつきあっていいのか、というと、そうでもないことに注意です。日本人にも上品な人とガラの良くない人がいるように、英語圏の人にもいろいろな人がいます。怠惰であったり、連日遊ぶばかりであったり、場合によってはドラッグなどに手を出してしまうような人たちも。あなたは勉強をしに来ているのですから、こうした勉強のジャマになる人たちとは距離を置くようにしましょう。犯罪や危険行為に近づいていくことなどもってのほかです。

ネイティブではない私たちにとってはなかなかわかりにくいことですが、英語にもスピーカーの社会階層によって言い回しや使う語彙などに大きな違いがあります。将来ビジネスで英語を使いたいという場合、あまり上品でない英語を気づかずに使ってしまうリスクもあるので、つきあう相手はよく選びましょう。上品で知的な英語を使いたかったら、そういう人と積極的につきあうのがコツです。

24時間英語漬けになれる環境調整を

滞在先はできるだけホームステイなど、生活の中で24時間英語のみに触れられるような環境のところを選びましょう。できれば Twitter や Facebook などの SNS 、 PC の使用言語もすべて英語にして、徹底的に日本語をシャットアウトすると理想的です。

筆者の場合、オーストラリア滞在時はホームステイをし、アメリカ滞在時は現地の大学のドミトリー(寮)に泊まっていました。用意されたPCに日本語入力システムが入っていなかったため、日本語の表示はできても入力することができませんでした。日本の家族とも英語かローマ字日本語でやりとりしたのは、今となってはいい思い出です。

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以上、せっかく留学するなら本気でやろう!というところをお伝えいたしました。次の項は、日本人的な殻を破るコツです。


大事なのは「飛び込み力」!

短期留学で英会話力を大きく上げるために必要なものってなんでしょう?単語や文法を暗記することだと思っている人がいたとしたら、まずはその認識を改めましょう。

もちろん、長期スパンで考えた場合、文法・語彙は基礎力として非常に大事なもの。英語力アップにとってやはり、ある程度の暗記作業は不可欠ですよね。しかし、「短期の語学留学で大幅に力をアップする」のに必要なのは、実は異なる文化・言語の世界に思い切って飛び込んでいく「飛び込み力」とでもいうべきものなのです。

我々日本人には多かれ少なかれ、「日本人的な殻」のようなものに閉じこもっているところがあるのではないでしょうか。語学留学でせっかく外国に来たのなら、この殻からえいやっと飛び出す勇気が必要です。

以下、具体的に解説していきます。

英語に照れない

英語を話すことにどこか気恥ずかしさのある人はいませんか?英語で喋っている自分の姿に慣れないし、うまく喋れなかったらどうしようというプレッシャーもあって、なんだか居心地の悪い気持ちになるんですよね。筆者もそうでした。しかし、そもそもあなたは、英語を喋れるようになりたいから留学しているわけです。ならば、ともかく喋ること!

アレルギーには減感作療法というのがあります。アレルゲン(アレルギーの原因物質)に少しずつ繰り返し触れさせることでアレルギー反応が起きないようにしていく療法です。対人恐怖などの恐怖症にも、暴露療法といって繰り返し苦手な場面に触れさせることで恐怖反応を弱めていく治療法があります。あなたにもし「英語アレルギー」があって、留学でそれを乗り越えたいと思っているのであれば、やはり少しずつでいいから毎日「ともかく喋る」ことを続けるのがいちばんの近道だといえるでしょう。

日本人とも英語で喋りましょう。どれだけ気恥ずかしくても、相手が恥ずかしがってもひるまないこと。ここで日本人的に「空気を読んで」相手の恥ずかしがる気持ちに同調してモジモジしてしまっていると、いつまでも喋れるようにはなりません。

できれば自分とも英語で喋りましょう。考えるときも英語で考えるようにするのです。実はこれは、徹底的に日本語をシャットアウトする環境にいつづければ比較的簡単にできるようです。筆者の場合、オーストラリアに滞在して2週間ほど経った頃、頭の中で「Well, what I have to do next is… (さて、私が次にしなきゃいけないことは…)」とつぶやいているのに気づいて驚いたことがあります。さすがに複雑な思考まで英語にするのは無理ですが、単純なことはできるだけ持ち合わせの語彙を組み合わせて英語で考えるようにしましょう。誰に聞かれるわけでもないのですから、ブロークンでもまったくかまわないのです。

