英語学習の「スピーキング」の重要さと日々の練習方法

日々の英会話学習では、書く(ライティング)・話す(スピーキング)といったアウトプット方面の学習がおろそかになりがちです。意識的に学習時間を確保しましょう。

スピーキングは特に、知識だけでなく身体的な感覚を獲得する(体の動かしかたを身につける)必要のある部分です。習得にはそれなりの練習量が必要であることを覚悟しましょう。

スピーキングの練習はいつでもどこでも体ひとつでできます。日常生活の習慣や趣味などとうまく絡めて、暮らしの中に練習の機会を盛り込んでいきましょう。

英語の発音の種類・特徴・正しい発音の方法

スピーキングは体で覚える

英語学習は「教科書から情報を学び取る」方法だけでは足りません。特にスピーキングの練習は、体を使って体に覚えさせる取り組みが必要です。

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頭(英語の基礎知識)はそこそこで充分

体を使う、とは言っても、先立つ英語の知識もやはり必要です。ただし、中学高校レベルの語彙力や文法知識があれば、スピーキング練習に必要な前提知識としてはまずは充分です。

基礎的な語彙力(ボキャブラリー)、各単語の発音、文法の基礎知識などは、現状で大丈夫。あとは、スピーキングの練習と平行してさらに知識を増やしていきましょう。

中学高校で習った英語もすでにほとんど忘れた、という不安があるなら、教科書や演習本を振り返ってみてもよいでしょう。いずれにしても、ガッツリ取り組みすぎてスピーキングに手が回らないということのないように、ほどほどに。

体(身体的な感覚)を意識しましょう

英語の発声は日本語とは少し要領が違います。声の出し方は、繰り返し練習して感覚的に身につける種類の学習が必要です。

英語は発声時に強い息の勢いを必要とします。腹筋にしっかり力を入れて、腹からグッと空気を押し出すような感覚が必要です。

たとえば soup /suːp/ という単語は、語頭の s が強い摩擦音で発音されます。口をすぼめてほぼ閉じかけの状態にして歯の間から空気を勢い良く出して s の音を発音しないと、英語らしい発音になりません。

日本語の中で言及される「スープ」の言い方では英語ネイティブスピーカーには理解してもらえない可能性が濃厚です。

また、英語はアクセントを重視する言語でもあります。アクセントは発音と共に言葉を聞き分ける大きな手がかりとなり、同時に話者の意図や話の要点を示す手がかりにもなります。アクセントやイントネーションをはっきりさせて話すことで、意図がしっかり伝わるスピーキングが実現されます。

空気の摩擦音をしっかり出す、アクセントやイントネーションを十分に表現するには、口まわりの筋肉を使いこなす感覚、ちょっとした筋力、つまり身体の力やキレが必要です。

はじめのうちは、しばらく練習すると軽い身体的疲労感を伴うでしょう。本気で練習すれば腹筋が軽い筋肉痛になることもあります(普段使わない部分の筋肉を使うので)。そこまでしろというわけではありませんが、そのくらい身体を使うわけです。

正しい発音方法(フォーム)を学んでおきましょう

スピーキングをテコ入れするなら、はじめに「正しい発音のしかた」も学んでおきましょう。口の開け方・動かし方、舌の位置、唇の震わせ方、等々のコツを知識として踏まえておくのです。

正しい発音を耳で聞いたとしても、それだけで自分も正しく発音できるようになるとは限りません。正しい形や動きを知っておくのと、我流で試行錯誤するのとでは、学ぶ効率も違えば最終的に到達する発音の美しさも違います。

英語の「正しい発音」方法の身に付けかた・矯正方法・練習方法

あとは度胸。スピーキングは度胸

スピーキングの実践に大きな障壁として立ちはだかる要素に「恥ずかしい」「照れくさい」という感覚があります。

日本人はたいてい、多かれ少なかれ、自分が英語を用いてしゃべることに抵抗を感じます。普段の(現実世界の)生活で英語に接する機会が多い人は、心理的抵抗も薄らいでいますが、英語に接する機会が多くない人は、英語は別世界の言語といったイメージを持ってしまいがちです。

また、つたない英語が恥ずかしい・格好悪いという感覚も抱いてしまいがちです。流暢に話せるなら話したいが、そこまで完璧に話せないから話したくない、という考え方が、練習を阻んでしまって結局上達しないという悪循環を招きます。