群れない

ほかにありがちなのが、仲間と常に群れて行動してしまうこと。これも良くありません。「恥ずかしいよねえ」「面倒くさいよねえ」「やる気でギラついててキモくない?」そんな同調圧力に浸された集団と常に一緒にいると、モチベーションは低下し、より濃い学習ができる機会も取り逃がしてしまいます。

筆者がアメリカに短期留学していたときは、そのプログラムで一緒に来ていたほかの日本人学生数人が常に群れて行動していていました。先生がいくら「もっと前に座りなさい」と促しても「えぇー?笑」などと顔を見合わせて引いた反応をし、後ろに固まって座るのです。筆者はひたすら授業内容に集中したかったので、いつも先生の真ん前のガブリ寄り席に座っていたのですが、後ろの彼らからはしょっちゅうヒソヒソと、私を含め数人のガブリ寄り組に対する悪口が聞こえてきました。授業態度の評価でもレポートや発表の評価でも、好成績を収めたのはもちろんガブリ寄り組でした。

実は後ろ組は、何かのゼミでこのプログラムに義務的に参加させられたようです。留学にあたってのそもそものモチベーションがガブリ寄り組とは違うので、比較するのは酷かもしれません。でも、もしあなたが自分の時間とお金を注いでせっかく留学するのなら、ぜひガブリ寄り組に属すことができるようにしてくださいね。

わからなくてもモジモジしない

日本人には、何かがわからないということ自体を恥ずかしく思う人が多いようです。しかし個人意識の発達している欧米では、疑問点を持てること自体を「真剣に取り組んでおり、理解力のある証拠」と捉えます。何かわからないことがあったら、うやむやにしたりモジモジ遠慮したりしていないで、堂々と質問しましょう。

授業のような空間では、あなたが質問すれば、先生はおそらくけっこうな高確率で「Good question!(いい質問だね!)」と返してくれます。友人のような関係の相手との会話の中でも、質問をすることを恐れる必要はありません。これ英語でなんて言うのかな?と思ったら即、

How do you say 〜 in English?
英語では〜をなんて言うの?
What do you call 〜 in English?
英語では〜をなんて呼ぶの?

などと質問しましょう。みんな快く教えてくれるでしょう。

遠慮・自己卑下しない

上の項目ともつながるのですが、日本人が「空気を読んで」言葉に出さずに遠慮している様子は、はっきり自己主張する欧米の人たちから見ると「何を考えているのかわからなくてちょっと気持ち悪い」という感じに映るようです。彼らにとって日本人との交流を控えようと判断する一因になってしまっているかもしれません。この日本人的癖はできるだけ手放す必要があります。

たとえば、あまりたくさん質問しても悪いかな、と思ったら、そっと質問の数を控えるという形をとるのではなく、そのままズバリ訊きましょう。たとえばこんな感じです。

I have really many questions to ask you about English. Is it OK for you?
英語について君に訊きたい質問がすごくたくさんあるんだ。構わない?

※about English は省略しないほうがよいでしょう。「英語について」という意味を補わないと、「君に訊きたいことがたくさんある!」という感じになって、「え?もしかして口説かれてる?」と身構えてしまう人もいるかもしれません。

いつも時間をとっていて申し訳ないな、という気持ちになったときは、たとえばこんな感じに伝えてみましょう。

I’m feeling sorry taking your time.
君の時間をとっていて悪いなと思ってるんだ

あなたは過不足なく気持ちを伝えればいいだけです。そうすれば、相手は日本人のように気を遣いすぎる癖がないことがほとんどなので、「ぜんぜん構わないよ!」「ちょっと控えてほしい」「何曜日の何時からなら時間がとれるよ」など、過不足なく返答を返してくれるでしょう。

アメリカ人的ペラペラ英語を目指さない

日本人がニュースや映画などで最も多く見聞きするのはアメリカ英語。このためか、「英語=アメリカ英語」だと思い、必死にアメリカ英語の発音を目指す人が多いようです。

しかし、英語はグローバル言語。世界中で話されているばかりでなく、2010年時点ではなんと英語話者の95%が非ネイティブなのです。アメリカ英語とイギリス英語の間にも大きな発音の違いがあるのですから、世界中の非ネイティブによる英語がそれぞれどれだけ異なっているかは想像がつきますね。