実際のところは、英語世界にはカタコトの英語を嘲笑する雰囲気はほとんどありません。むしろ積極的に英語を話そうとする姿勢が知的努力と認められて好印象につながります。

練習すれば遠からず実を結びます。その意味で練習の際に覚える恥ずかしさは「一時の恥」に過ぎません。そして、練習を積まなければ上達せず、英語が《できない》という負の要素を抱き続けることになります。これは「一生の恥」にもなり得ます。


日常に組み込む、楽しめるスピーキング練習方法

洋画を字幕で見つつマネる

映画が好きな方なら、洋画を鑑賞して作中のセリフを模倣する方法がおすすめできます。

字幕つき作品を英語字幕で鑑賞し、字幕を登場人物に読み上げてもらっているつもりで観ましょう。そして、映画内の話者の発言を、すぐ後を追うようにそのとおりに真似ていきます。

ほんの少しだけタイミングをずらして自分も発音する練習法は、シャドーイングと呼ばれます。総じて効果が高いと言われる方法です。

はじめのうちは発話速度が遅れてまごつきます。スロー再生が可能なら活用してもよいでしょう。慣れれば等速でもついていけるようになります。止まらずに発話する部分がシャドーイングの根幹なので、細切れ再生は避けましょう。

登場人物になりきる姿勢が大切

洋画でシャドーイングして練習する方法は、教材となる作品選び(セリフの量や質などが練習向け・内容が英語学習向けといった適切さ)も重要ではありますが、それ以上に自分が好きな作品を選ぶという点が重要です。作中の登場人物になりきって模倣することが上達のカギとなるからです。

セリフを字面レベルで読むだけでなく、アクセント、イントネーション、身振り手振り、表情や語調など、言語表現に付随する要素はすべて完コピするつもりでマネてみましょう。

英会話では抑揚や表情、ボディランゲージなども重視されます。こうした言語表現以外の要素を学べることも、映画のようなメディアを使って練習する大きな利点といえます。

洋画の中のセリフと割り切って構えることで、英語を話すことに感じる照れくささも払拭できる場合もあります。いっそスピーキング練習を舞台稽古のように捉えて練習に挑んでみてもよいでしょう。

英語で日記を書いて自ら音読する

英語で日記をつける習慣は、英作文の練習を日常生活に組み込む手段としておすすめできます。さらに、自分が書いた文章を感情を込めて読み上げるようにすると、スピーキングの練習まで兼ねられます。

日記の音読は、適当なお手本がない練習方法なので、適切に発話できているかどうかは判断しにくい部分があります。しかし、それが「伝え方」を自分なりに考えるよい練習になります。

自分の文章を読み上げると、書く(ライティング)練習ではあまり意識されない「どの部分をどのように強調すれば要点が伝わるか」「言外のニュアンスを伝えるにはどのような話し方・声の出し方をするべきか」といった部分が意識できます。また、声に出すことで言語リズムが意識できるようにもなります。

英会話の実践の場面では、自分で文章を考えて自分で発言することになります。その点を見据えると、自分の文章を自分で読む練習は、定型文ではない自分の言葉をしっかり伝達できる表現力を鍛えるよい練習になります。

ヒトカラで洋楽を歌う

カラオケで洋楽を歌うこともスピーキングにはうってつけです。音楽に乗せて歌うことで英語を発する照れくささはかなり軽減されます。ストレス発散にもなります。

大声で発声練習すると、口の動かし型や腹筋の使い方を大げさにできてコツが掴みやすくなります。小声でも上手に発声できるようになります。

カラオケ店の機材は再生速度も調整できるので、まずは遅めに設定して徐々に速度を上げるといった操作も可能です。

自動車内で洋楽をかけて一緒に歌う方法も有効です。車内という一種の密室で、しかもオリジナルの歌(ボーカルの声)に合わせて自分も歌う方法なら、英語を発する照れくささはほぼ解消されます。

スマホの音声アシスタントに聞いてもらう

昨今のスマートフォンには「音声アシスタント」と呼ばれる音声認識AIが搭載されています。iPhone には「Siri」、 Androidスマホには「OK Google」、Windows Phone には「Cortana」があります。

この音声アシスタントは「AIが聞き取れるレベルの発音」を目指すスピーキング練習に使えます。音声アシスタントの言語設定を英語に変更し、英語で話しかければ、AIが練習相手になってくれます。

iPhoneの「Siri」に英語の練習を付き合ってもらった件

音声アシスタントを相手にするスピーキング練習は、聞き取ってくれる相手がいるため「相手に伝わる話し方」が訓練できます。対人練習ではなく機械を相手にするため照れ臭さも感じずに済みます。

一人でスピーキング練習をすると、自分にしか聞こえない程度の小声になってしまいがちです。ちゃんと聞き取ってもらう(マイクに入力される)には、ある程度の声量が必要です。スマホを口元に近づけ過ぎないように、すこしだけ離して、意図した通りに解釈されるようになれば、「聞き取られる話し方」が身についたと言えるでしょう。


満を持してオンライン英会話

いわゆる「オンライン英会話」サービスは、日本国内で(というか自宅で)Skype経由で英語ネイティブスピーカーを相手に英会話を練習できる、優れた手段です。

オンライン英会話は人に相手してもらえるので、スピーキングのコツ、改善すべき部分、さらに上手な言い方などを、的確に指摘してもらえます。スピーキング能力を実用的な水準に高めるにはもってこいのサービスです。

オンライン英会話は少し自習を積んだ位の段階で利用すると大いに成果を発揮します。洋画でシャドーイング練習法やヒトカラ練習法を少しやってみた上で、実力試しのような構えで取り組んでみると、期待以上に得るものがあるはずです。

オンライン英会話のレッスンは基本的に、一方向的な授業ではなく、双方向の会話を主体として進められます。そのため会話が詰まったり淀んだりすることもあります。そうした場面に備えて、「場をコントロールする」ための定型文をいくつか踏まえておきましょう。とくに「ちょっと分かりません」と表現する言い方を、分からない内容ごとに把握しておくと役立ちます。

「英語が分からない」初心者が最初に覚えるべき対応法と英語フレーズ

Sorry I can’t understand it. (すみません、わかりません)
Sorry I couldn’t catch you. (すみません、聴き取れませんでした)
Excuse me what do you mean? (すみません、どういう意味ですか?)
How do you say […]  in English? (~を英語でなんと言いますか?)
What do you call […] in English? (○○を英語でなんと呼びますか?)
Could you slow down for me? (ゆっくり言っていただけますか?)
Could you repeat that? (もう一度言っていただけますか?)
Well… Let me see,,, (そうですね、ええっと…)
Well, I’m not sure. (そうですね、よくわかりません)

場をコントロールする定型文を繰り返し発声して練習し、なめらかに出るようにしておきましょう。毎朝1回、目覚まし代わりに一連の定型文を音読することをしばらく習慣づけてみるのもひとつの手です。

読み書きと平行して話す練習をする方法

英語の勉強は、話す(スピーキング)練習だけでなく、聞く(リスニング)、読む(リーディング)、書く(ライティング)の各要素をバランスよく進めることで最大限の成果を発揮します。

知識を獲得して、その知識を自分でも使いこなせるようになる、という流れを踏まえると、学習の流れは「読む」と「聞く」が先行して「書く」「話す」が後に続くという順序で捉えられます。

あるいは、英語的思考を身につけるという意味で「読む」「書く」が先行し、耳と口を英語的思考に最適化させるという意味で「聞く」「話す」が後に続く、というとらえ方もできます。

いずれにしても「読む」→「話す」という流れが穏当でしょう。

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長期的に取り組めば実を結びます

言語学習はけっこうな学習量が必要です。言語を習慣レベルで身につけるためには、ある程度の「期間」と「継続」も必要です。そしてスピーキング練習は他の読む・書くといった要素よりも練習量が必要です。

スピーキングが納得できるレベルに達するには、おそらく想像以上の時間がかかるでしょう。なかなか効果が出ずに挫けそうになることもあるでしょう。しかし言語学習とはそういうものです。英語学習の効果は、無段階的にじわじわ上がっていくというよりは、ある水準に到達すると飛躍的に一段上がるという感覚で実感されます。いまいち上達している気配がないと思われても、目に見えないゲージは着実に貯まっていると考え、地味な継続をあくまでも続けましょう。





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