こちらの動画では、30種類の訛りのある英語が聴けます。

グローバル化した世界では、発音の完璧でない英語を使う人の印象はむしろ良い、ということを知っておきましょう。「この人はネイティブでないにも関わらずここまで英語を身につけた知的な努力家だ」という印象が持たれるのです。

英語はひとつのコミュニケーションツール。学習するからには、「より多くの人と交流できる英語」を目指すのが肝要です。世界で数%にすぎない人たちの英語をコピーするためにやみくもに発音ばかり練習するのは得策ではありません。むしろ、TPOに合ったあなたらしい言い回しのストックをたくさん作ることを優先にしましょう。

難しい単語はいらない

難しい単語は覚える余裕があれば覚えたほうがよいのはもちろんです。しかし、短期間で英会話力を大幅にアップさせたい場合は、まずは難しい単語の暗記は後回しにするのがひとつの良い策です。

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こうしたごく簡単な基本動詞は、数えきれない数の熟語や言い回しを作ります。とっさに難しい単語が出てこないからといってパニックになって黙り込んでしまうのではなく、上記のような基本動詞を使ってなんとか伝えたいことを伝える工夫を重ねることが、あなたの英語を「使える」ものにするのです!

基本動詞で作られる熟語のリストは、ネットでも見つけることができます。たとえばこちら。
基本動詞の英熟語(句動詞編) Vol.1カードリスト(単語帳ドットコム)

Oh my God、for letter wordsは禁止

ハリウッド映画などを見ていると、登場人物が「Oh my God!」とか、「F**k!」のような罵り言葉(四文字の綴りのことが多いのでfour letter wordsとも言われます)を叫んでいるのをよく見ますよね。カッコいいと思ってついこうした言葉を使ってしまいがちですが、実はネイティブの間でもこれらはあまり上品な人たちの使う言葉とは認識されていません。属している階層によっては、絶対にこのような言葉を使わないと決めている人もいます。

罵り言葉が良くないのはわかると思いますが、「Oh my God」がなぜ良くないのかは、クリスチャンでない人がほとんどの日本人にはピンときづらいかもしれません。Oh my Godはもともと、クリスチャンが「おお神よ」とキリスト教の神に呼びかけるときの言葉です。聖書では、「みだりに神の名を唱えてはならない」という意味の記述もあります。このため、ちょっとしたことでやたらとOh my Godを連呼するのはどちらかというとはしたないこととされています。クリスチャンでない人が連呼する行為は特に印象が悪いです。「キリスト教の神さまはあなたの神さまじゃないのに、なぜmy Godなんて言うの?」と感じるわけですね。

Oh my God と言いたくなったときには、「gosh(ガッシュ)」を代わりに使いましょう。gosh はGodの婉曲表現で、上品です。筆者の知り合いの大学教授も、よく驚いたときなどに「Gosh!」とか「Oh Gosh!」などと言っていました。

売りになる日本的芸をひとつ持っていく

できれば見栄えする日本的な芸をひとつ身につけていきましょう。着物や浴衣を着る、剣道や空手の型を披露する、折り紙をしてみせる、日本食の作り方を教えられるようにしておくなど、いろいろなものがあると思います。やはり、お返しになにか面白いことを教えてもらえるとなれば、相手だってがぜんやる気を出してくれますよね。

そんなふうに下手に出るのは卑屈だ、という意見もありますが、コミュニケーションを和らげ盛り上げるひとつのとっかかりとしても、ひとつ何かあるととても役に立つと思います。筆者の場合は折り紙を披露したり、日本のカレーやお好み焼きを作って振る舞ったりし、とても喜ばれました。

以上、日本人的な殻を破って異文化・異言語の世界に飛び込むためのコツについて説明いたしました。

筆者より

いかがでしたか?筆者の経験に基づき、短期留学でも大きく英語力を伸ばすコツをお伝えいたしました。あなたの留学が成功し、英語力がグンとアップすることを心からお祈りいたしております!


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